アメリカズ・ゴット・タレント2019 ファイナリスト全10組決まる


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才能の頂点へ、いよいよ来週に迫った決勝戦。NBC才能オーディション番組『アメリカズ・ゴット・タレント』(原題:America’s Got Talent)シーズン14準決勝後半戦が昨日行われ、アメリカによる一夜の投票を経て、来週激突するファイナリスト全10組がついに出揃いました。準決勝前半戦(現地時間9月3日開催・4日結果発表)、パブリック票トップ3に入り決勝進出を最初に決めたのは、初回からアメリカのハートを捉え優勝有力候補の一人として期待が寄せられている歌手コーディ・リー(Kodi Lee)。続いてヴァイオリン奏者タイラー・バトラー・フィゲロア(Tyler Butler-Figueroa)、歌手ベニシオ・ブライアント(Benicio Bryant)が決勝進出を確定。パブリック票第4位から第6位の枠に入ったのはウクライナの子どもダンス・グループ、ライト・バランス・キッズ(Light Balance Kids)、南アフリカのNdlovuユース合唱団(Ndlovu Youth Choir)、歌手ロバート・フィンリー(Robert Finley)。

番組放送中30分間の視聴者ライブ投票の結果、ライト・バランス・キッズがダンキン・セーブで決勝進出を確定。残り2組の内、審査員ガブリエル・ユニオン(Gabrielle Union)と審査員ジュリアン・ハフ(Julianne Hough)がNdlovuユース合唱団に、審査員ホーウィー・マンデル(Howie Mandel)はロバート・フィンリーに投票、審査員サイモン・コーウェル(Simon Cowell)がNdlovuユース合唱団に投票した結果、Ndlovuユース合唱団がジャッジ・チョイスとして決勝進出を果たしました。


準決勝後半戦(現地時間9月10日開催・11日結果発表)、パブリック票トップ3に入り決勝進出を決めたのは、優勝有力候補の一組として注目を集めるインドのアクロバティック・ダンス・グループV.アンビータブル(V.Unbeatable)、そしてデトロイト少年少女合唱団(Detroit Youth Choir)と米国退役軍人・現役軍人からなるアカペラ・グループVoices of Service(ヴォイセズ・オブ・サービス)。パブリック票第4位から第6位の枠に入ったのは、「天使の歌声」10歳ソプラノ歌手イマン・ビーシャ(Emanne Beasha)、コメディアンのライアン・ニーミラー(Ryan Niemiller)、チェコ出身ライト・ペインターのアレックス・ドウィス(Alex Dowis)。

ダンキン・セーブでライアン・ニーミラーが決勝進出。ジャッジ・チョイスではガブリエル・ユニオンとジュリアン・ハフがイマン・ビーシャ、ホーウィー・マンデルがアレックス・ドウィスに票を投じ、サイモン・コーウェルがイマン・ビーシャを選んだ結果、イマン・ビーシャが決勝進出を果たしました。惜しくも準決勝で敗退となったのは、準決勝前半戦でロバート・フィンリーそしてトップ7以下Greg Morton、Eric Chien、Ansley Burns、Jackie Fabulous、Messoudi Brothers、準決勝後半戦ではアレックス・ドウィスそしてトップ7以下Dom Chambers、Chris Kläfford、Lukas & Falco、Marcin Patrzalek、Luke Islamとなりました。

2019年全米王者の称号、賞金100万ドル(約1.07億円)、ラスベガス・ショーのヘッドライナーの権利は果たして誰の手に。10組中6組がシンガー、10組中7組が音楽のアクトとなっており票が分かれ音楽アクトには厳しい戦いとなることが予想されています。決勝戦は日本時間9月18日水曜日(現地時間9月17日)開催、アメリカの投票を経て翌19日、優勝者が発表。なおファイナリスト全10組のこれまでのパフォーマンス映像は以下の通りです。

Kodi Lee – 歌

世界を変える歌声、自閉症で盲目の22歳歌手/ピアノ奏者コーディ・リー。南カリフォルニア在住。先天性視神経疾患、4歳の頃に自閉症障害と診断。一度耳にしただけでその音楽を瞬時に記憶し再現できるといいます。サヴァン症候群の権威、精神科医ダロルド・トレッファート(Dr. Darold Treffert)はその資料から彼について「音楽のサヴァン症候群の定義にまさに当てはまる」。

オーディション・ラウンドではレオン・ラッセル(Leon Russell)1970年曲「A Song For You」でガブリエル・ユニオンのゴールデンブザーを獲得、アメリカを越えて世界に大きな感動を呼びました(記事)。準々決勝ではサイモン&ガーファンクル(Simon & Garfunkel)の1970年曲「Bridge over Troubled Water」、準決勝ではカラム・スコット(Calum Scott)の2017年珠玉のバラード「You Are the Reason」(記事)を美しくソウルフルな歌声で披露。その準決勝のパフォーマンスに珍しく我を忘れうっとりする姿も見せた審査員サイモン・コーウェルは「君は歌を自分のものにし、我々が見てきた中で君は最も特別で、最も才能ある出場者の一人だと私に思わせる曲にしたよ」、「正直なところ、冗談じゃなくってね、演奏中はっと息を呑むような美しさだった」。

Tyler Butler-Figueroa – ヴァイオリン

がんサバイバー、ノース・カロライナ州ローリー出身11歳ヴァイオリン奏者タイラー・バトラー・フィゲロア。4歳の頃急性リンパ性白血病と診断、3年に及んだ化学療法で髪は抜け落ち、学校ではいじめを受け落ち込んでいた彼は、ヴァイオリンと出会うことで輝きを取り戻したといいます。オーディション・ラウンドではケリー・クラークソン(Kelly Clarkson)のパワフルな「Stronger (What Doesn’t Kill You)」でサイモン・コーウェルのゴールデンブザー(記事)。準々決勝ではスウェディッシュ・ハウス・マフィア(Swedish House Mafia)2012年曲「Don’t You Worry Child」、準決勝ではアリアナ・グランデ(Ariana Grande)2014年曲「Break Free」(feat. Zedd)を披露。アップリフティングなパフォーマンスで沸かせました。

Benicio Bryant – 歌

ワシントン州メイプルバレーの14歳シンガー・ソングライター、ベニシオ・ブライアント。2018年、彼のYouTube動画をきっかけに異例にもドイツのキッズ向け歌オーディション番組『The Voice Kids』に招かれ準優勝。オーディション・ラウンドでは、2018年7月NBC『Late Night with Seth Meyers』でブランディ・カーライル(Brandi Carlile)とデュエットで歌った「The Joke」を女の子に間違われる美しい歌声で披露。深みのあるエモーショナルなカバーに会場総立ちの拍手喝采が送られました。ジャッジ・カットではオリジナル・ソング「Here Goes Nothing」、準々決勝ではオリジナル・ソング「Who I Am」、準決勝ではオリジナル・ソング「Fall Apart」を披露。今シーズン唯一オリジナル・ソングで決勝まで上り詰めました。

Light Balance Kids – ダンス

ウクライナ出身11歳-13歳少年少女からなるLEDダンス・グループ、ライト・バランス・キッズ。『アメリカズ・ゴット・タレント』シーズン12(2017年)でファイナル第3位となったウクライナLEDダンス・グループ、ライト・バランス(Light Balance)のメンバーが手がけており、ライト・バランスのキッズ版。光、音楽、アクロバティックなダンスを融合、ハイテックのネオンとLEDを活かした可愛らしくユニークなショーで決勝進出を果たしました。

Ndlovu Youth Choir – 歌

南アフリカ北東部リンポポ州の13歳-27歳からなる結成10年クワイア、Ndlovuユース合唱団。その多くは電気、水の通っていない小さなコミュニティで育ち、孤児、貧困など困難なバックグラウンドを持っているといいます。メンバーのある女子は「私たちにとって夢を見ることは簡単じゃなかった」、「でも合唱団に入って自分の声を見つけたわ、そして笑顔が戻ってきた」と目を輝かせます。「合唱団にいると、何かに属している感覚、夢見ることを恐れなくていいんだという自信を与えてくれます。だから可能性は無限大だわ」。

その合唱団を率いるRalf SchmittはAGTのステージで「今日私たちは、”My African Dream”を歌います。今日の曲にこれ以上ぴったりの曲はありません。なぜならそれは希望と夢を歌っているからです。私たちの夢は世界中の子どもたちに伝えることです、貧困に生まれても決してあなたは貧しいのではないということを」。ジャッジ・カットでは南アフリカで開催された2010 FIFAワールドカップ公式テーマソングであるシャキーラ(Shakira)「Waka Waka (This Time for Africa)」、準々決勝ではU2の「Beautiful Day」(2000年)、準決勝では今年夏カイゴ(Kygo)とホイットニー・ヒューストン(Whitney Houston)のカバーで話題となったスティーヴ・ウィンウッド(Steve Winwood)1986年曲「Higher Love」を披露。母なる大地アフリカが躍動する迫力のダンスとダイナミックな歌声でアフリカのプライド、希望と夢を世界へ届けます。

V.Unbeatable – ダンス

インド・ムンバイ出身12歳-27歳の28人からなるヒップホップ・ダンス・グループ、V.アンビータブル。メンバーの多くはスラム街に住んでいるといい、ダンスは全てを忘れさせ「自由になれる瞬間です」、「この機会は僕たちの人生を変えてくれるかもしれません」。6年前リハーサル中のアクシデントにより、孤児でファウンダーの一人だったVikasが亡くなり、「彼の夢はこのようなステージに立つことでした。だから僕たちは全て彼のためにやっています」。

その遺志を継ぎ頭文字をとってV.アンビータブルとなった彼らは、まさに夢の舞台だというAGTのステージで、竹、椅子、はしごなど用いながら宙を自在に舞う命をかけたアクロバティックな演技とエネルギッシュなダンスで魅了。全米のハートを奪いゲスト審査員ドウェイン・ウェイド(Dwyane Wade)のゴールデンブザーを獲得、圧巻のパフォーマンスで決勝まで駒を進めました。

Detroit Youth Choir – 歌

犯罪率・貧困率が極めて高いデトロイトに住む8歳から18歳までの少年少女からなるデトロイト少年少女合唱団。21年にわたり同合唱団を指揮するアンソニー・ホワイト(Anthony White)は「デトロイト少年少女合唱団は地域に根ざした合唱団です。その多くがスラム街に住む子たちで、家庭環境に恵まれない子たち、ストリートにいる子たちもいます」、「デトロイトの街には素晴らしい子どもたちがいる、そのことを世界に示すために私たちはここに来ました」。オーディション・ラウンドでマックルモア(Macklemore)とライアン・ルイス(Ryan Lewis)の「Can’t Hold Us」を力強いラップとダンスで魅せ司会テリー・クルーズ(Terry Crews)がゴールデンブザー(記事)。

準々決勝ではキャリー・アンダーウッド(Carrie Underwood)「The Champion」(記事)、準決勝ではパニック・アット・ザ・ディスコ(Panic! At The Disco)「High Hopes」を披露。地元の熱い応援を受けながら、メッセージ性の強い曲にラップを組み込みんだ力強くアップリフティングなパフォーマンスで決勝進出を決めました。

Voices of Service – 歌

4人の米国退役軍人・現役軍人からなるバージニア州アカペラ・グループVoices of Service(ヴォイセズ・オブ・サーヴィスィズ)。PTSDと闘う軍人のため音楽セラピーなど行っているといい、メンバーのロン・ヘンリー(Ron Henry)はAGTで「人生のいかなる試練とも闘うアメリカ国民全員へ、我々は愛と希望のメッセージを広げ、音楽がなしうるものを見せたい」。オーディション・ラウンドではケイティ・ペリー(Katy Perry)の2016年曲「Rise」、ジャッジ・カットではウィズ・カリファ(Wiz Khalifa)とチャーリー・プース(Charlie Puth)の2015年曲「See You Again」、準々決勝ではギャヴィン・デグロウ(Gavin DeGraw)2014年曲「Fire」をゴスペル風のエモーショナルなカバーで披露。

準決勝ではワンリパブリック(OneRepublic)2016年曲「Choke」を魂のこもった歌声で披露、深い感動に包まれ会場はスタンディングオベーションに溢れました。サイモン・コーウェルは「あなた方が人生を通じて為してきたこと、その傑出したものを我々に映し出した」、ジュリアン・ハフは「ダイナミックな歌声だったわ。親密なゾーンから美しさと優雅さを爆発させた。でも最高のところはあなた方の情熱を支えている志、それがハッキリと伝わってきたわ」。

Ryan Niemiller – コメディ

Emanne Beasha – 歌

ヨルダン・アンマン生まれ、現在フロリダ州ノースポートで暮らす「天使の歌声」10歳ソプラノ歌手イマン・ビーシャ(Emanne Beasha)。アラブ諸国のゴット・タレント『Arabs Got Talent』2017年(シーズン5)当時8歳で優勝。ジャッジ・カットで、ルチアーノ・パヴァロッティ、アンドレア・ボチェッリのカバーでも知られる伊ルーチョ・ダッラ(Lucio Dalla)の「カルーソー」(’86、原題:Caruso)を年齢離れした圧巻のオペラティック・ヴォイスで歌い上げ、ゲスト審査員ジェイ・レノ(Jay Leno)のゴールデンブザーを獲得しました。オーディション・ウィークではジャコモ・プッチーニ(Giacomo Puccini)作曲の歌劇『トゥーランドット』(原題:Turandot)より「誰も寝てはならぬ」(原題:Nessun dorma)、準々決勝ではアルフレード・カタラーニ(Alfredo Catalani)作曲の歌劇『ラ・ワリー』(ワリー、原題:La Wally)第一幕アリア「さようなら、ふるさとの家よ」(原題:Ebben? Ne andro lontana)を圧倒的歌声でドラマチックに歌い上げ、審査員らを唸らせ会場は総立ちの拍手喝采に溢れました。一方準々決勝ではブライアン・アダムス(Bryan Adams)の「(Everything I Do) I Do It for You」(’91)をオーケストラ・サウンドにアレンジ。壮大な美しいバラードで挑み、ジャッジ・チョイスで決勝進出を果たしました。

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