2011年最もヒットした曲・アーティストを米ビルボード誌が発表！アデルが歴史を塗り替える

Billboard's Year in Music Issue / THE YEAR OF ADELE. THE YEAR IN MUSIC.

米ビルボード誌の歴史の中で今年、一人の女性アーティストが未だかつてない新記録を樹立しました。

米国時間12月9日、今年の洋楽の1年を締め括る米ビルボード誌の年間チャート・ブック「Billboard’s Year in Music Issue / THE YEAR OF ADELE. THE YEAR IN MUSIC.」において、昨年12月4日から今年11月26日付までのチャートを集計しまとめた2011年最も活躍したアーティスト「2011 Top Artists」、年間総合アルバムランキング「2011 Billboard 200 Album」、年間総合シングル曲ランキング「2011 Hot 100 song」を発表、その主要3部門全てで、今年2月にリリースした2ndアルバム『21』で世界的メガ大ヒットを記録した現在23歳の英歌姫アデル（Adele）がNo1を獲得しました。

「Billboard 200 Album」や「Hot 100 song」他ストリーミング、ソーシャル、着メロ部門他ツアー興行収入などビルボードでの記録を総合した米ビルボード年間総合アーティスト・チャート「トップ・アーティスト」（Top Artists）の歴史が始まったのは1981年、その30年という記念すべき今年、年間「トップ・アーティスト」「Billboard 200 Album」「Hot 100 song」の主要3部門において史上初めて女性アーティストが3冠を達成し、米ビルボードの歴史を塗り替えました。

30年の歴史の中で、これまでに3冠達成を記録したのはわずか4年しかありません。2004年にアッシャー（Usher）が4thアルバム『Confessions』及びそのリードシングル曲「Yeah!」（ft.リル・ジョン、リュダクリス）で、そして2003年に50セント（50 Cent）がデビュー・アルバム『Get Rich or Die Tryin’』とそのリード・シングル曲「In da Club」で、また1994年には現在まで唯一の3冠達成グループとなっているエイス・オブ・ベイス（Ace of Base）がそのデビュー・アルバム『Happy Nation / The Sign』とそのシングル曲「Happy Nation / The Sign」で、そして1988年にジョージ・マイケル（George Michael）が1stソロアルバム『Faith』とその2ndシングルでアルバムタイトル曲で3冠を達成しました。

今年アデルが初の女性アーティストとして3冠を達成するまで、女性アーティストが「Billboard 200 Album」と「Hot 100 song」で2冠を達成していたのはホイットニー・ヒューストン（Whitney Houston）たった一人でした。映画『ボディ・ガード』のサントラアルバムとその主題歌「I Will Always Love You」です。

しかし、女性アーティストの活躍が影を潜めているというわけでも、また今年突然現れたというわけでも決してありません。実はここ3年連続、年間総合アーティスト・チャート「トップ・アーティスト」で女性アーティストがその栄誉を手にしています。2010年にはレディー・ガガ（Lady Gaga）が、2009年にはテイラー・スウィフト（Taylor Swift）がその栄冠を持ち帰りました。

そして今年の「トップ・アーティスト」のチャートをみると、第2位にリアーナ（Rihanna）、第3位にケイティ・ペリー（Katy Perry）、第4位にレディー・ガガと、第5位にリル・ウェイン（Lil’ Wayne）がランクインするまで、トップ4全てが女性アーティストで占めています。

そういった女性アーティストの多大なる活躍は最近のグラミー賞受賞をはじめ、主要音楽祭でも顕著といえます。来年のグラミー賞の前哨戦となる先月開催の「第39回アメリカン・ミュージック・アウォーズ2011」（2011 American Music Awards）でももはや「ガールズ・ナイト」と喩えられるほど、ほぼ女性アーティストの受賞で幕を閉じています。もちろんテイラー・スウィフトと並び最多3部門の栄誉に輝いたアデルもその一人でした。

2011 American Music Awards on ABC

大ヒットアルバム『19』に続くアデルの通算2枚目となる『21』では、リリースからわずか11ヶ月と経たぬうちに、全米でおよそ480万枚、そして全世界ではおよそ1300万枚という驚異的な売り上げをみせ、「Billboard 200 Album」で通算13週ナンバー1を記録。そのシグネチャー・ナンバー「Rolling in the Deep」は「Hot 100 song」で7週連続ナンバー1、「Someone Like You」は5週連続でナンバー1を記録し、「Rolling in the Deep」は2011年年間総合シングル曲ランキング「2011 Hot 100 song」で第1位を記録しました（「Someone Like You」は第24位）。

「Billboard 200 Album」での通算13週ナンバー1の記録は、1998年に映画『タイタニック』のサウンドトラックアルバムが樹立した16週ナンバー1の記録以来初めての記録となりました。

魂を抉るような歌声で情感深く訴えかけるエモーショナルな曲で男女問わず世界中の様々な人々を魅了するアデル、現在声帯の手術が無事成功したものの療養中のためメディアでその声を聞くことはできませんが、ビルボードのメールインタビューでは、その複雑な心境を明かしています。

本音を言うと、こうした全てのことを分かち合える人が今いなくて、時々惨めな気持ちになってしまうの。
また誰かを愛して、そしてその人に愛されること以上に望むものはないわ。
…2009年からずっと誰かを好きになる心の準備ができていなくて…、でも今は違うわ。

しかし彼女の「惨めになってしまう気持ち」が世界中の人に涙を誘う名曲を生み出したこともまた事実であることを否定することは難しいかもしれません。

「アデルの年」（THE YEAR OF ADELE）の文字と共に、まさに2011年の顔として、米ビルボード誌の年間チャート・ブックのカバーを飾ったアデル、愛し愛される人と出会い、また素晴らしい歌声が聞ける日が来ることを心から楽しみにしています。

2011年米ビルボード年間チャート「トップ・アーティスト」

2011年米ビルボード年間総合アルバムランキング「Billboard 200 Album」

2011年米ビルボード年間総合アルバムランキング「Hot 100 song」

2011年米ビルボード年間R&B/ヒップホップ・ヒットシングル曲～トップ100

2011年米ビルボード年間R&B/ヒップホップ・ヒットアルバム～トップ100

2011年米ビルボード年間カントリー・ヒットシングル曲～トップ100

2011年米ビルボード年間カントリー・ヒットアルバム～トップ100

2011年米ビルボード年間ロック・ヒットシングル曲～トップ100

2011年米ビルボード年間ロック・ヒットアルバム～トップ100

2011年米ビルボード年間ポップ・ヒットシングル曲～トップ100

2011年米ビルボード年間チャート

（記事）”The Best of 2011: The Year In Music” on Billboard
（記事）”The Year in Pop: Adele Makes History” on Billboard
（記事）”’21’ And Up: The Year of Adele Cover Story” on Billboard
（記事）”Adele ‘Artist of the Year’ Q&A: ‘My Career Isn’t My Life’” on Billboard
（記事）”Adele Says Surgery Was Successful, She No Longer Feels ‘Miserable’” on PopCrush