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アカデミー賞2020全ライブ エミネム情熱のラップ、エルサ10人が美の響演


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米国映画界で最高権威とされる第92回アカデミー賞授賞式(92nd Academy Awards)が現地時間2月9日、ロサンゼルスのドルビー・シアターにて開催。ハリウッド最大の夜を祝う3時間半の華やかな祭典では、オーロラ、イディナ・メンゼル、エルトン・ジョン、ビリー・アイリッシュら豪華スターがライブ・パフォーマンスを披露した。ハイライト・シーンの一つとなったのは、サプライズで登場したエミネム。2003年の第75回アカデミー賞で歌曲賞(主題歌賞)を受賞した映画『8 Mile』曲「Lose Yourself」を17年の時を経て、オスカーの舞台で披露した。また松たか子さんがディズニー映画『アナと雪の女王2』主題歌「イントゥ・ジ・アンノウン」(原題:Into the Unknown)に加わり、アカデミー賞授賞式で歌唱した初めての日本人となった。

「#OscarsSoWhite」、オスカーの白人偏重への厳しい批判が続くなか、今年のショーをキックオフしたのは、ジャネール・モネイ(Janelle Monáe)。トム・ハンクスが『ア・ビューティフル・デイ・イン・ザ・ネイバーフッド』(原題:A Beautiful Day in the Neighborhood)でも歌っているクラシカルな番組『Mister Rogers’ Neighborhood』主題歌「Won’t You Be My Neighbor?」(’67)から爽やかに幕を開けると、映画のキャラクターに扮したバックダンサーらと共に躍動感に溢れる「Come Alive (The War of the Roses)」(2009)。「オスカーよ、目覚めるときだわ」、ジェンダー・人種の多様性を訴えながらエルトン・ジョンの「I’m Still Standing」(’83)とマッシュアップし、エネルギッシュに2020年代最初のオスカー開幕を宣言した。

妖精オーロラ(Aurora)の神秘的な歌声から幻想的な雰囲気に包まれたステージでは、『アナと雪の女王2』(原題:Frozen 2)の「Into the Unknown」をイディナ・メンゼル(Idina Menzel)がブロードウェイのトップ・スターらしいダイナミックな歌声で披露。海外のエルサ役9人がステージに登場し、松たか子さんが美しい日本語で歌うと、海外のエルサたちがそれぞれの言語で続き多彩な歌声で魅了。ラストでは国・言語・文化を超え一つとなり、新たな未来への扉を開く美しく力強いハーモニーを世界に響かせた。

今回トップシークレットとなっていたエミネム(Eminem)は、巨大なカセットテープのステージでアイコニックな2002年世界的ヒット「Lose Yourself」を迫力のラップで披露。「音楽に全てをかけろ/この瞬間を支配し、手放すな/チャンスは一度だけ、チャンスを逃すな/人生にたった一度だけだぞ/全てをぶつけろ」情熱と魂をぶつける歌でドルビー・シアターを熱気に包むと、17年の時を経て鳴り止まぬスタンディングオベーションに溢れた。

「Lose Yourself」で歌曲賞を受賞した2003年アカデミー賞授賞式では欠席。「18年かかってゴメンな」(SNS)とエミネム。エミネムは先月ニューアルバム『Music To Be Murdered By』をサプライズ・リリースし、全米ビルボード総合アルバムチャート「Billboard 200」で初登場首位を記録したばかり(記事)。そうしたなか今回アカデミーから特別にお誘いがあったという。欠席した2003年を振り返り、「あの時は、受賞するなんて思ってもみなかった。2,3週間前にグラミーで”Lose Yourself”を歌ったばかりだったし、我々はいいアイデアだと思わなかった。また若いときの俺は、あのような式典が俺を理解するとは考え難かった」(Variety)。当時エミネムは娘と家にいて、娘が学校で朝早いため寝ていたという。今回リハーサルもトップシークレット、ノミネート作品とは関係なくサプライズで全米を沸かせた。

授賞式では歌曲賞ノミネート曲全5曲がそれぞれライブ・パフォーマンスで披露。「Into the Unknown」に加え、『Breakthrough』よりクリッシー・メッツ(Chrissy Metz)が苦難に射し込む希望のバラード「I’m Standing with You」を壮麗なハーモニーのなか感動的に歌い上げた。また『トイ・ストーリー4』(原題:Toy Story 4)よりランディ・ニューマン(Randy Newman)が「I Can’t Let You Throw Yourself Away」、そして『ハリエット』(原題:Harriet)よりシンシア・エリヴォ(Cynthia Erivo)が「Stand Up」をソウルフルに熱唱。映画『ロケットマン』よりエルトン・ジョン(Elton John)が貫禄の歌声で「(I’m Gonna) Love Me Again」を披露した。歌曲賞には、第77回ゴールデングローブ賞歌曲賞(記事)に続いて、52年間数々の名曲を生み出してきたエルトン・ジョンと作詞家バーニー・トーピン(Bernie Taupin)の強力タッグによる「(I’m Gonna) Love Me Again」が受賞となった。

最後のパフォーマーに、事前に発表され大きな注目を集めていたビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)が追悼シーンに登場。兄Finneas O’Connellがピアノを弾き、ザ・ビートルズ(The Beatles)の名曲「Yesterday」(’65)をアイリッシュがエモーショナルに歌い上げ、亡くなったコービー・ブライアント(Kobe Bryant)、ドリス・デイ(Doris Day)、ピーター・メイヒュー(Peter Mayhew)らに追悼を捧げた。

アワードでは、韓国映画『パラサイト 半地下の家族』(原題:기생충、英題:Parasite)が作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の最多4部門受賞。外国語映画として史上初めて作品賞を受賞し、「歴史的瞬間」として報じられた。

パフォーマンス・リスト
1. ジャネール・モネイ 「Won’t You Be My Neighbor?」、「Come Alive (The War of the Roses)」、「I’m Still Standing」feat. Billy Porter
2. イディナ・メンゼル「イントゥ・ジ・アンノウン」-『アナと雪の女王2』
feat. オーロラ, 松たか子, Katarzyna Łaska(ポーランド語),ウィカヤニー・ピレクリン(Wichayanee Pearklin, タイ語), Gisela(カスティリヤ語), Willemijn Verkaik(ドイツ語), Lisa Stokke(ノルウェー語)、Anna Buturlina(ロシア語), Carmen García Sáenz(スペイン語), Maria Lucia Heiberg Rosenberg(デンマーク語)
3. クリッシー・メッツ「I’m Standing with You」-『Breakthrough』
4. エミネム「Lose Yourself」-『8 Mile』
5. ランディ・ニューマン「I Can’t Let You Throw Yourself Away」-『トイ・ストーリー4』
6. シンシア・エリヴォ「Stand Up」-『ハリエット』
7. エルトン・ジョン「(I’m Gonna) Love Me Again」-『ロケットマン』
8. ビリー・アイリッシュ「Yesterday」

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