カナダのモンスター・ロックバンド、ニッケルバック(Nickelback)の通算9枚目となる最新スタジオ・アルバム『Feed the Machine』のタイトル・トラックとなる最新シングル曲「Feed the Machine」のミュージック・ビデオが、現地時間の昨日(4月19日)公開されました。
マシーンによる強大な軍事力で圧政を敷く黙示録的世界後の近未来を舞台に、監獄に隔離される貧困層の人間と、権力に従い「列に並ぶ」集団に二分化された世界を描くミュージック・ビデオ。
ブレイキング・ベンジャミン(Breaking Benjamin)の「Ashes of Eden」、「Never Again」で知られるSimian Design Groupが手がける同ミュージック・ビデオでは、スカイネット対ヒューマン・レジスタンスを描く映画『ターミネーター』を想起させるディストピア的世界の中で、恐慌社会に立ち上がる抵抗軍の姿が描かれます。
「No more questions, get back in line! (just get back in line!)」(質問などするな、さっさと列にもどれ!)、地響きを鳴らすヘビーリフと共にかつてのニッケルバックの重厚なロック・サウンドへの原点回帰をみせるなか、その”マシーン”を強大化させるために”収穫”されている人間模様を描く「Feed the Machine」。
マシーンはトランプ大統領?
今年1月20日に行われた米ドナルド・トランプ大統領就任式後の2月1日にリリースされた同曲については、トランプ大統領の権力的政治へのメッセージであると一部のファンらの間でその憶測が飛ぶ一方、ヴォーカリストのチャド・クルーガー(Chad Kroeger)は先月HardDrive Radioでのインタビューでそれを否定。前作『No Fixed Address』のカナダ音楽プロデューサー、クリス・ベースフォード(Chris Baseford)と共に同曲をニッケルバックが制作した当時は、そもそもトランプ大統領候補の存在は頭になかったことを明かします。
ハーメルンの笛吹き
その上で「If Today Was Your Last Day」、「If Everyone Cared」、「What Are You Waiting For?」などその熱きメッセージを込めるニッケルバックのフロントマンは、「常に人々は盲目的に従ってしまうことがあるんだ、ハーメルンの笛吹き男がねずみを導き戻ってこないという話がある。世の中には疑うべき事柄に溢れている、(しかし)疑いもなく共同歩調をとっていること(fall in line)が何千とある、そしてそうしたあらゆるものが”ビッグ・マシーン”なんだ」とそのマシーンの意味を明かします。
「それは政府でもあり、信仰でもあり、そうしたあらゆる全てのことなんだ」と、特定の物事を意味するものではなく、それ自体開かれた解釈のものであり、そうしたものに盲目的に従うのではなく、自らその意味を考えることの大切さを語ります。
数多くのアーティスト、グループが現在のメインストリームでトレンドとなるサウンドスタイルに追従するなか、(チャートは難しくなるものの)ヘビー・ロックの重厚なサウンドに原点回帰し”Nickel is Back”とロック・ファンから熱い声が寄せられる「Feed the Machine」。
「抵抗的なロック・アンセム」(defiant rock anthem)とiHeartRadioが評する「Feed the Machine」をリード・シングル曲とするニッケルバックの9thスタジオ・アルバム『Feed the Machine』は再来月6月16日にリリース、そして6月23日インディアナ州ノーブルズビルより、ドートリー(Daughtry)、シャーマンズ・ハーヴェスト(Shaman’s Harvest)が同行する北米ツアーをキックオフする予定です。