50年を超える英国音楽界の集大成、ロンドン五輪閉会式のテーマは「英国音楽のシンフォニー」


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2012年ロンドン夏季オリンピック

2012年ロンドン夏季オリンピック英公式サイト

2012年ロンドン夏季オリンピック」(London 2012 Summer Olympics)まで2週間をきり、4年に1度の感動と興奮の夏がいよいよ始まりますが、英米各紙では、英国の威信を懸けたロンドン五輪オープニングセレモニー、クロージングセレモニーにもその注目が集まっています。

洋楽三大大国の一つ、カナダで開催されたバンクーバー冬季オリンピック(2010年)では、当時16歳のカナダの新星天才ジャズ・シンガー、ニッキ・ヤノフスキー(Nikki Yanofsky)によるバンクーバー冬季オリンピックテーマ・ソング「I Believe」をはじめ、開会式でのニッキ・ヤノフスキーの圧巻の国歌斉唱、そしてブライアン・アダムス(Bryan Adams)とネリー・ファータド(Nelly Furtado)のコラボ、サラ・マクラクラン(Sarah McLachlan)、ジョニ・ミッチェル(Joni Mitchell)らのパフォーマンスで全世界に大きな話題を呼んだ他、閉会式ではニール・ヤング(Neil Young)、マイケル・ブーブレ(Michael Bublé)、ニッケルバック(Nickelback)、アヴリル・ラヴィーン(Avril Lavigne)、シンプル・プラン(Simple Plan)、アラニス・モリセット(Alanis Morissette)ら豪華洋楽スーパースターが集結し、全世界を沸かせたことは記憶に新しいですが、ロンドン五輪閉会式ではさらにそれを上回る壮大な歴史的英国大国の総集大成を目にすることになるかもしれません。

“英国音楽界の集大成”の「壮大な英国音楽のマッシュアップ」
London 2012 Summer Olympics Closing Ceremony

オリンピック公式サイト

トップ・シークレットでその準備が進められる中、英国時間8月12日にオリンピック・パークの五輪スタジアムで開催されるロンドンオリンピック・クロージングセレモニー(閉会式)テーマ「英国音楽のシンフォニー」(A Symphony of British Music)であると今年4月に発表、同クロージングセレモニーについて、ロンドンオリンピック及びパラリンピックのオープニングセレモニー(開会式)・クロージングセレモニーのエグゼクティブ・プロデューサーで、英国を代表する映画監督・舞台監督スティーブン・ダルドリー(Stephen Daldry)は、「それはある意味で、我々の人生のサウンドトラックだ」(It is, in a sense, the soundtrack of our lives)と明かしています。

また同セレモニーのアート・ディレクターのキム・ギャヴィン(Kim Gavin)は、クロージングセレモニーが「壮大な英国音楽のマッシュアップ」(elegant mashup of British music)になるとコメント。

同ミュージック・ディレクターで、007シリーズ等で知られる英映画音楽作曲家デヴィッド・アーノルド(David Arnold)は、パフォーマンスを行うアーティストはイギリスを代表するアーティストになると述べており、「そうだね、既に確定しているとは言わないけど、(エドワード・)エルガーからアデルだ」(We go from — without saying we’ve booked anyone — Elgar to Adele)と明かしていることが報じられています。

(記事)”Will Adele perform at the closing ceremony?” on NBC

妊娠中のアデルのパフォーマンスの行方は?
Will Adele perform at the closing ceremony?

2012年グラミー賞主要3部門独占最多6部門受賞した他、全米ビルボード2011年年間総合ランキングで主要3部門独占首位獲得、2012年全米ビルボード上半期総合アルバムランキングで首位獲得、現在米ビルボード史総合歴代第6位、女性アーティストとしては歴代第1位の記録を樹立している英国歌姫アデル(Adele)が、過去50年を超える「英国音楽のシンフォニー」から外れると予測する方が難しいかもしれませんが、現時点では、オリンピック運営サイド及び本人・レーベルサイドから正式な参加を示す発表はされていないようです。

その登場の国民的期待が寄せられる一方で、現在妊娠中であることを先月自らのブログで発表しているアデルが、「Rumor has it…」、妊娠7ヶ月であるとのルーモアがあり、9月の出産を控え安静にしているとの一部報道もされているようです(»英文記事)。

英『Xファクター』シーズン3覇者レオナ・ルイス(Leona Lewis)とアデル奇跡のコラボでロンドンオリンピックが開幕することが確認された(confirmed)と英各紙で英国時間先月10日報じられたものの(»英文記事)、その後、レオナ・ルイス自身が5万人のファンに「残念ながら、報道は真実ではありません」と述べた他、英誌『Daily Star』にて「アデルと一緒であるかは関係なく、私はパフォーマンスをする予定はありません。」と明かしていることが報じられています(勿論同発言がレオナ・ルイスの登場の可能性をゼロとするものではないかもしれません)。

(記事)”Leona Lewis Denies Adele Duet At Olympic Closing Ceremony” on Giant Digital

ワン・ディレクションがクロージングセレモニーをキックオフ?
One Direction To Perform At London 2012 Olympics Closing Ceremony?

ワン・ディレクション日本公式サイト

また今年世界中で社会現象とも言えるセンセーションを巻き起こしている英『Xファクター』出身ボーイズ・グループ、ワン・ディレクション(One Direction)がクロージングセレモニーをそのシグネチャー・ソング「What Makes You Beautiful」でキックオフすると一部英誌で報じられていますが、アデル、ワン・ディレクション共に現在世界中で話題を呼んでいるアーティストだけに、最大のトップ・シークレット情報として、正式な発表は行われていないようです。

とはいえかなりの高い確率で出演が予想されるワン・ディレクション、閉会式直前の来月8月8日に日本デビューを控えているという(とんでもない)事実もあり、もしワン・ディレクションが閉会式をキックオフしたら、日本でも大変なことになってしまうかもしれません。

(記事)”One Direction will kick off the 2012 Olympics closing ceremonies” on Celebrity Cafe
(記事)”Olympics 2012: One Direction, Adele slated for closing ceremony” on Examiner.com
(記事)”One Direction To Perform At London 2012 Olympics Closing Ceremony?” on Global Radio

スパイス・ガールズの出演、鍵はヴィクトリア・ベッカム
Spice Girls attempt to persuade ‘reluctant’ Victoria Beckham to perform with them at Olympics closing ceremony

Mail Online

クロージングセレモニーの登場への注目を集めているのは、ボーイズ・グループだけではありません。間違いなく英国の洋楽史を代表するであろう英5人組ガールズ・グループ、スパイス・ガールズ(Spice Girls)が再び集結し、クロージングセレモニーを飾ることが強く期待されています。

しかしそれは、それに反対しているヴィクトリア・ベッカム(Victoria Beckham)への説得をメンバーができるかにかかっているようです。ヴィクトリア・ベッカムを除く全てのメンバーが参加を希望していますが、ヴィクトリア・ベッカムがそれに対して距離を置いていることが英誌『Mail Online』の独占記事にて先月報じられています。

さりげなくヴィクトリア・ベッカムが一人グループにとけこんでいない写真が掲載されている同誌では「頼む、説得してくれ!」と記事タイトルで懇願、当日のクロージングセレモニーで果たして彼女たちは現れるのか、(反則的にヴィクトリア・ベッカムなしに登場したら何だか切なくなるが…)要注目となりそうです。

(記事)”Please, Posh! Spice Girls attempt to persuade ‘reluctant’ Victoria Beckham to perform with them at Olympics closing ceremony” on Mail Online

また一部報道によると、英ロック・バンド、ピンク・フロイド(Pink Floyd)がクロージングセレモニーにて結集する可能性があることが報じられています(»英文記事)。

いずれもトップ・シークレットで進行が進められているため、当日初めて知るという展開となりそうですが、しかし既にアーティストサイドがツイッターや番組コメント等で出演を発表しているアーティストもいるようです。

(confirmed)ポール・マッカートニー
Sir Paul McCartney to perform at Olympics Opening and Closing Ceremony

「London 2012 Olympics: Sir Paul McCartney confirms he will perform at opening ceremony at Games」on Telegraph

先月開催された英エリザベス女王の即位60周年音楽コンサート「Queen’s Diamond Jubilee Concert 2012」(クイーンズ・ダイヤモンド・ジュビリー・コンサート2012)でもそのライブ・パフォーマンスを披露した英音楽界のレジェンド、元ビートルズ(The Beatles)の英ポール・マッカートニー(Sir Paul McCartney)が英全国ラジオチャンネル「BBC Radio 5 Live」にてオープニングセレモニーに「I’ve been booked」と発言、またクロージングセレモニーにも登場する予定であると発言していることが報じられています。

(記事)”London 2012 Olympics: Sir Paul McCartney confirms he will perform at opening ceremony at Games” on Telegraph

(confirmed)ブラー
Blur to perform at Olympics Closing Ceremony Celebration Concert in Hyde Park

また英ロックバンド、ブラー(Blur)が自身のツイッターにて、クロージングセレモニーの会場である五輪スタジアムとは別の場所、ロンドンのハイド・パーク(Hyde Park)にて同日開催されるクロージングセレモニー・コンサート(Olympics Closing Ceremony Celebration Concert in Hyde Park)でヘッドライナーを務めることをツイートしています。

(記事)”BRITs winners Blur to headline Olympics Closing Ceremony concert” on 110% pop

(confirmed)テイク・ザット、ザ・フー、ジョージ・マイケル
Take That, Emeli Sandé, The Who, George Michael to perform at Olympics Closing Ceremony Celebration Concert in Hyde Park

ジョージ・マイケル(George Michael)英公式サイト

さらに、英ポップ・グループ、テイク・ザット(Take That )、英新星エミリー・サンデー(Emeli Sandé)、英ロックバンド、ザ・フー(The Who)、ジョージ・マイケル(George Michael)がクロージングセレモニーに登場することが、「confirmed」情報として英「Daily Mirror」にて報じられています。

(記事)”Who’s who of pop for Olympic Games closing ceremony… including Take That, George Michael and The Who ” on Daily Mirror
(記事)”Take That Confirmed For Olympics Closing Ceremony” on 英MTV
(参考)”The Who, Take That and George Michael to perform at Olympics closing ceremony ” on NME

(confirmed)コールドプレイ
Coldplay to perform at the London 2012 Paralympic Games Closing Ceremony

また、英ロックバンド、コールドプレイ(Coldplay)が9月9日五輪スタジアムで開催されるパラリンピック・クロージングセレモニーで演奏することがロンドンオリンピック組織委員会会長セバスチャン・コー(Sebastian Coe)により発表されています。

(記事)”London 2012 Paralympic Games tickets now on sale” on Official site of the London 2012 Olympic and Paralympic Games

一方、出演しないことが「confirmed」されているアーティストもいるようです。

(confirmed)ロビー・ウィリアムズ、妻の出産のため辞退
Robbie Williams pulls out of Olympic closing ceremony as his wife’s due to give birth

Mirror

ロビー・ウィリアムズ(Robbie Williams)が妻の出産のため、参加を辞退している他、英パンク・ロックバンド、セックス・ピストルズ(Sex Pistols)が要請を辞退。セックス・ピストルズの参加辞退については、理念の問題よりも、セレモニーでのパフォーマンス自体に関しては(£1を除いて)ギャラがでないことによるものではないかと推測する報道もされているようです。

(記事)”Robbie Williams pulls out of Olympic closing ceremony as his wife’s due to give birth ” on Mirror
(記事)”London 2012 Olympics: Sex Pistols decline invitation to play closing ceremony ” on Telegraph

セレモニーの演奏はロンドン交響楽団に
London Symphony Orchestra

世界を代表するアーティストが集結している歴史的音楽大国だけに様々な憶測が飛び交っていますが、こうしたセレモニーのパフォーマンスの演奏は、世界に誇るロンドン交響楽団(London Symphony Orchestra)が行うことが報じられています(»英文記事)。

事前収録の可能性?
Bands’ music at opening and closing ceremonies will be pre-recorded

一方で今年4月時点の一部報道によると、英バンドらにより披露される楽曲の一部のヴォーカル等が事前収録されたものが使用される可能性があることが報じられ、「恥だ」と大きな批判を呼んでいるようです(»英文記事)。ドーム型の音響の問題等”complexities”を理由としているようですが、しかし英国の威信を懸けた「英国音楽のシンフォニー」が、バッググラウンド演奏の「シンフォニー」になることはさすがにないといえるかもしれません。

果たしてどんなセレモニーになるのか、“英国音楽界の集大成”の「壮大な英国音楽のマッシュアップ」だけにこれまでにないものを目撃することになるかもしれないと話題を呼ぶところですが、オリンピック開幕まであとわずか、その日のために4年間、そして人生を懸けて闘っている世界の選手たちが最高の力を発揮できるよう心より応援しております。

※同記事掲載情報は英誌で報じられた情報をまとめたものです。オリンピック委員会サイドからの正式な発表に基づくものでない情報が含まれており、そのため「confirmed」情報でも実際とは異なる場合もあります。

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