貧困に人種差別問題、ベトナム戦争に揺れた激動の1960年代アメリカ。白人と有色人種の結婚を禁じたジム・クロウ法をはじめ、黒人と白人の恋愛が許されなかった時代に、抗うように惹き寄せられる二人。忘れることのできない恋は、自分の心ごと胸の奥に。やがて時代も変わり、すっかり姿を変えて同窓会で再開を果たす二人だったが――。
昨年2月にリリースした米7人組ロックバンド、The Revivalists(ザ・リバイバリスツ)最新シングル曲「Wish I Knew You」(ダウンロード版)が今、それぞれの思いに染める追憶のメロディとなり、失われた時間を取り戻すように、切なく熱く、その心を埋めていきます。
ハイスクールのプロムを思わせる綺羅びやかな青とシルバーのバルーンに囲まれるダンスホール。その1965年のクラスの同窓会で、一人の白人少女の写真を胸に焼き付ける白髭混じりの黒人男性。あの時、知ることさえも許されなかった恋が、やがて二人を1965年へと引き戻していきます。
「君は星のように輝いている/わかっているだろ/君の全てが美しい/太陽のように熱く、/そしてたった一人の人」、「今君は僕の扉の前に立っている/あのとき二人、街で夜を明かしたね/星々がその戦争に敗れるまで」、「今日は金曜日の夜、聖霊よ/導きたまえ/今一番必要な人へと/最も大切な人へと」
ジャズ発祥の地、米ルイジアナ州南部ニューオーリンズで2007年に結成したザ・リバイバリスツ。そのサザンロック、ブルース、ジャズ、R&B流れるロック・サウンドに、フォーク、ソウルのインスピレーションを滲ませる旋律のなか、追懐のギター・リフが人々を高校時代へとタイムスリップさせていきます。
「君のことを知っていたらって思う、もっと若かった頃に/二人とも我を忘れ夢中だったに違いない/でも今ここに二人、ずいぶん時が経ったね/眩く輝く光に、見知らぬ二人/もしよかったら…/この気持ちを分かち合いたい/眩い光に、見知らぬ二人/君のことを知っていたらって思う/君のことを/もっとずっと前に/若かった頃に」
郷愁と哀愁漂うヴィンテージな旋律が流れると、「やみつきになるよ」とファンらを虜にする絶妙なサックスがギター・リフと絡み合い、恍惚の世界へ。フロントマンのデイヴィッド・ショー(David Shaw)の柔らかく懐深いソウルフルな歌声がホールに響き渡ると、手を取り合う二人はあの頃の10代の姿となり、ステージ中央でスポットライトを浴び踊り始めます。
自身初の全米首位
3rdスタジオ・アルバム『Men Amongst Mountains』(ダウンロード版)の2ndシングル曲で、昨年全米ビルボード「Adult Alternative Songs」チャートで2週連続第1位を獲得し(2017年10月1日、8日付)、自身初の全米首位シングル曲となった「Wish I Knew You」。
「サックスがハンパないよ」、「切なくって幸せになってしまう😭」、「この曲を知ってから何度も何度も聞いてしまうわ」、「頭から離れないよっ」と、世界中からその声が寄せられる同曲は、現在放送中の全米人気クラフトビール「ブルームーン」コマーシャルのCMソングにも起用され、米ラジオでもヘビーローテション。今年5月には全米ビルボード「Alternative Songs」チャートで再び第1位を記録(2017年5月20日付)、現在全米iTunes総合ソングチャートトップ50入りを果たす異例の大ヒットを続けます。
昨年2月リリースながら、時間をかけながらその絶大な人気を集めている同曲のヒットについてショーは、「何か特別なものを感じていたが、全米首位は予想外で、その可能性すら思ってもみなかったよ」(米ビルボード誌)。
Wish I Knew You
同曲が自分の知らない両親へ思いを馳せる曲になっているなど、様々な声を聞いたというショー。「人々がそれぞれ感じる自由でオープンな意味の楽曲にしたいんだ」(Galore)。制作当時は「もっとずっと一緒に時間を過ごしたいと思う人が、頭のなかにあったんだ」、「自分の恋人のことなんだけどね」(ABC Radio)。「このビデオは一つの解釈でしかないんだ」(Interview)、「Wish I Knew You」が思い思いの曲になってほしいとその願いを込めます。
それぞれの人々の、それぞれの思いを乗せて。「まだ出会っていない運命の人への気持ちを歌っているかのようだ」、そんな声も寄せられるなか、悲しみと幸せを同時に感じる不思議な歌が、それぞれの人生の物語を語り始めます。