ハリー・スタイルズ待望ソロ・デビュー曲「Sign of the Times」、時代を築く英国ロック史の息吹


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デヴィッド・ボウイ息づく70年代グラムロック、One DirectionはOwn Directionへ

世界各国で社会現象を巻き起こし、洋楽史にその歴史的記録を刻む中、現在その活動を休止している英ボーイズ・バンド、ワン・ダイレクション(One Direction、以下「1D」)

2015年3月バンドを脱退したゼイン・マリク(Zayn Malik)をはじめ、メンバーのナイル・ホーラン(Niall Horan)ルイ・トムリンソン(Louis Tomlinson)らが次々に楽曲をリリースする中、1Dのフロントマン、ハリー・スタイルズ(Harry Styles)が今週4月7日、満を持してそのソロ・デビュー・シングル曲「Sign of the Times」をリリースしました(※追記、同曲をリード・シングル曲とするデビュー・アルバム『Harry Styles』が5月12日にリリース)。

「この曲はあたかも母親が我が子を出産しているような視点から描かれたもので、複雑なものなんだ。その母親はこう告げられる、”赤ちゃんは大丈夫だよ、でもお母さんは駄目かもしれない”と。母親に残された5分間、彼女は我が子にこう伝えるんだ、”頑張って生きていくんだよ”」。Rolling Stone誌での独占インタビューより。なお5月8日「Sign of the Times」ミュージック・ビデオが公開(追記)。

これまでの1Dのポップ音楽とは一線を画し、コールドプレイ(Coldplay)の「The Scientist」、ザ・ビートルズ(Beatles)の「Hey Jude」を彷彿とさせる静寂なバラード・ピアノから幕を開けると、「さあもう泣かないで、その時が来たんだ/ようこそファイナル・ショーへ」。その約6分に及ぶ異例のデビュー曲では、ギターから70年代グラムロックを想起させるサウンドでデヴィッド・ボウイ(David Bowie)『Hunky Dory』(1971年)やモット・ザ・フープル(Mott the Hoople)『All the Young Dudes』(1972年)ヴァイブが流れる中、その繊細な歌声からファルセットの感傷的歌声へ。

マーク・ロンソン(Mark Ronson)とブルーノ・マーズ(Bruno Mars)の「Uptown Funk」やFunの「We Are Young」のヒットメーカー/米音楽プロデューサー、ジェフ・バスカー(Jeff Bhasker)と共に、ハリー・スタイルズ自身が制作に携わった同曲の多義的な詩的リリックは、次第にその幻想的な浮遊感漂うドラマチックな黙示録的世界へとリスナーを惹き込んでいきます。

私たちは何も学んでいない、前にもここに来たよ/どうしていつも同じように行き詰まり、その銃弾から逃げているのだろう?」「さあもう泣かないで、その時が来たんだ/ここから逃げなくてはならない/ここから逃げなくてはならない/さあもう泣かないで、大丈夫/彼らは私に言ったんだ、その終わりは近いと/私たちはここから逃げなくてはならない

海外のファンらからは”Apocalypse Song”(黙示録の歌)として捉えられ、「何かの…終わりの曲だ」とBBCが語る同曲のリリックでは、「私たちはまたどこかで会うことができるだろう/ここから遠く離れたどこかで」とリリックにその刹那的世界の希望を込めます。

故デヴィッド・ボウイ

故プリンス(Prince)の同名のマスターピース『Sign o’ the Times』(1987年)リリース30周年を迎えた先月31日に、時を同じくして発表された同曲では、70年代のデヴィッド・ボウイ、ジョン・レノン(John Lennon)からエルトン・ジョン(Elton John)の面影を残す中、ピンク・フロイド(Pink Floyd)『The Wall』時代のダークなリリックとロビー・ウィリアムズ(Robbie Williams)の「Angels」の世界観が有機的に絡み合う楽曲に。

グラムロック・アンセム」と評する米タイムズ誌は「デヴィッド・ボウイ、クイーンの歌劇的ピアノ・ポップへの回帰」、NME誌が「デヴィッド・ボウイ meets クイーン」よりも「むしろロビー・ウィリアムズ meets ロッド・スチュワート(Rod Stewart)」とレビューする中、ビルボード誌は(後期の)ビートルズ、デヴィッド・ボウイ「Life on Mars」、『Listen Without Prejudice』時代のジョージ・マイケル(George Michael)、ロビー・ウィリアムズ、スウェード(Suede)、(初期の)コールドプレイという「英国ロック史の記憶」であり、「英国ロック50年の歴史が一曲に詰まった楽曲」としてレビュー、海外音楽各誌から高い評価が次々に寄せられます。

追記、5月12日リリースのデビュー・アルバム『Harry Styles』より2ndシングル曲となる「Sweet Creature」が5月2日にリリースされた。

ゼイン・マリクのR&Bスタイルの「Pillowtalk」、ナイル・ホーランのフォーク・バラード曲「This Town」、スティーヴ・アオキ(Steve Aoki)とによるルイ・トムリンソンのEDMソング「Just Hold On」と、それぞれが皆個性的な音楽性のDirectionに向かう中、デヴィッド・ボウイを彷彿とさせるが如くハリー・スタイルズは今年7月一般劇場公開される映画『Dunkirk』にも出演。

先月22日、恋人シェリル・コール(Cheryl Cole)との間で長男を授かったリアム・ペイン(Liam Payne)もまもなくソロ・デビュー・シングル曲リリースの予定であることが報じられます。

いよいよソロ活動としての大きな一歩を踏み出した1Dの”the one”的存在、ハリー・スタイルズ。その撮影シーンからスペクタクルなものになると予想されているミュージック・ビデオは、まもなくリリース予定。現在エド・シーラン(Ed Sheeran)「Shape of You」が通算10週で米ビルボード総合ソングチャート「Hot 100」首位を独占するなか、「Billboard + Twitter Trending 140」部門で首位を記録(※4月7日)したソロ・デビュー・シングル曲「Sign of the Times」。その「Hot 100」チャート、そして同曲をリード・シングル曲とするソロ・デビュー・アルバムにもその注目が集まります。

(記事)“Harry Styles Finally Debuts His First Solo Single, ‘Sign of the Times'” on TIMES
(記事)“Harry Styles’ Sign Of The Times: Everything you need to know about Harry’s solo debut” on BBC
(記事)“Harry Styles’ ‘Sign Of The Times’ is more Robbie than Bowie, but the boy done good” on NME
(記事)“Harry Styles goes ’70s glam: Hear his new solo single ‘Sign of the Times'” on LA Times
(記事)“Sign of All Times: Harry Styles’ New Single Is 50 Years of British Rock History In One Song (Critic’s Take)” on Billboard
(記事)“Harry Styles’ Biggest ‘Sign of the Times’ Influences: From Bowie to Pink Floyd & Coldplay” on Billboard
(記事)“Harry Styles’ “Sign of the Times” Is Pompous, Overblown, and Too Long, and His Fans Are Gonna Love It “ on SPIN

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