AGT2021 レア・カイル、ケイティ・ペリーの曲で早着替えマジック&ゴールデンブザー


2560 1440 VOICE Editor

稀有な才能、驚きの神業、手に汗握る曲芸。笑いを呼ぶアクトから感動のアクトまで、今年も全米を沸かせているNBC才能オーディション番組『アメリカズ・ゴット・タレント』(原題:America’s Got Talent)シーズン16。今日その第5週を迎え、フランス出身の25歳早着替えアーティスト、レア・カイル(Léa Kyle)が目を奪う鮮やかな早着替えマジックで、ゴールデンブザーを獲得した。

事前収録でレア・カイルは「ファッションがずっと大好きで、ハイディ・クルムに会えることにとても興奮しています。彼女はファッション界のクイーンだからです」と胸を高鳴らせる。「私はビューティシャンでした。私の夢ではなく、生活のためでした。8年前に恋人フロイアン(Florian Sainvet)と出会いました。先シーズン、彼はAGTに出場しました」。フランス出身のマジシャン、フロイアン・サンヴェ(Florian Sainvet)はAGTシーズン15に出場し、ジャッジ・カットで敗退となった(YouTube)。

「ある日彼から一緒にマジックをしないかと誘われ、それが私の初ステージでした」、「ひどくシャイな私には厳しい挑戦でした。とても緊張しましたが、観客の皆さんを見て心打たれました。私の二つの情熱を融合しようと決めました。パフォーマンスとファッションです。生地を買い衣装を作るだけのお金を貯めました」。「フロイアンは私の一番のサポーターです」、「今もひどく緊張していますが、チャンスを掴む時。心の準備はできています」。

ステージに登場したレアは憧れのハイディ・クルム(Heidi Klum)の質問に「フランスから来ました」、「ボルドーです。ワインの街よ」と顔を綻ばせる。出場理由を聞かれレアは「AGTが私の人生を変えてくれることを願っています」、「人生の夢は、ラスヴェガスで自分のショーを持つことです」。「あなたにとってこのステージの意味は?」と聞かれ、「私の全てです」とレア、「いや、あの、ごめんなさい。英語が話せなくって」。「全然大丈夫だよ、ちゃんと通じたよ」と、すかさずフォローを入れる審査員ホーウィー・マンデル(Howie Mandel)。

ハイディは「すごく楽しみだわ。ゴージャスなドレスもたくさんあって。幸運を祈っているわ」。はにかむ笑顔をみせていたレア・カイルは音楽が始まると一転。ケイティ・ペリー(Katy Perry)「Swish Swish」Apple Music, Spotify)に乗せ、自らデザインしたドレスで、瞬きよりも高速の早着替えを披露した。

ゴールデンブザーのBGMでは、クランベリーズ(The Cranberries)の「Dreams」(’92)をカバーし2019年にリリースされたヘイリー・ラインハート(Haley Reinhart)の「Dreams」(Apple Music, Spoyify, Amazon)が使用されている。

ケイティ・ペリーのパワフルな「Part of Me」Apple Music, Spotify)でさらにギアを上げ、ドレスを瞬間移動させ早着替えするレアに、言葉を失う審査員サイモン・コーウェル(Simon Cowell)。審査員全員がスタンディング・オベーションで讃え、胸を打たれるレアは「本当にありがとうございます」。ハイディ・クルムは「ホーウィー、私の隣ですごく興奮していたわね!」

ホーウィー・マンデルは「ああ、だって我々はこの番組で早着替えを見てきたが、こんなのは見たことがない」。「本当だよ、衣装がハンガーから君に飛んでいくなんて魔法だ。それに君の実演は美しいものだった」。「何も変えないでいい。あ、いや、着替え続けてくれ」。そして審査員ソフィア・ベルガラ(Sofia Vergara)は「衝撃を受けたわ。あなたは生き生きと披露し、美しいものだったわ」。サイモン・コーウェルは「普通こういうアクトでは二人いて音楽もひどいものなんだが、しかしこれは本当に最高だった。君には素晴らしい演出手腕がある」、「世界一流のものだった」。

そしてハイディ・クルムは「私もすごく気に入ったわ。リアルな魔法よ。実に素晴らしく完璧だったわ。ご存知のように私はファッションが大好き。この番組であなたほどすごい人は誰一人いなかった」、「だからライブショーまで一気に行くべきだと思うんだけど、どうかしら?」、「ね?」ハイディは両手を上げ、レギュラー審査員最後のゴールデンブザーを叩いた。

紙吹雪のなか手で顔を覆い涙を流すレア・カイルに、先シーズン色々あったハイディ・クルムは舞台に上がりソーシャル・ディスタンスで祝った。レアは「本当に信じられません。本当にクレイジーです」。

これまでに第1週では、医療現場の最前線で尽力する看護師らからなるニューヨークの合唱団Northwell Health Nurse Choirがビル・ウィザース(Bill Withers)の名曲「Lean On Me」とベン・E・キング(Ben E. King)の名曲「Stand by Me」を美しいハーモニーで披露。ホーウィー・マンデルからゴールデンブザーを獲得した。

また第2週には、ハイオ州ゼインズビル出身の30歳ナイトバード(Nightbirde)が、昨年の人生を書き綴ったというオリジナル曲「Its OK」を披露。肺、肝臓、リンパ、肋骨、脊髄に複数のがんが見つかり、2019年の大晦日に余命6ヶ月の宣告を受けた彼女が闘病の中で見出した希望の曲。審査員全員のスタンディング・オベーションが送られ、「今シーズン、最も本物のシンガー」とホーウィー・マンデル。

ソフィア・ベルガラは「心に触れたわ」と感嘆、ハイディ・クルムはその歌声の美しさに魅了された。そして「君の歌声は圧巻だった」とサイモン・コーウェル、今シーズンは素晴らしいシンガーが多く「イエスはあげられないが」、「他のものを送ろう」とゴールデンブザーを叩いた(記事)。彼女の歌は大きな反響を呼び、米iTunesの総合売上チャートで首位を記録したほか、国境を越えて世界を感動で包んだ。

そして第3週は、韓国ソウルに本部を構えるワールドテコンドーWorld Taekwondo、旧:世界テコンドー連盟)のデモンストレーション・チームがゴールデンブザーを獲得した。新型コロナウイルスのパンデミックを受けて、東京五輪でのデモンストレーションを辞退し、AGTに出場したという。代表者は「実は(東京)オリンピックでパフォーマンスの招待を受けたのですが、残念なことに私たちは新型コロナウイルスの影響でできません」。サイモンは「じゃあオリンピックではなくて我々を選んだのかい」、チームは「その通りです」。

2分間の演技でワールドテコンドーのデモンストレーション・チームは、空中回転蹴りや空中六段蹴りなど、アクロバティックな跳び蹴りを披露。女性陣の一糸乱れぬ迫力の型と男性陣のダイナミックでスリリングな板割りで劇場を沸かせ、多彩なテコンドー演武の最後に「平和は勝利よりも尊い」と書かれた幕を掲げた。

「こんなのは人生で見たことがない」とテリー・クルーズは、「ワールドテコンドー。それは勝ち負けじゃない。勇敢さであり、自信。そしてリスペクトだ」、「私はリスペクトする、かつて見たことのない君たちの今日の演武を」、「君たちは五輪に行けず金メダルもないが、私が金色のものを送ろう」とゴールデンブザーを送った。

第4週は、米オレゴン州ポートランドの30歳シンガー、ジミー・ハーロッド(Jimmie Herrod)がトニー賞7部門受賞の傑作ブロードウェイ・ミュージカル『アニー』より「Tomorrow」(’77、邦題:トゥモロー)を披露。パフォーマンス前、サイモン・コーウェルから「私が世界で最悪の歌だと思っている歌だ」、「それを歌うのか。別の曲にしてくれないか」と言われたが、「Tomorrow」を歌った。サイモンから選曲を酷評され、敗退となったシンガーもいるなか、サイモン・コーウェルの険しい表情は驚嘆と笑顔に変わり、スタンディング・オベーションを送った。「信じられない、本当に信じられない」とサイモン。そしてソフィア・ベルガラは「最高に気に入ったわ!!」とゴールデンブザーを送った。

審査員・司会がそれぞれ1回だけ行使できるゴールデンブザーを獲得したアクトは、ジャッジ・カットを通過し、準々決勝の舞台となるライブ・ショーに直接送り込まれる。ゴールデンブザーの特権が強化された2015年(シーズン10)以降、2018年優勝者のマジシャン、シン・リム(Shin Lim)を除く優勝者は全てゴールデンブザー獲得者で、昨年もゴールデンブザー獲得者が優勝を果たした。

次週は日本時間2021年7月7日に放送を予定している。

関連記事

新着記事

洋楽最新情報をフォロー