ルーシー・トーマス、壮麗な「Hallelujah」リリース


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クラシカルな名曲からモダンな曲まで、”天使の歌声”と呼ばれる優雅な響きと壮大なスケールを兼ね備えた美しい歌声で、国境を越えて幅広い世代の人々を感動に包んでいるイギリスの16歳ルーシー・トーマス(Lucy Thomas)。そのニュー・シングル「Hallelujah」ダウンロード版, 各ストリーミング)が2021年1月1日にリリースされた。

レナード・コーエン(Leonard Cohen)が世に残し、賛美歌の象徴的なイメージを形作った名曲に新たな命を吹き込み、人生の光と影、愛と痛み、神の聖なる光と”傷心のハレルヤ”(broken hallelujah)をエモーショナルに歌い上げる。リリースの2週間ほど前に先駆けて公開された「Hallelujah」のミュージック・ビデオは昨日YouTubeで動画再生回数100万回を超えた。

オリジナルの「Hallelujah」はレナード・コーエンの7枚目のスタジオ・アルバム『Various Positions』(’84、邦題:悲しみのダンス)に収録。難解な同曲は旧約聖書『サムエル記』、『士師記』の物語が幾つか語られる。竪琴の名手ダビデがイスラエル王国の初代の王サウルに竪琴を奏でると、サウルの心は安らぎ悪霊が離れていったという話(サムエル記上16章23節)に触れ、苛まれる心を慰め癒やしたダビデ作曲の救いのHallelujahには「秘密のコードがあったと聞いた」という謎めいた詞から「Hallelujah」は始まる。

2番の歌詞では、月光の下で沐浴するバト・シェバを目にして関係を持つダビデの不倫(サムエル記下11章)、愛する女性デリラに裏切られ、髪を切り落とされ秘密の力を失うサムソンの話(士師記16章)が描かれ、愛の深い傷心と孤独、苦悩と葛藤からハレルヤを見出す。後のライブ・パフォーマンスで「Hallelujah」には新たな歌詞が追加され、レナード・コーエンの深遠な詩はそれぞれのアーティストのカバーによって多様な解釈がなされ、聖性を帯びたアップリフティングなもの、セクシュアルなもの、憂いを帯びた感傷的なものなど様々な「Hallelujah」が生まれた。

ルーシー・トーマスは同曲について、「レナード・コーエンのこのクラシカルな歌は私の人生で最も好きな曲の一つです!”Hallelujah”には素晴らしいカバーがたくさんあります。ジェフ・バックリィ(Jeff Buckley)、k.d.ラング(k.d.lang)、ペンタトニックス(Pentatonix)、アンドレア・ボチェッリ(Andrea Bocelli)、そしてアレクサンドラ・バーク(Alexandra Burke)。私のカバーはアレクサンドラ・バークの美しいカバーからインスパイアされました」とコメント。流麗な序盤は穏やかに始まり、鋭い感性とスピリチュアルな解釈、ミュージカル音楽から培われた豊かな表現力でダイナミックに詩は流れ、嘆き悲しみ、力強いハレルヤから哀愁と希望の余韻を残して、”秘密のコード”に迫る。

2020年最後のニュースレターでルーシー・トーマスは感謝の言葉とともにニュー・アルバムを発表。「この非常に困難な年のなか、支え続けてくださった皆さんの素晴らしい応援の全てに、心より感謝申し上げます。皆さんの温かい言葉と励ましがとても大きな力になりました。2021年、とてもわくわくしているプロジェクトがあって、皆さんと分かち合うのが待ちきれないです。その一つが初夏に予定しているサード・アルバムです!困難な状況の中ですが、皆さんのご安全とご健康をお祈り申し上げます」。

デビュー・アルバム『Premiere』(記事)、セカンド・アルバム『Encore』(記事)に続くサード・アルバムには、妹マーサ(Martha)とデュエットしたサラ・マクラクラン(Sarah McLachlan)の「In The Arms of An Angel」、ジョシュ・グローバン(Josh Groban)版で知られる「You Raise Me Up」のカバー曲が収録されることが発表されている。

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