アカデミー賞2019 レディー・ガガ『アリー/ スター誕生』主題歌「シャロウ」歌曲賞


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第91回アカデミー賞授賞式(The Oscars 2019 | 91st Academy Awards)が現地時間2月24日ロサンゼルスで開催され、レディー・ガガ(Lady Gaga)とブラッドリー・クーパー(Bradley Cooper)の『アリー/ スター誕生』(原題: A Star Is Born)主題歌「Shallow」が歌曲賞(主題歌賞 / Best Original Song)を受賞しました。

自身初のアカデミー賞受賞となったレディー・ガガは、その受賞スピーチで感極まり涙ながら関係者、家族らに感謝の言葉を述べた上で、監督で共演のブラッドリー・クーパーに「ブラッドリー、私とこの歌を歌えた人はあなた以外にこの地球で誰一人いないわ」。「私たちを信じてくれてありがとう。本当にありがとう。そしてもし家でソファーに座りこのセレモニーを見ている人がいたら、私が伝えたい全てのことはこれが刻苦精励の賜物ということです。私は長い間頑張ってきました、勝ち負けではありません。それは諦めないということです」

「もしあなたに夢があったらそのために闘って下さい。情熱には試練があります。どれだけあなたが拒絶され、くじけ、打ちのめされたかではありません。どれだけあなたが立ち上がり、果敢に挑み続けるかです。ありがとうございます!」

同賞はソングライターに贈られ、レディー・ガガ、マーク・ロンソン(Mark Ronson)、アンドリュー・ワイヤット(Andrew Wyatt)、アンソニー・ロッソマンド(Anthony Rossomando)が受賞。今回最優秀歌曲賞には、『ブラックパンサー』(原題:Black Panther)の「All The Stars」、『RBG 最強の85才』(原題:RBG)の「I’ll Fight」、『メリー・ポピンズ リターンズ』(原題:Mary Poppins Returns)の「The Place Where Lost Things Go」、『バスターのバラード』(原題:The Ballad of Buster Scruggs)の「When a Cowboy Trades His Spurs for Wings」がノミネートされていました。

『アリー/ スター誕生』は作品賞の他、ブラッドリー・クーパーが主演男優賞、レディー・ガガが主演女優賞など8部門でノミネートされていましたが、歌曲賞のみの受賞。アカデミー賞に先立ち「Shallow」はゴールデングローブ賞で歌曲賞(記事)、グラミー賞で最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞と最優秀ビジュアル・メディア作曲賞を受賞していました(記事)。

主な受賞

ダイバーシティとインクルーシブを反映した受賞が目立った今年のオスカー、『アリー/ スター誕生』もノミネートされていた注目の作品賞にはゴールデングローブ賞最多3冠となっていたピーター・ファレリー監督『グリーンブック』(原題:Green Book)。人種差別が色濃く残る1960年代アメリカ南部を舞台に、天才黒人ピアニストが粗野なイタリア系用心棒を雇いコンサート・ツアーへ繰り出す実話を基にした作品、『ROMA/ローマ』、『ボヘミアン・ラプソディ』など注目作を抑え作品賞をサプライズ受賞。『グリーンブック』は作品賞、助演男優賞(マハーシャラ・アリ)、脚本賞の3部門の受賞を果たしました。

最多受賞はクイーン(Queen)のリード・ヴォーカル、フレディ・マーキュリー(Freddie Mercury)の伝記映画『ボヘミアン・ラプソディ』(原題:Bohemian Rhapsody)で最多4冠。惜しくも作品賞は逃すも主演男優賞(ラミ・マレック)、編集賞、音響編集賞、録音賞に輝きました。

Live Performance

1989年以来およそ30年ぶりに司会者なしで開催することとなった今年のアカデミー賞授与式(当初予定していた司会者が過去の不適切発言が問題となり辞退、その後司会者が決まらなかった)。しかしその心配を吹き飛ばすようにクイーンがアダム・ランバート(Adam Lambert)をヴォーカルにアイコニックな1977年曲「We Will Rock You」でエネルギッシュにキックオフ。フレディ・マーキュリーへのトリビュートとともにパワフルな「We Are the Champions」でドルビー・シアターを熱気とスタンディングオベーションに包み、圧巻のライブでその幕を開けました。

ライブ・パフォーマンスでは、『ブラックパンサー』ケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)とSZA(シザ)の「All The Stars」を除く歌曲賞ノミネートの楽曲がそれぞれ披露され、ハイライトシーンとなったのはレディー・ガガとブラッドリー・クーパーの(緊密すぎると話題をさらった)「Shallow」、デュエットとしてはTV初披露。ゴージャスな黒のドレスのレディー・ガガの胸元に輝かせるのは、ティファニーの128.54カラットの黄色いダイヤモンドのネックレス。140年以上前に南アフリカで発見され現在の価値は33億円($30 million)を超え、レディー・ガガの着用はオードリー・ヘプバーンが『ティファニーで朝食を』(1961年)の広告写真で身につけて以来、ティファニーのステートメントによると141年の歴史でレッドカーペットでの使用は今回が初めてだといいます。


一台のピアノを介しお互いを見つめ合うシーンから隣り合い一つのマイクで歌うなど、グラミー賞とは対照的なものとなった「Shallow」。ロマンティックな映画のワンシーンが流れる歌に姿を変え映画界最大の祭典に集まった人々を魅了しました。なお第91回アカデミー賞授賞式の模様はNHK BSプレミアムで2019年3月10日(日)午前1時05分〜2時45分(※9日土曜日深夜)総集編で放送される予定です。詳しくはBSシネマをご参照下さい。

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