ケイシー・マスグレイヴス、映画『エルヴィス』サントラより珠玉の「Can’t Help Falling in Love」


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7月1日(金)全国公開

無名の歌手から”アメリカのアイコン”へ。反発の中で変貌を遂げ、圧倒的なカリスマ性を放ちアメリカンドリームの象徴となりながら42歳でこの世を去ったエルヴィス・プレスリー(Elvis Presley)。その真実に迫る伝記映画『エルヴィス』(原題:ELVIS)がいよいよ2022年7月1日(金)より全国で劇場公開される。

アメリカなどでは日本に先駆けて6月24日(金)より劇場公開となり、現地時間27日(月)に正式発表された週末の北米映画興行収入ランキングで、『トップガン マーヴェリック』(Top Gun: Maverick)と接戦となっていた『エルヴィス』が、3110万ドルで初登場首位を獲得。世界興行収入が10億ドルを超え今年世界最大のヒット作となっている『トップガン マーヴェリック』(2960万ドル)は第2位となり、共にその音楽でも全米をアツくしている。

『エルヴィス』の劇場公開直前には、そのサウンドトラックよりグラミー賞6度受賞のカントリー・ポップ歌手ケイシー・マスグレイヴス(Kacey Musgraves)がカバーした「Can’t Help Falling in Love」(Apple Music, Spotify, Amazon)がリリース(現地時間2022年6月22日)。劇中シーンを映したミュージック・ビデオも併せて公開された。映画鑑賞後も感動の声が次々に寄せられているこのカバー。憂いを帯びて美しく穏やかな歌声で歌うケイシー・マスグレイヴスは、誰もが知るエルヴィスの甘美な名曲で、その知られざる素顔に迫りながら、儚き人生を輝かせる愛のバラードを紐解く。

(バース1)「賢者は言う、急ぐのは愚か者だって/でも、私はあなたを愛さずにはいられない」、「とどまるべき?/罪になる?/もしあなたへの気持ちを抑えられなかったら」(コーラス)「それは必ず海に流れ着く/川のように/いとおしい人、そういうものだわ/運命的なものがある」(バース3)「私の手をとって、私の全てを受け入れて/あなたを愛さずにはいられない/愛さずにはいられない」

1950年代、公民権運動の始まりと時を同じくして、ブルース、ゴスペル、ソウルを起源とする黒人音楽のR&Bと白人音楽のカントリー、ブルーグラスなどを融合し発展させ確立したロックンロール・サウンド、常識を打ち破る歌声、ド派手なファッション、エネルギーに満ち挑発的なパフォーマンスで全米を熱狂させセンセーションを巻き起こした”キング・オブ・ロックンロール”。

ジャン・ポール・マルティーニ(Jean-Paul-Égide Martini)作曲の「Plaisir d’amour」(邦題:愛の喜びは)を原曲に、1961年、当時26歳の時にリリースされた「Can’t Help Falling in Love」は、エルヴィス・プレスリー主演の映画『ブルー・ハワイ』(原題:Blue Hawaii)のサントラ『Blue Hawaii』(1961)に収録。情熱的な愛を甘い歌声で歌う。

『Blue Hawaii』は米ビルボード「Billboard 200」で首位、全英アルバムチャートで首位を記録。「Can’t Help Falling in Love」は米ビルボード「Hot 100」で最高第2位(※1962年2月3日付)、全英シングルチャートでは4週連続の首位(※1962年2月28日付-3月21日付)を記録し、その後ボブ・ディラン(Bob Dylan)、アンドレア・ボチェッリ(Andrea Bocelli)、ヘイリー・ラインハート(Haley Reinhart)ら数々のアーティストにカバーされ、そのロマンチックなスタンダード・ナンバーは時代を超えて人々のウェディング・ソングとしても愛されてきた。

ケイシー・マスグレイヴス版の映像では、まだ幼い娘リサ・マリー・プレスリー(Lisa Marie Presley)が父親エルヴィスとお別れをする空港のシーンから幕を開ける。窓越しに笑顔で手を振る娘は別の車に乗り、妻プリシラ・プレスリー(Priscilla Presley)とエルヴィスは車の中で無言のまま。静かに手を取り合い、二人の最後の時間に思い出だけが蘇る。

エルヴィスとプリシラは出会ってから8年後、1967年5月1日、エルヴィスが当時32歳の時にプリシラ(当時21歳)と結婚し、その9ヶ月後の1968年2月1日に娘リサ・マリー・プレスリーが生まれた。メンフィスのグレイスランドで約6年半の結婚生活を経て、二人は1973年2月23日に別れ、同年10月9日に正式に離婚した。離婚当時4歳だった娘リサは、母親とロサンゼルスで暮らしていたが、グレイスランドに住むエルヴィスとよく会っていたという。

「ベルベット・エルヴィス」の33歳は自身のSNSで今回のカバーについて歌詞を引用しながら次のようにコメントしている。「”運命的なものがある(Some things are meant to be)”。歴史上最もアイコニックな歌の一つをカバーすることは光栄であり冒険的でした。この歌は、脚光や流行を超えて、いつまでも愛される曲の一つです。この歌が存在しなかった時代があり得なかったように感じます」。「素晴らしいバズ・ラーマン監督と仕事をすることは長年の私の夢でした。彼のビジョンを形にする手助けができ、このアイコニックなラブソングをレコーディングできて、とても嬉しかったです。私にとっては深い悲しみを秘めたラブソングです🖤」

ELVIS

全米の劇場公開に合わせて6月24日にリリースされた全36曲収録のサントラ『ELVIS (Original Motion Picture Soundtrack)』(Apple Music, Spotify, Amazon)には、ドージャ・キャット(Doja Cat)、スウェイ・リー(Swae Lee)、エミネム(Eminem)、マネスキン(Måneskin)、ジャック・ホワイト(Jack White)ら豪華スターが集結。ロック、ヒップホップ、ポップ、ジャズ、カントリー、R&Bなどジャンルを超えた大胆な音楽で、エルヴィス・プレスリーの当時の革新性をモダンなひねりを加えて現代に”体感”させる。ドージャ・キャットの「Vegas」にはエルヴィスのカバー「Hound Dog」(1956)、エミネムとシーロー・グリーン(CeeLo Green)の「The King and I」にはエルヴィスの「Jailhouse Rock」(1957)が組み込まれている。

映画『エルヴィス』の監督には、『ロミオ+ジュリエット』(1996)、『華麗なるギャツビー』(2013)の映画監督バズ・ラーマン(Baz Luhrmann)。バズ・ラーマン監督は、『華麗なるギャツビー』のサントラで組んだアントン・モンステッド(Anton Monsted)と再び組み、このサントラを共同プロデュースした。エルヴィス・プレスリー役には、新進気鋭の俳優オースティン・バトラー(Austin Butler)が熱演。マネージャーのトム・パーカー大佐役にはトム・ハンクス(Tom Hanks)、元妻プリシラ・プレスリー役にはオリヴィア・デヨング(Olivia DeJonge)を迎える。

数多くのレガシーを残し、世界で史上最も売れたソロ・アーティストとしてギネス登録されながら、グラミー賞はわずか3度の受賞、亡くなる6年前に特別功労賞を受賞するも、ロックンロールやポップでの受賞はなかったエルヴィス・プレスリー。”大スター”としてショービジネスの舞台に立ち、逆境のなかで自分の心の声に従い歌い続けた一人の男の軌跡をバズ・ラーマン流の豪華映像×音楽で辿る映画『エルヴィス』は、明日全国で劇場公開となる。

■ 映画『エルヴィス』上映劇場
https://wwws.warnerbros.co.jp/elvis-movie/theater/index.html

   

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