テイラー・スウィフト、映画『ザリガニの鳴くところ』主題歌「Carolina」リリース


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テイラー・スウィフト(Taylor Swift)が映画『Where the Crawdads Sing(原題)』のために書き下ろした新曲「Carolina」(Apple Music, Spotify, Amazon)を今日リリースし、劇中シーンを収めたリリック・ビデオを併せて公開した(2022年6月24日)。寂寥としたフォーク調のバラード「Carolina」は同サントラ曲で、エンドクレジット・ソングとなっている。

この映画は米ジョージア州出身の動物学者/作家、ディーリア・オーウェンズ(Delia Owens)の2018年処女小説『Where the Crawdads Sing』(ザリガニの鳴くところ/早川書房、2020年)を映画化した作品で、2022年7月15日に全米劇場公開される(※日本での劇場公開日は未発表)。

(コーラス)「霧の中へ、雲の中へ/離れないで/手を握る。今を生きよう/一度も足を踏み入れたことのない場所がある/カロライナだけが知っていることがある」

森厳な浮遊感に満ち不穏にも柔らかく幻想的な歌声でミステリアスな物語へ誘う「Carolina」は、テイラー・スウィフトが作詞作曲し、『folklore』、『evermore』のアーロン・デスナー(Aaron Dessner)と共同プロデュース。ノースカロライナを擬人化した詩的な詞に土着のサウンドを注ぎ哀愁を宿しながら、ノースカロライナの豊かな美しい自然と”二人きり”で孤高に生きる少女の姿、その神秘的な関係を通じて、物語の世界観とその情感を鋭く映し出す。

「Carolina」は一発録りで、1953年より前に存在した楽器を用いてレコーディングされたと、本作の映画監督オリビア・ニューマン(Olivia Newman)はテイラー・スウィフトから伝えられた情報として語っている(LIVE: WHERE THE CRAWDADS SING Chat with Reese Witherspoon, Cast & Director – YouTube)。

小説『ザリガニの鳴くところ』は、1950年代初期、6歳で家族に見捨てられ、お金もなくノースカロライナ州の湿地の小屋でたった一人で生きなければならなくなった少女カイアの成長を描く。「湿地の少女」と呼ばれ、村の人々や小学校の子供たちから蔑まれながらも、「ザリガニの鳴くところ」で静かに暮らしていたカイア。読み書きを教えてくれた少年テイトとの間に恋が芽生えるが、彼は大学進学のため彼女のもとを去っていく。

1965年、19歳になったカイアに地元のアメフト・スター選手でプレイボーイのチェイスが近づき関係を深めていくが。生き物たちが自然のままに生きる湿地を舞台に、過酷な境遇のなか繊細にも知的好奇心と野性的な美しさに溢れ力強く成長していく女性の姿を追う物語は、湿地で男の死体が発見されカイアが第一容疑者とされるミステリーと交錯しながら、心を揺さぶる結末へ向かっていく。

動物学者としての深い知見と経験に基づく視点からディーリア・オーウェンズが69歳で執筆した小説『ザリガニの鳴くところ』は、ニューヨーク・タイムズのフィクション・ベストセラー・リストで2019年に年間最多の通算25週、2020年に年間最多の通算7週でトップを飾り、2019年及び2020年に最もアメリカで最も売れた本となり、世界1200万部を超える。日本では2021年本屋大賞翻訳小説部門第1位となったことでも知られている。

今年3月にテイラー・スウィフトは映画『ザリガニの鳴くところ』の新曲についてInstagramで次のように明かしている。「小説『ザリガニの鳴くところ』は何年か前に読んで虜になった本です。素晴らしいデイジー・エドガー=ジョーンズ(Daisy Edgar-Jones)を主演に、素晴らしいリース・ウィザースプーン(の製作会社)がプロデュースした映画が製作中であると聞いた瞬間に、私は音楽で関わりたいと思いました」。「”Carolina”という曲を一人で書き、友人であるアーロン・デスナーとプロデュースしました。この魅惑的な物語に調和する心を掴んで離さない神秘的な曲にしたかったです」。

サントラのオリジナル曲としてテイラー・スウィフトはこれまでに、2010年『バレンタインデー』(Valentine’s Day)の「Today Was A Fairytale」、2012年『ハンガー・ゲーム』(The Hunger Games)の「Safe and Sound」、2013年『ワン チャンス』(One Chance)の「Sweeter Than Fiction」、2017年『フィフティ・シェイズ・ダーカー』(Fifty Shades Darker)の「I Don’t Wanna Live Forever」など提供している。

テイラー・スウィフトは映画『ザリガニの鳴くところ』の新曲「Carolina」のリリースに際して次のようにコメントしている。「1年半前、素晴らしい物語について曲を書きました。いつも外にいて中を見ている少女の物語です。比喩的な意味でも、文字通りの意味でも。彼女の孤独と自立。彼女の熱望と静けさ。彼女の好奇心と恐怖、そして全てが絡み合う。彼女の絶え間ない優しさ、そして社会がそれを裏切る。真夜中にたった一人になって書きました。そして細心の注意を払ってアーロン・デスナーとともにこの物語の時代にふさわしいと感じるサウンドに仕上げました。いつの日か皆さんに聴いてもらえる日を願いながら。その‘Carolina’がリリースです🥺」


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