ルーシー・トーマス、デビューアルバム『Premiere』&壮大なバラードカバー


2560 1440 VOICE Editor

コートニー・ハドウィン(Courtney Hadwin)らを輩出してきたイギリス版『The Voice Kids』。その舞台で昨年夏、当時14歳(収録当時13歳)、美しくパワフルな歌声で審査員の鳥肌を立たせ、イギリスを感動に包んだイングランド北西部ランカシャー州ウィガンの15歳ルーシー・トーマス(Lucy Thomas)。オードリー・ヘプバーン(Audrey Hepburn)の映画『ティファニーで朝食を』曲「Moon River」(’61)、チャールズ・チャップリン(Charlie Chaplin)の映画『モダン・タイムス』曲「Smile」(’36)など、ダイナミックなクリスタル・ヴォイスで歌い上げ、「まるで完全無比」、「コイツは本物だ」と審査員ウィル・アイ・アム(will.i.am)らを唸らせた。

そのセミファイナリストとなり、クラシカル・クロスオーバーのアーティストらが所属するCavendish Recordsと契約、14歳ながら今年2月1日にデビュー・アルバム『Premiere』をリリースし、世代を超えて熱い支持を集めている。ミュージカル音楽、ポップ・ミュージックなどレパートリーはジャンルの壁と時代の枠を超え、先月にはスノウ・パトロール(Snow Patrol)の「Run」(2004)をカバーしたシングル(ダウンロード版)をリリース。「鳥肌が総立ち」と感動の声が次々に寄せられる至純の歌声を披露した。今月には祖父の大好きな曲だというイーグルス(Eagles)のクラシカルなナンバー「Desperado」(’73、邦題:ならず者)をカバー(※今週11月22日リリース予定、ダウンロード版)。ゴリゴリのロック・ファンも虜にしている。

英国ポップ歌姫レオナ・ルイス(Leona Lewis)、ミュージカル界の女王レア・サロンガ(Lea Salonga)、クラシカル・クロスオーバーのソプラノ歌手ジャッキー・エヴァンコ(Jackie Evancho)らから影響を受けたというルーシー。7歳の頃、祖母の誕生日パーティで歌ったのをきっかけにヴォーカル・レッスンを受け始め、その歌声は研ぎ澄まされていった。昨年6月には、ヘンリー王子、サセックス公爵らが集まったケンジントン宮殿のガーデン・パーティで歌い、華やかな時間を演出した。

Rosie (2020)

そのデビュー・アルバム『Premiere』には、2020年にイギリスで上演されるミュージカル新作『Rosie』のオリジナル曲も収録。『Rosie』は、19世紀末葉から20世紀初頭にかけて、ウエストエンドのスターとして活躍した実在の舞台女優ロージー・ブート(Rosie Boote)の激動の人生を基に描くミュージカル。その詳細はまだ発表されていないが、史実では小さい頃アイルランドのカトリック女子修道院学校へ送られたロージーは、修道院でミュージカル・スターを夢見て育つ。やがてウエストエンドの花形「Gaiety Girls」となりスターダムに駆け上がり、アイルランドの若き貴族と運命的な恋に落ちる。宗派・身分違いの恋は、上流階級社会、家族から強い反対を受け、イギリス国王エドワード7世から反対されるほど許されないものだったが、しかし二人は真実の愛を貫いていく。

そのミュージック・ビデオ第1弾「Starlight」では、希望と愛の祈りを天上に響かせる。(コーラス)「Oh、星明かりよ、眩く輝き/今宵の夜空を照らして/遥か彼方高くから、私に希望を与え/そして真実の愛を見つけるために」若きジュディ・ガーランド(Judy Garland)が蘇るミュージカルの豊かな表現力と深み、クラシック譲りの洗練された響きと透明感を受け継ぎ、宵闇の舞台に力強く輝かせる。

ブロードウェイ・ミュージカル曲やアラン・メンケン(Alan Menken)のディズニー映画音楽のような、驚くほど美しい楽曲に仕上がっている『Rosie』の楽曲は、アワード受賞英作曲家Chris Broomが作曲。詩情豊かなオーケストラ・サウンドで贈るドラマチックなバラードを一足早く歌うこととなったルーシーはSNSで、「ついに(”Starlight”の)ミュージック・ビデオを分かち合うことができて光栄です」、「Chris Broom作曲によるミュージカル新作”Rosie”の”Starlight”が大好き」、「このビデオでロージーを演じてとっても特別な気持ちになったわ」。

続いて公開され、ルーシーが特に自分自身と重ね、最も共感しているという「Suddenly」。怖れず一歩を踏み出し、夢を羽ばたかせていこうとする少女の姿を力強く描く。さらに先月には『Rosie』よりアルバム未収録の新曲「Gentle Breeze」MVを公開。故郷に思いを馳せ流れ出る幻想的な響きが、甘美な癒やしを生む。

Premiere

ミュージカル映画、ブロードウェイ・ミュージカルの曲が詰まった『Premiere』(ダウンロード版)には、ディズニー・アニメ映画『美女と野獣』(’91, 原題:Beauty and the Beast)より「Beauty and the Beast」、ディズニー・アニメ映画『アナと雪の女王』(2013, 原題:Frozen)主題歌「Let It Go」、ディズニー映画『ハイスクール・ミュージカル ザ・ムービー』(2008, 原題:High School Musical 3: Senior Year)より「Can I Have This Dance?」をカバー。そのデュエット曲では、ルーシーと同じ『The Voice Kids』シーズン2セミファイナリストのWill Callanと歌う。また映画『グレイテスト・ショーマン』(2017, 原題:The Greatest Showman)より「Never Enough」「Tightrope」、映画『ドリームガールズ』(2006, 原題:Dreamgirls)よりビヨンセ(Beyoncé)の「Listen」のカバーを収録。

さらにブロードウェイ・ミュージカル『ジキル&ハイド』(原題:Jekyll & Hyde)より「Someone Like You」、『ウィキッド』(原題:Wicked)の「Defying Gravity」など、誰もが知る名曲を瑞々しく伸び伸びとした歌声で歌い上げ、映画とブロードウェイの舞台を蘇らせる。ファイナル・トラックは人生を変える運命の愛を描く『Rosie』新曲「The Day That I Met You」。海に流れ着く川のように必ず一つになる二人の運命を歌い、”あなたと出会った日”で『Premiere』を終える。日常の喧騒をはなれ、新しい感動の数々に出会う一枚。きっとあなたの人生をいっそう豊かにしてくれるはずだ。

『Premiere』トラックリスト
1.「Never Enough」- 映画『グレイテスト・ショーマン』
2.「Beauty and the Beast」- 映画『美女と野獣』
3.「Listen」- 映画『ドリームガールズ』
4.「Can I Have This Dance」- 映画『ハイスクール・ミュージカル ザ・ムービー』
5.「Let It Go」- 映画 『アナと雪の女王』
6.「Starlight」- ミュージカル『ロージー』
7.「Suddenly」- ミュージカル『ロージー』
8.「Tightrope」- 映画 『グレイテスト・ショーマン』
9.「One Day」- ミュージカル『ロージー』
10.「Someone Like You」- ミュージカル『ジキル&ハイド』
11.「Defying Gravity」- ミュージカル『ウィキッド』
12.「The Day That I Met You」- ミュージカル『ロージー』

関連記事

新着記事

洋楽最新情報をフォロー