ディクシー・チックス、The Chicksに変更しプロテストソング「March March」リリース


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グラミー賞主要部門アルバム賞、レコード賞、楽曲賞含む13度の受賞を誇る女性カントリー・グループ、ディクシー・チックス(Dixie Chicks)が、レディ・アンテベラム(Lady Antebellum)に続いてバンド名を変更し、現地時間6月25日、新バンド名「The Chicks」(ザ・チックス)を正式に発表した。同時に新曲「March March」ダウンロード版)をリリースし、ミュージック・ビデオも併せて公開された。

重々しいビートにバンジョーとフィドルが鳴り響くプロテストソング「March March」は、ザ・チックスのおよそ14年ぶりとなるニューアルバム『Gaslighter』より、タイトル・トラック、「Julianna Calm Down」に続く第3弾シングル。「もしあなたの声に力がないのなら、彼らがあなたを黙らせようとはしないだろう」、その引用で始まる映像では、警察権力による暴力・黒人差別撤廃を求める抗議デモをはじめ、LGBTQ+の人権、銃暴力や気候変動対策を訴えるデモなどを、公民権運動の歴史とともに映し出している。

(コーラス)「自分自身のドラムで行進、行進する/自分自身のドラムで行進、行進する/Hey, hey, 私は一人軍/Oh, 私は一人軍/自分自身のドラムで行進、行進/自分自身のドラムで行進、行進する/Hey, hey, 私は一人軍/Oh, 私は一人軍」

「March March」のリリースとともに発表したバンド名の変更は「Black Lives Matter」運動を受けたもので、ザ・チックスは公式サイトで「私たちはこの運動に応じたい」とナタリー・メインズ(Natalie Maines)、マーティ・マグワイア(Martie Maguire)、エミリー・スレイヤー(Emily Strayer)の署名付きでコメント。また声明でザ・チックスは「ニュージーランドの”The Chicks”が私たちとそのバンド名を分かち合うことを快くご承諾いただき深く御礼申し上げます。素晴らしい才能に溢れる姉妹とともにいられることを誇りに思います」。

削除された「Dixie」は、南北戦争時代に奴隷制存続を主張するアメリカ連合国を構成したアメリカ南部の通称(Dixieland)。もともと彼女たちのバンド名はリトル・フィート(Little Feat)のアルバム名『Dixie Chicken』(’73)に由来するが、黒人差別を連想させることから切り離した。同じようにカントリー・トリオ、レディ・アンテベラム(Lady Antebellum)が今月11日にバンド名から「Antebellum」(南北戦争前の)を削除し、「Lady A」に変更。しかし「Lady A」のアーティスト名で20年以上活動していたシアトルのブルース黒人歌手アニタ・ホワイト(Anita White)側から苦言を呈され(Rolling Stone)、「Lady A」がいたことを知らなかったレディ・アンテベラムが謝罪し、名を使用するという経緯があった。音楽界以外でも「Black Lives Matter」運動を受けた対応が相次いでいる。

【追記】アニタ・ホワイトがレディ・アンテベラムに対して、「Lady A」の使用するために1000万ドル(約11億円)を要求。これを受けてレディ・アンテベラムはテネシー州中央地区地方の連邦裁判所に対して、「Lady A」の名を継続して使用できるよう訴えを提起した(現地時間2020年7月8日発表)。

「March March」のミュージック・ビデオでは「Black Lives Matter」運動の発端となったジョージ・フロイド(George Floyd)をはじめ、警察権力によって命を奪われた黒人らの名前が映し出され、最後には「あなたの声を使って。あなたの投票を使って」とメッセージを刻む。新型コロナウイルスの影響により先月5月1日のリリースから延期となっていた通算8枚目となるザ・チックスのスタジオ・アルバム『Gaslighter』は、来月7月17日にリリースされる。

アルバム『Gaslighter』トラックリスト
1. Gaslighter
2. Sleep at Night
3. Texas Man
4. Everybody Loves You
5. For Her
6. March March
7. My Best Friend’s Weddings
8. Tights On My Boat
9. Julianna Calm Down
10. Young Man
11. Hope It’s Something Good
12. Set Me Free

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