ルーシー・トーマス、珠玉のバラードで彩る新作アルバム『Beyond』発表


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天からの贈り物─── そう世界の人々を深い感動に包む透明感溢れる美しく豊かな歌声でカバーしたレナード・コーエン(Leonard Cohen)の「Hallelujah」はYouTubeで動画再生数3900万回超を記録、公式チャンネル総再生数は1億7000万回を超え、急成長を続ける英国の若き歌姫ルーシー・トーマス(Lucy Thomas)。その新作アルバム『Beyond』〈ビヨンド〉が発表された。現在19歳、前作『Destiny』から1年ぶりで通算5枚目となるスタジオ・アルバム『Beyond』(Apple Music / Spotify / Amazon.co.jp)は、2023年12月8日(金)にCavendish Recordsよりリリースされる。またこの発表に合わせて、収録曲「明日に架ける橋」のミュージック・ビデオが公開された(日本時間2023年11月14日アルバム発表/MV公開)。

至極の映画音楽を含む全12曲のバラード曲集となる『Beyond』には、「この素晴らしき世界」、「青い影」、「ピエ・イエズ 」、「スマイル」など時代を超えて歌い継がれる多様なジャンルの名曲カバー9曲に加え、来年秋に初演が予定されているルーシー・トーマス主演のミュージカル『Rosie』(ロージー)の新曲を含む3曲のオリジナル曲を収録する。

ウクライナでの戦争に加え、新たに始まったイスラエル・ガザ戦争で国際情勢が混迷化を深めた2023年。ルーシー・トーマスがこの冬、その時代の人々に響いた珠玉の名曲に新たな命を吹き込みながら、愛と希望に満ちた美しい新曲を紡ぎ合い、優しく穏やかな歌声で力強いメッセージと癒やしのひと時を贈る。

〈越えて、超えて/遥か彼方に〉を意味する”Beyond”を冠する本作のオープニング・トラックには、1976年公開映画『スター誕生』(原題:A Star Is Born)より主演バーブラ・ストライサンド(Barbra Streisand)作曲・歌唱による主題歌「Evergreen」(Love Theme from A Star Is Born / 邦題:スター誕生の愛のテーマ)

「愛は、心地よい椅子のように柔らかく/愛は、朝風のように爽やかな」の詞から始まり不朽の愛を描くこのバラードは、第49回アカデミー賞歌曲賞(1976年)、1976年ゴールデングローブ賞主題歌賞、第20回グラミー賞最優秀楽曲賞(1978年)を受賞した。今年7月公開のミュージック・ビデオで星と月の首飾りに優雅な黒のドレスのルーシーは、幻想的な美しい響きに情感豊かなシルキー・スムース・ヴォイスで色褪せぬ愛の輝きを歌い上げる。

本作にはバーブラ・ストライサンドの代表曲がもう一曲収録され、ロバート・レッドフォードとバーブラ・ストライサンド主演による1973年公開映画『追憶』(原題:The Way We Were)より、バーブラ・ストライサンド歌唱による主題歌「The Way We Were」(邦題:追憶)が収録。この曲は第46回アカデミー主題歌賞(1974年)、1973年ゴールデングローブ賞主題歌賞、第17回グラミー賞最優秀楽曲賞(1975年)を受賞した。

『追憶』は第二次世界大戦直前の1937年の大学キャンパス、政治活動に熱心で反戦主義のロシア系ユダヤ人大学生ケイティー(ストライサンド)と、政治に興味がなく価値観も信念も異なるハンサムなハベル(レッドフォード)の出会いから、激動の時代を生きた20年間に及ぶ男女の愛の軌跡を描く名作ロマンス映画。互いに生き方を変えられない男女の過ぎ去りし愛の記憶を、ルーシーが哀愁漂うテンダーな歌声で蘇らせる。

ルーシーが音楽的影響を強く受けるホイットニー・ヒューストン(Whitney Houston)の曲が本作でも収録され、「素晴らしいホイットニー・ヒューストンさんへのトリビュートです。このクラシカルな”The Greatest Love of All”のカバーを皆さんが楽しんでいただけたらと願っています」とルーシー。

オリジナルはボクサー、モハメド・アリの生涯を描いた1977年伝記映画『アリ/ザ・グレーテスト』(原題:The Greatest)のジャズ/ソウル・ミュージシャン、ジョージ・ベンソン(George Benson)歌唱による主題歌「The Greatest Love of All」で、1985年にホイットニー・ヒューストンがセルフタイトルのデビューアルバムでカバーし全米ビルボード「Hot 100」で首位となった他、世界的ヒット曲となった。

〈この世で最も素晴らしい愛〉とは何か。時を超えて歌い継がなければならない名曲に刻まれた至上の愛を魂に沁みる歌声で届ける。今年2月に公開されたその映像では、ネックレスの文字が歌声に添える然りげ無い演出がなされている。

「The Greatest Love of All」はマイケル・マッサー(Michael Masser)作曲、リンダ・クリード(Linda Creed)作詞。リンダ・クリードは1974年、当時26歳の時に乳がんの診断を受け、闘病中の葛藤のなかでこの歌詞を書き綴った。ホイットニー・ヒューストンのこのカバーが収録されたデビュー・アルバムがリリースされた翌年、二人の娘の母親であったリンダ・クリードは37歳で乳がんによりこの世を去った。ホイットニー・ヒューストンの「The Greatest Love of All」が全米ビルボード「Hot 100」で首位に届く数週間前のことだった。その歌は時代を超えて全ての人へ送る歌であると共に、いつの日かの我が子へそのメッセージを託した歌のようにも見える。

The Greatest Love of All

(バース1)
I believe the children are our future
子どもたちが私たちの未来だと信じている
Teach them well and let them lead the way
しっかりと教え導き、その道を歩ませてあげましょう
Show them all the beauty they possess inside
内に秘めた彼らの全ての美しさを見せてあげましょう
Give them a sense of pride to make it easier
誇らしく生きていける力になってあげましょう
Let the children’s laughter remind us how we used to be
子どもたちの笑い声で思い出しましょう、あの頃の私たちを

Everybody’s searching for a hero
誰もがヒーローを探している
People need someone to look up to
人には尊敬できる誰かが必要だわ
I never found anyone who fulfilled my needs
私には求めるものを満たしてくれる人はいなかった
A lonely place to be
孤独な場所だった
And so I learned to depend on me
それで私は自分に頼るようになった

(プリ・コーラス)
I decided long ago
ずっと昔から決めていた
Never to walk in anyone’s shadows
決して誰かの影を歩むことはしないと
If I fail, if I succeed
失敗しようが、成功しようが
At least I’ll live as I believe
少なくとも私は、自分が信じる道を生き抜く
No matter what they take from me
私から何を奪おうと
They can’t take away my dignity
誰にも奪うことはできない、この尊厳だけは

(コーラス)
Because the greatest love of all
なぜなら、最も素晴らしい愛が
Is happening to me
私の中で芽生えているのだから
I found the greatest love of all
最も素晴らしい愛を見つけました
Inside of me
自分自身の中に

The greatest love of all
最高の愛は
Is easy to achieve
成し難いものじゃない
Learning to love yourself
自分自身を愛せるようになる
It is the greatest love of all
それこそが、人生で最高の愛

(アウトロ)
And if, by chance, that special place
そして万が一、
That you’ve been dreaming of
あなたが夢見続けてきた特別な場所が
Leads you to a lonely place
孤独な場所になってしまったら
Find your strength in love
愛の中にあるあなたの強さを見つけてあげて

〈オリジナル〉
Produced By Michael Masser
Written By Michael Masser & Linda Creed
〈カバー〉
Recording and Mixing Engineer – Jamie Alsop
Mastering Engineer – Stefano Galante
Producer – Chris Broom
Videographer – Chris Forshaw

またファンらから特に愛され続ける妹マーサ(Martha)とのデュエットを本作でも収録し、1967年リリースのルイ・アームストロング(Louis Armstrong)の「What a Wonderful World」(邦題:この素晴らしき世界)をカバー。ボブ・シール(Bob Thiele / ペンネーム”George Douglas”)とジョージ・デヴィッド・ワイス(George David Weiss)作詞作曲による晴れやかに澄んだ同曲は、60年代後半の激動の時代のアメリカ、人種間の衝突、人種差別撤廃を求める公民権運動、泥沼化するベトナム戦争のさなかに生まれた。

多様な色が溢れる美しき地球と人々の何気ない優しさを描く同曲には、肌の色、民族、信条の違いを超えた自由と平等、人権と博愛、そして平和への願いと未来への希望のメッセージが込められている。今年9月公開のミュージック・ビデオにはトーマス家の愛犬Phoebeとマーサの愛馬Cloudが友情出演。長閑な自然のなか美しく響き合う二人の心地よく穏やかなハーモニーが、極上の安らぎと癒やしの世界へと誘う。

さらにレクイエム「Pie Jesu」(ピエ・イエズ / ピエ・イエス、ピエ・イェズとも)/ “慈悲深いイエス”の意)をルーシーとマーサが天上の歌声で神秘的に歌い上げる。「Pie Jesu」はフランスの作曲家ガブリエル・フォーレ(Gabriel Fauré)の『レクイエム』(1887 – 1890)の中の一曲(第4曲 ピエ・イェズ)のバージョンが最も有名であるが、本作に収録の「Pie Jesu」は現在広く知られているミュージカルの巨匠アンドルー・ロイド・ウェバー(Andrew Lloyd Webber)版のカバー。

アンドルー・ロイド・ウェバーが亡き父を想い書き上げ第28回グラミー賞最優秀クラシック現代作品部門賞(1986年)を受賞したレクイエム・アルバム『Requiem』(1985年)に収録の「Pie Jesu」は、「Pie Jesu」の伝統的な歌詞に、ミサよりアニュス・デイを追加し作詞作曲、当時ウェバーの妻でソプラノ歌手のサラ・ブライトマン(Sarah Brightman)が歌唱。

その後シャルロット・チャーチ(Charlotte Church)、ジャッキー・エヴァンコ(Jackie Evancho)、ヘイリー・ウェステンラ(Hayley Westenra)、ケルティック・ウーマン(Celtic Woman)らクラシカル・クロスオーバーのアーティスト/グループらによって愛され歌い継がれてきた。

またルーシーとマーサに加えて、今回初めて母親ルイーズ・トーマス(Louise Thomas)がヴォーカルに参加しカバーしたチャールズ・チャップリン(Charlie Chaplin)のスタンダード曲「Smile」(邦題:スマイル)を収録。このオリジナルは、スペイン内戦も始まり世界的に先の見えない社会不安が渦巻く1936年に公開されたチャールズ・チャップリン監督・製作・脚本・作曲の映画『モダン・タイムス』(原題:The Way We Were)のテーマ曲。

世界恐慌から着想を得て製作された『モダン・タイムス』は、人間性が奪われ機械化される文明と格差を生んだ資本主義社会を辛辣に風刺した名作喜劇で、「Smile」はヒロイン、パン泥棒の孤児の少女の重要シーンで何度か流れる。少女は苦悩しながらも懸命に生き、やがてカフェのダンサーとなるが、過去の罪で警察から追われ、再び逃亡生活を強いられ絶望するラストシーン。ほら、微笑んで、と元気づけるチャップリンがこの旋律が響くなか、彼女と手を取り合い旅立っていく。

このラストシーンに基づいて1954年にタイトルと歌詞がジョン・ターナー(John Turner)とジェフリー・パーソンズ(Geoffrey Parsons)によってつけられ、同年ナット・キング・コール(Nat King Cole)が初めてこれを歌った。その後トニー・ベネット(Tony Bennett)、ジュディ・ガーランド(Judy Garland)、バーブラ・ストライサンド(Barbra Streisand)ら名だたるスターに歌い継がれてきた音楽史に残る名曲である。

どんな困難・苦境の中も、笑顔で前に進んでいこう、そう励ます愛と希望の歌をルーシーは妹、母の3人で歌い、母の日の祝福として今年の母の日に合わせてミュージック・ビデオが公開された。切なく温かいメロディーに響き合う甘美な歌声の共演が、困難と苦境を超えて柔らかな光を射し込む一曲。この曲は2018年に放送されたイギリス版『The Voice Kids』でルーシーがバトル・ラウンドで歌った思い出の曲でもある。

今回で3作連続での収録となる妹とのデュエットについてルーシーはMusical Theatre Reviewでのインタビューで「マーサとのデュエットは本当に偶然から生まれました」とそのきっかけについて明かす。「私たちは家で”Say Something”という曲を歌っていて、母がそれを携帯で撮影していました。すべてはそこから始まりました! マーサは歌うことをすごく楽しんでいますが、彼女の主な情熱は馬術で、特に愛馬クラウドであると言っても過言ではありません。今でも時間を見つけては一緒にレコーディングをしています。私たちのデュエットが私のYouTubeチャンネルでとても人気の動画になっていることを嬉しく思っています」とその喜びを語る。

そして多忙な学校生活と両立しながら10代で4作のアルバムをレコーディングしてきた彼女はこれまでの音楽活動を振り返り、次のように語る。「7歳のときに定期的に歌のレッスンを受け始め、在学中に4枚のスタジオ・アルバムをレコーディングする機会に恵まれたことにとても感謝しています。YouTubeやSNSで応援してくださる素晴らしいフォロワーの方々がたくさんいることに本当に胸がいっぱいです。家族はとても協力的で、プレッシャーをかけずに歌を追い求めるよういつも励ましてくれました。家族の支えなしになし得なかったことです!」

『Beyond』に収録されるオリジナル曲には、今年6月にシングル・リリースしたバラード「Brand New Day」記事)。アカペラから静謐な祈りで始まる同曲は、心を引き裂く痛みと悲しみに満ちた苦難のさなか、孤独に闘い続けている人のために祈りを捧ぐ希望の歌。

漆黒の雲の向こう側には必ず光がある、次第に視界が開けていくオーケストラ・サウンドと合唱団によるコーラスのレイヤーが加わりその奥行きと深みを増しながら、美しく魂に響く歌声で”明日”を歌う。

そしてミュージカル『Rosie』より、息を呑むほど美しいラブ・バラード「Above The Clouds」、心揺さぶるバラード「Hold On」の2曲を収録。いずれもミュージカル『レ・ミゼラブル』のマリウス役で今秋ウエスト・エンドでデビューしたウィル・カラン(Will Callan)とのデュエット曲で、ウィル・カランとルーシーとのデュエットはデビュー・アルバム『Premiere』以来となる。

ミュージカル『Rosie』は、7歳のときに父親を亡くした貧しいイギリス人の女の子、ロージー・ブート(Rosie Boote)の感動的な実話に基づいた作品。 遠く離れたアイルランドの修道院で育てられた彼女の夢は、女優や歌手になり、エドワード朝時代のロンドンのウエストエンドで刺激的で冒険的な人生を送ることだったのだが───。

その詳細は現在公式に発表されていないが、史実によるとロージー・ブートは、やがてウエストエンドのゲイエティ劇場の花形「Gaiety Girls」となりスターダムに駆け上がり、アイルランドの若き貴族ジェフェリー・テイラー(Geoffrey Taylour / 第4代ヘッドフォート侯爵)と運命的な恋に落ちる。宗派・身分違いの恋は、上流階級社会、家族から強い反対を受け、イギリス国王エドワード7世から強く反対されるほど許されぬものだった。結婚するためにロージーは劇場を辞め、一方ジェフェリーは軍事任務を辞任、プロテスタントからロージーが信仰するカトリック教に改宗し物議を醸した。しかし二人が貫く真実の愛は破れぬしきたりを乗り越え、やがて社会に受け入れられていく。

「Above The Clouds」は、ロージーとジェフリーが嵐から避難している庭のシーンで歌われる曲だという。逆境に抗い、全てを捨ててでも惹かれ合っていく若き男女のラブバラード。その感傷的なほど夢のように甘美な響き合いがオーディエンスの心を掴んで離さない珠玉のミュージカル・ナンバーに仕上がっている。

Above The Clouds

(バース1)ルーシー・トーマス / ロージー
I used to feel so sad on days filled with rain,
雨が降りしきる日はとても悲しかった、
And long for the sunshine to come back again,
再び太陽の光が戻ってくるのを待ち望みながら、
But now with a thought of you my spirits soar,
でも今、あなたのことを想うと胸が高鳴る
If I’m feeling low, you are my cure.
もし落ち込むときは、あなたは私の癒やし。

And all that I need is your tender embrace,
私に必要なのは、あなたの優しい抱擁だけ
To brighten my day, put a smile on my face.
私の一日を明るくし、笑顔にしてくれる
Then suddenly all of my cares disappear,
そして突然、私の心配事は全て消えていく
I’m floating on air whenever you’re near.
あなたがそばにいる時はいつも、天にも昇る気持ち

(コーラス)ルーシー・トーマス / ロージー
And so if it’s raining, I won’t be complaining.
だから雨が降っていても不満は言いません。
My heart’s full of sunshine, I’m happy and proud because
私の心は太陽の光で溢れ、幸せで嬉しい、だって
When I’m with you, grey skies seem so blue,
あなたと一緒にいると、灰色の空はどこまでも青く見える、
You lift me above the clouds.
あなたは私を雲の上へ舞い上がらせる。

(バース2)ウィル・カラン / ジェフリー
And there may be troubles, they visit us all,
困難が待ち受けてるかもしれない、それは誰にだって訪れる、
For into each lifetime some rain has to fall.
それぞれの人生に雨は避けられないもの
We’ll weather the storms and we’ll find our way through,
この嵐を乗り越えて、僕たちの道を見つけよう。
There’s nothing to fear, now I have you.
何も恐れることはないよ、こうして僕には君がいる。

(コーラス)ウィル・カラン / ジェフリー
And so if it’s raining, I won’t be complaining.
だから雨が降っても文句は言わない。
My heart’s full of sunshine, I’m happy and proud because
僕の心は太陽の光で溢れ、幸せで嬉しい、だって
When you’re with me, blue sky’s all I see,
君といると青空しか見えない、
You lift me above the clouds.
君は僕を雲の上へ舞い上がらせる。

(コーラス)ルーシー&ウィル
And so if it’s raining, I won’t be complaining.
だから雨が降っていても不満は言いません。
My heart’s full of sunshine, I’m happy and proud because
私の心は太陽の光で溢れ、幸せで嬉しい、だって
When I’m with you, grey skies seem so blue,
あなたといると、灰色の空はどこまでも青く見える、
You lift me above the clouds.
あなたは私を雲の上へ舞い上がらせる。

When I’m with you, grey skies seem so blue,
あなたといると、灰色の空はどこまでも青く見える、
You lift me above the clouds.
あなたは私を雲の上へ舞い上がらせる。

Word and Music by Chris Broom
Arrangement – Clarissa Farran
Conductor – James Shearman
Piano – Anna Tillbrook
Recording Engineer – Jamie Alsop
Mixing & Mastering Engineer – Nick Taylor
Producer – Chris Broom
Videographer – Chris Forshaw
Rosie – The Musical
Music & Lyrics by Chris Broom
Book by Sam Babenia

「Hold On」は本作で現在未リリースの4曲の一つ。名だたるスターがレコーディングしてきたロンドンにあるマーク・ノップラー(Mark Knopfler)のレコーディング・スタジオ、ブリティッシュ・グローヴ・スタジオで撮影された映像の一部が公開された(facebook)。

その映像のコメントで、ルーシーは(ロシアによるウクライナ侵攻からおよそ1年となった)2022年3月に「今週、ロンドンにあるマーク・ノップラーの壮大なブリティッシュ・グローヴ・スタジオでレコーディングしたミュージカル『Rosie』の素晴らしいオリジナル新曲の一つ”Hold On”の舞台裏をシェアできることをとても嬉しく思います」。「私にとってとても特別な日にしてくださった素晴らしいミュージカル監督ジェームス・シャーマン(James Shearman)、素晴らしいピアニストのトム・ポスター(Tom Poster)、そして素晴らしいミュージシャンと技術者の皆さんに本当に感謝しています🥰完成した曲をまもなく皆さんと共有できることを楽しみにしています…ルーシー 💙💛 xxx」

また『Beyond』の未リリース曲に、英ロック・バンド、プロコル・ハルム(Procol Harum)が1967年にリリースしたデビュー曲「A Whiter Shade of Pale」(邦題:青い影)のカバーを収録。バッハの『管弦楽組曲第3番 ニ長調 BWV 1068「G線上のアリア」』 を彷彿とさせるハモンドオルガンのイントロとメランコリックな色調の旋律で描く同曲は、6週連続の全英首位の他、11か国で首位となり世界的ヒットを記録。

イギリスのグラミー賞にあたる1977年の第1回ブリット・アワードで「A Whiter Shade of Pale」は、クイーン(Queen)の「Bohemian Rhapsody」(邦題:ボヘミアン・ラプソディ)と共に最優秀楽曲賞を同時受賞した。

本作リリースの発表に合わせて公開されたのは、フォーク・デュオ、サイモン&ガーファンクル(Simon & Garfunkel)が1970年に発表した永遠の名曲「Bridge over Troubled Water」(邦題:明日に架ける橋)のカバー。温もりのある至純の歌声で19歳がノスタルジアと思いやりに満ちた名曲を半世紀以上を経てこの時代に響かせる。

ポール・サイモン(Paul Simon)がゴスペルから影響を受け1969年に書いた同曲は、第13回グラミー賞で最優秀レコード賞及び最優秀楽曲賞含む5部門で受賞(1971年)、全米ビルボード「Hot 100」で(この年のシングル最多)6週の首位となり、1970年年間「Hot 100」で首位を記録、イギリス、カナダ、フランスなどの週間チャートで首位となり世界的ヒットとなった。ゴスペル調の旋律にのせ、困難に直面し苦境にいる人へ、自分がそばにいて荒波を乗り越える力になると力強く励まし、希望の光を注ぐ曲になっている。

本作のクロージング・トラックには、クリスティーナ・ペリー(Christina Perri)による愛のバラード「A Thousand Years」。同曲はヴァンパイアと人間の禁断の恋を描いた映画『トワイライト』シリーズの4作目で2011年に公開された映画『トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part1』(原題:The Twilight Saga: Breaking Dawn – Part 1)のサントラ曲。静寂なピアノの美しい旋律からスペクタクルなオーケストラへ広がるメロディーにのせ、時を超えた永遠の愛を誓う壮大でロマンチックなラブソングで、『Beyond』を締めくくる。

『Beyond』の音楽プロデューサーには、ルーシーのデビュー・アルバムから全てのアルバムを手がけ、『Rosie』の曲を作詞作曲してきたアワード受賞の英作曲家/音楽プロデューサー、クリス・ブルーム(Chris Broom)、英インディペンデント・レコード会社Cavendish Recordsの設立者でCEOである。ルーシー・トーマスが2018年に当時13歳の頃出場したイギリス版『The Voice Kids』で有名になる以前、2017年の終わり頃にクリス・ブルームとルーシーは共通の知人を通じて知り合い、彼はその歌声に衝撃を受けたことをルーシーの友人としても知られるファン(Holger Wemmer)とのインタビューで明かしている。

そして書き始めたばかりだったという『Rosie』のオープニング・ソング「One Day」をルーシーがレコーディング、それがルーシー・トーマスの音楽キャリアの原点だった。その歌声に「当初から史上最も偉大なヴォーカリストの一人になる素質」を感じたというクリス・ブルーム、「ルーシーのピュアな音色、ナチュラルな音楽性は圧倒的なものがあり、同時に彼女はパフォーマンスの中で物語を伝える唯一無二の素晴らしい力がある。ルーシーはオーディエンスと歌を完全に繋ぐ非常に稀な能力を持っている」と語る。

本作に2曲のキー・ソングが収録され6年以上の時を経て完成を迎えるミュージカル『Rosie』、そのオリジナル・キャストによるスタジオ・アルバムは、2024年3月にリリースを予定していることが発表されている。A-Levelsを取得し高校を卒業したルーシーは現在、ミュージカル『Rosie』の主演を控え、舞台女優として新たに大きな一歩を踏み出す。「学校で『オズの魔法使い』と『アニー』の主役を演じた以外には、演技の経験はありませんでした」とルーシー、「演技コーチと全面的に協力して、演技面を発展させていきます。 『ロージー』の主演を演じることは私にとって大きな挑戦で、今後数か月間、私にとって主な焦点の一つになります」とその挑戦への意欲を語っている。

音楽史に残るクラシカルな名曲から、ミュージカル『Rosie』より詩情豊かなオリジナルの最新曲まで。年代の異なる多様なジャンルの音楽を通して、儚さに永遠、苦難に愛と希望を見出し、どんな困難も乗り越えていける笑顔と感動を届けるニューアルバム『Beyond』は、Apple Music、Amazon Music、Spotifyなど主要な音楽プラットフォームで2023年12月8日より配信されるほか、公式サイトのオンラインストア(https://shop.lucythomasmusic.com/products/beyond)ではサイン付きCDが発売される。またこれまでにリリースされているデビュー・アルバム『Premiere』(2019年2月)、2ndアルバム『Encore』(2020年4月)、3rdアルバム『Timeless』(2021年9月)、4thアルバム『Destiny』(2022年12月)のサイン付きCDも現在公式サイトのオンラインストア(https://shop.lucythomasmusic.com/shop)でそれぞれ購入可能となっている。

本作の発表に際してルーシーは自身のSNSで次のようにコメントしている。「こんにちは! 私の5枚目のアルバム『Beyond』がAmazon、Spotify、Apple Music、そして私のウェブサイトlucythomasmusic.comで予約注文できるようになったことを発表できて本当にうれしく思います…🥰サイン入りCDへのリンクは私のプロフィールにあります❤️応援していただき本当にありがとうございます…『Beyond』を楽しんで聴いていただけたらうれしいです! ルーシー❤××」

Beyond トラックリスト

#タイトル備考
1Evergreen
スター誕生の愛のテーマ
映画『スター誕生』(1976)
バーブラ・ストライサンド
2A Whiter Shade Of Pale
青い影
プロコル・ハルム(1967)
3The Greatest Love Of All映画『アリ/ザ・グレーテスト』(1977)
〈オリジナル〉ジョージ・ベンソン(1977)
〈カバー〉ホイットニー・ヒューストン(1985)
4What A Wonderful World
(feat. Martha Thomas)
この素晴らしき世界
ルイ・アームストロング(1967)
5Hold On
(feat. Will Callan)
ミュージカル『Rosie』(2024)
6Brand New Day
7Pie Jesu
(feat. Martha Thomas)
ピエ・イエズ
アンドルー・ロイド・ウェバー
& サラ・ブライトマン(1985)
8Bridge Over Troubled Water
明日に架ける橋
サイモン&ガーファンクル(1970)
9Above The Clouds
(feat. Will Callan)
ミュージカル『Rosie』(2024)
10Smile
(feat. Louise & Martha Thomas)
スマイル
映画『モダン・タイムス』(1936)
ナット・キング・コール(1954)
11The Way We Were
追憶
映画『追憶』(1973)
バーブラ・ストライサンド
12A Thousand Years映画『トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part1』(2011)
クリスティーナ・ペリー

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