2015年にEmphaticからバンド名を変更し、ギタリストのジャスティン・マケイン(Justin McCain)のもとネブラスカ州オマハで誕生した米ハードロックバンド、スルー・ファイア(Through Fire)。2016年7月リリースしたデビュー・アルバム『Breathe』(通常盤)に新たに楽曲を追加したデビュー・アルバム『Breathe』デラックス盤が、先週4月7日にリリースされました。
“蘇り”のイントロから始まる同アルバムのリード・シングル曲「Stronger」では、血気溢れる熱いサウンドと共に「おまえは決して俺を打ち負かすことはできない」とそのリリックで自らを支配・抑圧する相手からの解放、それを打ち破る屈強な決意によって、再び息を吹き返していきます。
スキレット(Skillet)のフロントマン、ジョン・クーパー(John Cooper)やIll Niñoのクリスティアン・マチャド(Cristian Machado)を彷彿とさせるグラント・ジョシュア ・ケンドリック(Grant Joshua Kendrick)の重心の低いヴォーカルで鼓舞する不屈のスピリット・ソング「Stronger」は、精神的に追い詰められる関係に直面する親しい友人の経験を元に制作されたものであるとソングライターのジャスティン・マケインは明かします。「この曲は勝利を謳う曲の一つなんだ。もし打ち倒されたら、再び立ち上がる、そうして人はさらに強くなっていく」。
「Breathe」
同アルバムのタイトルソングとなる2ndシングル曲「Breathe」では、広大なスケール感とメロディアスな響きの中、救いを求める魂の叫びが綴られる楽曲に。薬物中毒に苦しむ親友を救うことのできない痛みの中制作された同曲についてジャスティンは「この曲は助けを求める叫びの歌であると同時に、いつでも助けを求めることができるという前向きなメッセージが込められているんだ」と語ります。
「助けを必要としている人、やり直すチャンスを必要としている人、人生の苦難に直面している人、そして何よりも大切なのは敬意を払われるべき人、Breatheはそうした人のストーリーを語るものだ」と話す「Breathe」のミュージック・ビデオでは、国のために命をかけて闘い、ホームレスとなっていく退役軍人の姿が描かれます。「俺たちは皆同じ人間、俺たちは皆困難に直面する。非難するのでなく、救いの手を差し伸べるとき、より良い世の中になっていくんだ」。
クリスティーナ・ペリー「Jar of Hearts」
ディスターブド(Disturbed)、ファイヴ・フィンガー・デス・パンチ(Five Finger Death Punch)、シャインダウン(Shinedown)を想起させる重厚なサウンドのヘヴィメタル/ハードロックで魅了する楽曲の数々が収録されるデビュー・アルバム。英エリー・ゴールディング(Ellie Goulding)のヒット曲「Lights」のカバー曲には「最後までエリー・ゴールディングの曲とはわからなかった…」との声も寄せられる中、そのデラックス盤では「Stronger」、「Breathe」のアコースティック・バージョンに加え、クリスティーナ・ペリー(Christina Perri)をそのスターダムへと導いたデビュー・シングル曲「Jar of Hearts」のカバー曲も収録。
精神的に崩壊していく交際関係の心痛と固い決別を謳う繊細な美しいピアノバラード「Jar of Hearts」(クリスティーナ・ペリー、デビュー・アルバム『Lovestrong』収録)は、異なるベクトルの音楽性を超えて、スルー・ファイアの炎の中で新たなハードロック・ソングとなりその命を宿します。
「人間関係であっても、薬物依存症であっても、人生で直面するどんなことも乗り越えることができる」、ステージを震わせるそのエネルギッシュな重厚サウンドには、逆境に生きる人々の心に透過する力強い不屈のメッセージが込められます。
(記事)“Singled Out: Through Fire’s Breathe” on anti music
(記事)“Through Fire’s Justin McCain on ‘Breathe'” on Audio Ink Radio