AGTザ・チャンピオンズ、11歳アンジェリカ・ヘイル「Fight Song」にゴールデンブザー


1600 900 VOICE Editor

2017年全米夏の最高視聴者数オーディション番組NBC『アメリカズ・ゴット・タレント』シーズン12で当時12歳の歌う腹話術少女ダーシ・リン(Darci Lynne Farmer)との熾烈な優勝争いを繰り広げ、当時10歳にしてそのパワフルな歌唱力で全米を熱狂させたアンジェリカ・ヘイル(Angelica Hale)。決勝で惜しくもダーシに敗れ、準優勝で終えたアンジェリカ、現在オリジナル曲を制作しアルバム・リリースを目指しているという彼女が再び戻ってきた舞台は、世界タレント頂上決戦『アメリカズ・ゴット・タレント: ザ・チャンピオンズ』(原題 America’s Got Talent: The Champions)。

世界から集まった才能の猛者らによるAGT史上初のハイレベルの戦いのなか、今週放送回の第3週(現地時間1月21日)、アンジェリカ・ヘイルは苦難のなか最後に灯す希望と情熱の歌声で全米を魅了、その歌声に審査員ホーウィー・マンデルからゴールデンブザーが送られました。AGTで2つのゴールデンブザーを獲得するのは史上初めて。

AGTのステージに戻ってきたジョージア州アトランタの11歳は、「すごく興奮しちゃってるわっ!」、「今夜このAGTザ・チャンピオンズの舞台のため闘い続けてきました。この歌は今日ここで私がしていることにぴったりの曲です」。アンジェリカ・ヘイルは持ち前のエネルギー溢れるパワフルな歌声にさらに表現力を深め、レイチェル・プラッテン(Rachel Platten)のファイト・アンセム「Fight Song」を熱唱。会場はスタンディングオベーションに包まれ、審査員ハイディ・クルムは「あなたは小さな女ボスだわ、勝つためにあなたはここに来たわ、私にはそれが見える、そしてそれを感じるわ」。一方審査員メル・Bは、「アンジェリカらしさを加えたものにすると思っていたわ」、「パーフェクトな歌声のあなたのレベルだったら、もっとリスクを冒してもよかった」とコメントし会場からはブーイングも。

アンジェリカ・ヘイルに勝利した国民的人気の覇者ダーシ・リンは先週衝撃の敗退。ザ・チャンピオンズでは競技レベルがさらに高くなっていると語る審査員ホーウィー・マンデルは「チャンピオンらのなかに君が現れ、君はこの劇場の天井をふっ飛ばしたよ、まさに君がそうしたんだ」。「これは君のファイト・ソングだった。そして私に何かできることがあれば、この闘いに君が勝つことを手伝おう」。そのゴールデンブザーにアンジェリカ・ヘイルは涙浮かべ、「こんなこと私に起こるなんて本当に信じられない」、「本当にありがとうございます!」涙ながらも彼女らしい元気溢れる笑顔をみせるアンジェリカ、その闘いは幼い頃から始まっていたといいます。

アンジェリカ・ヘイルは4歳の時に細菌感染により深刻な細菌性肺炎など発症、心臓の機能低下、肝機能低下など症状は悪化。母親は全米腎臓財団でのインタビューで当時を振り返り「娘の体にたくさんのチューブが繋がっていました。その時私はアンジェリカに伝えました、心から愛しているわ、闘い続けて、お願い、諦めないで。もしアンジェリカを失ったら私はどうしたらいいのか…」。アンジェリカは敗血症を引き起こしそれにより腎不全を併発、ほぼ半分の機能を失った肺は手術により回復を遂げたものの、腎臓は壊滅的で腎移植が必要になったといいます。

退院後、人工透析の生活を続けるなか母親が適合するドナーであることがわかり、2013年9月、アンジェリカが当時6歳の頃、母親から腎移植を受け、「私はママからすごく大切な贈り物をもらいました、ママは私にママの腎臓をくれたんです。だから今ママは私の一部です。私の体の中にママの一部があるんです。ママは命の恩人、ママがダイスキです」。アンジェリカの母親は「どんな親も同じことをすると思います。我が子の命を救うために」。歌は彼女の闘病生活を支え励まし、その後アンジェリカは力強い歌声でメッセージを伝え全米で活躍、この日も母親と父親は観客席から娘の姿を見守ります。その収録映像でアンジェリカは「闘い続けることを諦めないで、だってこの先何が起こるかなんて誰にもわからないのだから」。


Top3

AGTスピンオフ『AGT: ザ・チャンピオンズ』は、AGT歴代優勝者及びファイナリストらそして世界70を超える国と地域で展開する『ゴット・タレント』フランチャイズの優勝者及びファイナリストらから厳選された50組が、”ザ・チャンピオンズ”の栄光をかけて激突。各回10組が5週にわたって競い、各回2組がファイナルに進出。その内1組は審査員・司会者によるゴールデンブザーにより決勝進出確定、もう1組は「AGT Superfans」と呼ばれるアメリカ50州からのファンらの投票によって決せられます。審査員はこれまで通りAGTレギュラー審査員サイモン・コーウェル(Simon Cowell)、ホーウィー・マンデル(Howie Mandel)、メル・B(Mel B)、ハイディ・クルム(Heidi Klum)。司会はタイラ・バンクス(Tyra Banks)に代わって、テリー・クルーズ(Terry Crews)。

この日トップ3で勝ち残ったのは、最後のアクトに登場したAGT2017ファイナリストのデンジャー・ローラースケーター、ビリー&エミリー・イングランド(Billy and Emily England)、9番目のアクトに登場したAGT2016ファイナリストのマジシャン、ジョン・ドーンボス(Jon Dorenbos)、そして『ブリテンズ・ゴット・タレント』(原題:Britain’s Got Talent)初代王者イギリスのオペラ歌手ポール・ポッツ(Paul Potts)。

8番目のアクトに登場したポール・ポッツは、運命を変えた奇跡の歌声で圧巻の「Caruso」を披露。わずか48歳でこの世を去ったオペラ史に刻む伊テノール歌手エンリコ・カルーソー(Enrico Caruso)を偲び、伊ルーチョ・ダッラ(Lucio Dalla)が書いた1986年の名曲「Caruso」を哀愁を纏うドラマティックな歌声で詩的な悲愛を舞台に蘇らせ、歌の途中から観客総立ちの拍手喝采。アメリカ50州による投票の結果、アメリカ北西部で支持を集めたジョン・ドーンボスが第3位、そして全米に深い感動を呼び「ぶっ飛んじゃうほど美しい」とメル・Bから称賛が送られたポール・ポッツが第1位、見事決勝進出を決めました。これまで決勝進出を決めているのは、第1週(記事)でスーザン・ボイル(Susan Boyle)とプリーチャー・ローソン(Preacher Lawson)、第2週(記事)でデッドリー・ゲームズ(Deadly Games)とクリスティーナ・ラモス(Cristina Ramos)。『AGT: ザ・チャンピオンズ』第4週は現地時間1月28日に放送予定。なお第3週その他の出場者パフォーマンスは以下の通りです。

1. DJ Arch Jnr(DJ)【南アフリカGT2015 優勝】
2. Darcy Oake(マジシャン)【BGT2014 ファイナリスト】
4. Tom Cotter(コメディアン)【AGT2012 準優勝】
5. Prince Poppycock(オペラ歌手)【AGT2010 ファイナリスト】
6. Ryan Stock & AmberLynn(デンジャー)【AGT2015 ファイナリスト】
7. サミュエル・J・コンムロ/Samuel J. Comroe(コメディアン)【AGT2018 ファイナリスト】

関連記事

新着記事

洋楽最新情報をフォロー