アメリカズ・ゴット・タレント2017優勝者、12歳歌う天才腹話術少女ダーシ・リン歓喜の涙、10歳アンジェリカ・ヘイル涙のハグ


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12歳少女 vs 10歳少女

世界最高峰エンターテインメントの国、アメリカ。その全米の心を奪い、感動と熱狂で包んだ2017年の頂点へ。桁違いの賞金約1億1240万円($1 million)と11月ラスベガス・ショーのヘッドライナーの権利を手にするのは。

およそ半年にわたる熾烈な戦いを経て、今週火曜日(現地時間9月19日)、米NBC『America’s Got Talent』(アメリカズ・ゴット・タレント)シーズン12のファイナルが、米ハリウッドのドルビー・シアターにてライブ中継で開催され、迎えた翌日の結果発表。全米約5200万の投票の末、メル・Bの「ゴールデン・ブザー」(Golden Buzzer)獲得以来、終始圧倒的人気で全米を沸かせてきた12歳「歌う天才腹話術少女」ダーシ・リン(Darci Lynne Farmer)がその頂点に輝きました。

2時間の豪華ライブショーのクライマックスに、ステージには、10組のファイナリストから残された2人。審査員を巻き込んで全米を笑いで包み、巧みな話術、キュートなパペットの歌声でエンターテインメントの総合力で魅せた12歳ダーシ・リンと、圧巻の歌唱力で魅せた10歳アンジェリカ・ヘイル(Angelica Hale)。運命の瞬間を目前に、お友だちのウサギちゃんペッテュニアを抱いて涙ながら司会者を見つめるダーシ、全力で目を覆うアンジェリカ、そして、ここぞとじらすタイタイ。

ダーシ・リン!!」、その発表とともに歓喜のあまり泣き崩れるダーシにアンジェリカは、号泣のまま両腕を広げ、ダーシのもとへ、力強く抱きしめます。全米を魅了した、たった12歳と10歳の少女たち。そして祝福の火花散る感動的なステージに駆け寄る2人の青年たちが、二人を引き離します。「え、誰?誰?」と司会者タイラ・バンクス(Tyra Banks)。「ダーシのお兄ちゃんだぜ!」

皆駆け寄り盛大に祝うなか、肩を震わせ拍手を送りながら隅に一人歩いていくアンジェリカ。そうしたなか辛口審査員サイモン・コーウェル(Simon Cowell)はアンジェリカのもとへ、何かを伝えるように声をかけます。

第1位 ダーシ・リン

ファイナルでは歌姫のウサギ、ペッテュニア(Petunia)とメルBに恋するネズミ、オスカー(Oscar)と共に登場したダーシ・リン。リハーサルだと思っていたオスカーが全米1600万人の視聴者を前に失神。どっちが歌うかで少々モメた後、デュオ”サイモンとメルB”のように”仲良く”、ザ・ビートルズ(The Beatles)「With A Little Help From My Friends」を相異なる歌声で披露し、会場を驚きと笑いで盛り上げます。

前年覇者(グレース・ヴァンダーウォール、Grace Vanderwaal)に続き、12歳の少女が優勝となった。予備オーディションではメル・Bから見事「ゴールデン・ブザー」。特権が強化されたシーズン10以降、今年も含めその優勝者は全て「ゴールデン・ブザー」獲得者となった。

登場以来、全米を魅了してきたダーシ・リン。ファイナルのパフォーマンス後、サイモンは「今夜再び私はスター誕生の目撃者となったよ。それがまさに君になんだ。特別で、素晴らしく、面白く、才能に満ちている。私は君が勝つと思うよ」。サイモンの予言通り圧巻の勝利を飾り、腹話術師としてはシーズン2のシンガー/腹話術師Terry Fator、シーズン10のコメディアン/腹話術師Paul Zerdinに次いで3人目。リザルト・ライブではTerry Fatorとのデュエットで沸かせます。優勝翌日のETのインタビューでオスカーは「とっても嬉しいよ、お金が入ってくるからね」。日本円にして1億円を超える賞金を手にしたダーシは、その使い道について、「まずは教会に寄付したいわ」、「そしてママに食器洗い機をプレゼントしたいの」、「あとパグがとってもほしいわ」。

第2位 アンジェリカ・ヘイル

一方、アリシア・キーズ(Alicia Keys)「Girl On Fire」を当時9歳とは思えない歌唱力と力強い歌声で全米を圧倒し、審査員クリス・ハードウィック(Chris Hardwick)から「ゴールデン・ブザー」を獲得したアンジェリカ・ヘイル。ファイナルではクリーン・バンディット(Clean Bandit)ザラ・ラーソン(Zara Larsson)「Symphony」MV)を持ち前の壮大な歌声に加え、繊細な表現力で魅せます。

惜しくも準優勝となったものの、アンジェリカは自身のインスタグラムで「喜びの涙よ!!おめでとう、ダーシ❤️」。2010年の同シーズン5準優勝者、当時10歳ジャッキー・エヴァンコ(Jackie Evancho)はその後メジャー・デビューを果たし、現在もその美しい歌声で活躍を続けます。

ファイナリスト

第3位となったのは、光とダンスのエレクトロニック・ダンス・グループLight Balance

聴力を失いながらも夢を追い続けた米ジャズ/ポップ歌手29歳マンディ・ハーヴェイ(Mandy Harvey)は自身のオリジナル曲「This Time」で第4位。リザルト・ライブでは来週金曜日に15年ぶりの最新アルバム『Now』をリリースするシャナイア・トゥエイン(Shania Twain)が登場し、マンディ・ハーヴェイとヒット曲「You’re Still The One」を披露(パフォーマンス動画)した他、最新アルバムのリード・シングル曲「Life’s About To Get Good」で会場を盛り上げます。

凄技ワンコのサラ&ヒーロー(Sara and Hero)第5位。予備オーディション(Preliminary auditions)では審査員ホーウィー・マンデル(Howie Mandel)と審査員メル・B(Mel B)から落選判定を受けながらも、サイモンの”懇願”により予備オーディションを何とか通過。終わってみれば、「ゴールデン・ブザー」を獲得していない唯一のトップ5ファイナリストとなり、お茶の間のワンコ力を見抜いていたサイモンの嗅覚と、回を重ねるごとに成長していく魅力が光ります。

116人を乗せた飛行機事故で生き残ったたった2人の1人、ソウルフルな歌声でエド・シーラン(Ed Sheeran)の「Thinking Out Loud」を披露しスタンディングオベーションに包んだ28歳ケチ(Kechi Okwuchi)。米FOXドラマ『Empire 成功の代償』(原題:Empire)の楽曲で、立ちはだかる障害を乗り越えていく姿を歌ったエステル(Estelle)らの「Conqueror」をファイナルで力強く披露し、第6位パフォーマンス動画)。リザルト・ライブでは、ケリー・クラークソン(Kelly Clarkson)とアンジェリカ・ヘイルとともに「Stronger (What Doesn’t Kill You)」を披露し、豪華ライブ・パフォーマンスをキックオフ。ケリー・クラークソンは自身の最新曲「Love So Soft」でコスチャっ(YouTube動画)!

コメディアンPreacher Lawsonが第7位(YouTube動画)、圧巻のアクロバット・パォーマンスで魅了したダンス・グループDiavoloは第8位。

ファイナリスト唯一の男性シンガー・ソングライター21歳Chase Goehringは第10位、10組中5人が歌手のパフォーマンスとなり、票が分散したとの見解も寄せられます。

この素晴らしき世界

末期ガンの父を励ますために歌ってきた14歳少女エヴィ・クレア(Evie Clair)、しかしファイナル進出決定直後にその父が他界(記事『切なく響く涙の歌声14歳少女エヴィ・クレア「Yours」、AGT決勝進出も末期ガン父亡くなる』)。欠場の可能性が報じられるも、ファイナルに出場し第9位。歌った曲は、「パパが大好きな歌だったの」と明かすルイ・アームストロング(Louis Armstrong)「What A Wonderful World」(この素晴らしき世界)。パフォーマンス後、審査員ホーウィーは「若い子にこんなにも強い心、信じられないよ。君にとって辛い時だと思う。全ての人が経験する辛い時期、それを乗り越えさせるものは、そのトンネルの最後に見える希望であったり、その光への祈り。そして君の歌声、君の歌、今日君がここにいること、それこそがトンネルの最後に見える光なんだ」。

エヴィ・クレアの曲を歌ったジェイムス・アーサーは、自身のツイッターで「エヴィ、君の歌は僕の新しいお気に入りの曲になったよ」。同曲はエヴィ・クレアがその妹Kirraの助けを借りて書いたと明かす。

リザルト・ライブでは、ジェイムス・アーサー(James Arthur)を迎え、エヴィ・クレアは自身のオリジナル曲「Okay Day」をジェイムス・アーサーとコラボで披露。「誰もが知ってるわ/雨のあとに、虹は架かるって/Hey! きっと大丈夫っ/Hey、hey、大丈夫っ、今日はきっといい日になるよ」。

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