世界を癒やす甘美なハーモニー 父娘エイドリアン&エマ=ジーン、デビューアルバム『Just Duet』リリース


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アフリカ大陸の最南端、雄大な自然と文化遺産が息づき、色彩豊かな文化で魅了する南アフリカ共和国。苦難の歴史を経て、多様な民族や人種が互いの文化・伝統を尊重し合い共存することから「レインボーネーション──虹の国──」と称される国で、美しいデュエットを響かせ感動に包んでいる父娘がいる。

© Adrian & Emma-Jean Music

2020年4月、新型コロナウイルス感染症の世界的流行が始まり世界はロックダウンのさなか。ヨハネスブルグに住む当時11歳の少女エマ=ジーン・ガリアード(Emma-Jean Galliard)とその父親エイドリアン(当時46歳、Adrian Galliard)が、アンドレア・ボチェッリ(Andrea Bocelli)とセリーヌ・ディオン(Céline Dion)の「The Prayer」(’99)をデュエットで歌い、その動画がfacebookに投稿されると瞬く間にバイラルとなった。

優しく包み込む純真な天使の歌声と、情熱を秘めた温かくテンダーなテノールが響き合う穏やかなハーモニーに、世界中から感動の声が寄せられ、その祈りの歌はこれまでにfacebookだけでも動画総再生回数1,500万回以上を再生(※2021年10月8日時点)。こうして世代も背丈も声種も全く違う父娘のデュオ、エイドリアン&エマ=ジーン・ミュージック(Adrian & Emma-Jean Music)が誕生した。

その後もアンドレア・ボチェッリとサラ・ブライトマン(Sarah Brightman)のデュエット版(’96)で知られる「Time to Say Goodbye」(邦題:タイム・トゥ・セイ・グッバイ、原曲:Con te partirò)のカバーが再びバイラルになるなど、父娘の心温まる姿と珠玉のハーモニーで人々を癒やし魅了してきたエイドリアン&エマ=ジーン。初カバーから1年半を経て2021年10月8日、エイドリアン&エマ=ジーンはデビュー・アルバム『Just Duet』Amazon)をリリースした。

【1】「Di Padre in Figlia (Father to Daughter)」レコーディング風景&インタビュー、【2】「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」レコーディング風景&インタビュー、【3】「サウンド・オブ・サイレンス」レコーディング風景&インタビュー

全10曲収録の『Just Duet』には、美しくアレンジされたクラシカル・クロスオーバー・スタイルのオリジナル曲5曲とカバー曲5曲を収録。オリジナル曲の中でも「Di Padre in Figlia (Father to Daughter)」は、彼らにとって特別な曲で深く思いを寄せているという。そのタイトルはイタリア語で”父から娘へ”。アンドレア・ボチェッリの息子&孫娘に間違われ続けた流暢なイタリア語と英語で、父娘の無償の愛と深い絆を歌う。

美しい旋律に幻想的なハーモニーが溶け合い、優しく甘美な時間が流れる「Di Padre in Figlia」。エイドリアンはこのバラードについて、「この歌は父親と娘の関係を歌った美しい歌です。意味深い詞、心を離さないメロディ、とても力強く壮大な曲になっています」と語る。

アルバムのリリースに際して、ホームビデオを交えながら二人の軌跡を辿る「Di Padre in Figlia (Father to Daughter)」のミュージック・ビデオも併せて公開された。

甘いマスクに豊潤な歌声を響かせるエイドリアンは、クラシカル音楽の教育を受けたシンガーソングライター。教会の聖歌隊として歌っていた彼は、南アフリカのウィットウォーターズランド大学で演劇を学び、ミュージカルの舞台で活躍。音楽の道を追いながら、現在兄弟でウェルネス事業を営んでいる。

一方、キャサリン・ジェンキンス(Katherine Jenkins)から強い影響を受け、澄み渡る優しい歌声で情感たっぷりに歌い上げるエマ(現在12歳)は、シンガーでバレリーナ、そしてTVのCMや番組にも出演している女優。幼い頃から音楽が大好きだったといい、「とても緊張しちゃうけど、観客の皆さんに歌うのが大好きです。歌っている時はいつもとても幸せな気持ちになります」と地元メディア(TimesLIVE)で語る。

エマは7歳の頃に教会でソロ・デビューし、ディズニー映画『塔の上のラプンツェル』の主題歌「I See the Light」を披露。2018年、9歳の頃にセント・ジョンズ大学で開催されたチャリティ・イベントで、エイドリアンとその友人に加わって歌って以来、音楽に夢中になったというエマ。歌に込められた大切なメッセージと音楽家が歌に閉じ込めた感情を自分なりに紐解き表現しながら成長していく彼女は、家族や友人が集う夜会でエイドリアンとその歌声を重ねてきた。

2020年3月、世の中が一変した頃、アメリカ・ユタ州に住む当時15歳の少女サバナ・ショー(Savanna Shaw)と当時39歳の父親マット(Mat Shaw)のデュエット動画(記事)がSNSや米メディアで話題となった。彼らの動画からインスパイアされたエマは、ロックダウンでできた時間を使って、レコーディングの機材やソフトの使い方を学び、自らセットアップした機材で、復活祭の日に会えない家族や友人に送ろうと「The Prayer」をレコーディングした。

2020年4月にエマの母親のfacebookに投稿されたこの動画は1日で17,000回以上再生。英音楽情報サイト「The Music Man」のSNSで取り上げられるとバイラルとなり、アメリカから始まった平穏の祈りは北半球から南半球へ、そして再び北半球へ。希望のバトンを繋いだ彼らの歌声はロックダウンのさなか、人種も文化も言語も異なる様々な人々の心を介して、世界中に広がっていった。

Just Duet

『Just Duet』のオリジナル曲は「Di Padre in Figlia (Father to Daughter)」に加え、天使の微笑み「Angel Smile」、黄昏の賛美歌「Before the Ending of the day (Evening Hymn)」、いじめにあった経験からエマが書いた曲で苦難から強さを見出すソロ曲「Found Myself In Me」の4曲の新曲を収録。またエイドリアンがソロ時代にホームレスの子どもたちを救うために書いた曲のデュエット版「A Moment Of Your Time (Album Version)」を収録する。

カバー曲は、ファンらから反響の大きかった曲から選曲され、ポップ、フォーク・ロック、オペラなどジャンルを超えたクラシカルな名曲を収録。バイラルとなった「The Prayer」をはじめ、レナード・コーエン(Leonard Cohen)が1984年に発表し、賛美歌の象徴的なイメージを形作った名曲「Hallelujah」(ハレルヤ)。そしてサイモン&ガーファンクル(Simon & Garfunkel)のアイコニックな1964年曲「The Sound of Silence」(サウンド・オブ・サイレンス)や、プッチーニ作曲の歌劇『トゥーランドット』よりアリア「Nessun dorma」(誰も寝てはならぬ)を収録。

クロージング・トラックには「Time to Say Goodbye」。共に分かち合わなかった過去に別れを告げ、愛する人と共に歩んでいく新たな旅立ちを歌ったバラードでデビュー・アルバムを終える。

『Just Duet』の発表に際して二人は次のようにコメント。「とても長い時間がかかったように感じますが、聴いてくださる皆さん一人一人に、驚きと喜びを届けたく最善を尽くしたいと心から望んでいました。『Just Duet』がまさにその作品になるのではないかと感じています」。

そしてエマは「胸がいっぱいです。私たちの初めてのアルバムです。本当に信じられません。とても素晴らしい気持ちです。リリースにすごくワクワクしています」、「支えてくださっているフォロワー、ファンの皆さん、心より感謝申し上げます。皆さんの応援なしにここまで辿り着くことはできませんでした。この2年の間、私たちは素晴らしい旅を一緒に歩んできました。本当にありがとうございます」。

静謐な安らぎの時間が流れる賛美歌からアップリフティングなオペラティック・ポップまで。喜びと癒やし、愛と希望を届ける多彩な楽曲と父娘の豊かな歌声が優しい気持ちにしてくれる一枚。困難の時代に響き渡る新しいハーモニーが今、国境を越えて人々の中に大きな虹をかけている。

Adrian & Emma-Jean Music
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『Just Duet』トラックリスト
1. The Prayer〈アンドレア・ボチェッリ&セリーヌ・ディオン〉
2. A Moment Of Your Time (Album Version)
3. Hallelujah〈レナード・コーエン〉
4. Found Myself In Me
5. Angel Smile
6. The Sound Of Silence〈サイモン&ガーファンクル〉
7. Before the Ending of the Day (Evening Hymn)
8. Di Padre in Figlia (Father to Daughter)
9. Nessun Dorma〈歌劇『トゥーランドット』〉
10. Time To Say Goodbye〈アンドレア・ボチェッリ&サラ・ブライトマン〉

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