AGT2021 ナイトバード、オリジナル曲「Its OK」サイモン・コーウェルからゴールデンブザー


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全米を沸かす夏の熱戦。NBC才能オーディション番組『アメリカズ・ゴット・タレント』(原題:America’s Got Talent)シーズン16がついに先週開幕。その第2週が今日放送され(現地時間2021年6月8日)、オハイオ州ゼインズビル出身の30歳ナイトバード(Nightbirde)がオリジナル曲「Its OK」を歌い、製作総指揮/審査員サイモン・コーウェル(Simon Cowell)からゴールデンブザーを獲得した。

この日最後に登場したナイトバードは、「ここに来られて本当に幸せです」、「私の名前はジェインです。ステージネームはナイトバードです」。審査員ホーウィー・マンデル(Howie Mandel)が「歌手が仕事なのかい?」と尋ねると、「最近は違いますが…」。「今夜は何を歌うのかい?」と聞かれナイトバードは「”Its OK”というオリジナル曲を歌います」、「”Its OK”は昨年の私の人生を歌った曲です」。AGTでオリジナル曲は”リスクのある選択”とされてきた。

「誰と来たのかい?」と聞かれ、「一人でここに来ました」とナイトバード。「問題ないよ!(It’s okay!)」と繰り返すホーウィー。「どんな仕事をしているのかい?」、ナイトバードは「何年もがんの闘病で仕事をしていません」。サイモン・コーウェルから現在の健康状態を聞かれ、「前回の検査では肺と脊髄、肝臓にがんが広がっていました」。ホーウィーは「じゃあ、大丈夫じゃないんだね?」、ナイトバードは「全く大丈夫、というわけではありません」。ホーウィーは「君は素晴らしい笑顔で輝きがあって、誰も気づかないよ」。「ありがとうございます」とナイトバード、「闘っている辛いことだけじゃない私を知ってもらえることは大切なことです」。

ステージにマイクがセットされ、羽を広げる仕草をするナイトバード。医師から余命6ヶ月を宣告されたがんとの闘病生活を書き綴ったオリジナル曲「Its OK」を、透き通る美しい歌声で歌い始める。

(バース1)「夏の季節、私はカリフォルニアに引っ越した/名前を変えた、気持ちも変わると思って」、「私の全ての問題を置いてきたと思った/私はダイナマイト、それは時間の問題だった」、「ダメだわ、もう隠れられない/自分のことはわかってるって言ったけど、嘘だったみたい」

(コーラス)「大丈夫/大丈夫/大丈夫/大丈夫よ/もしもあなたが道を失っても/誰もがちょっとは道に迷うもの、大丈夫よ」、「大丈夫/大丈夫/大丈夫/大丈夫よ/もしもあなたが道を失っても/誰もがちょっとは道に迷うもの、大丈夫よ」、「大丈夫/大丈夫/大丈夫/大丈夫よ」

(バース2)「 100ページ書いて、全部燃やした/全部燃やした/黄色信号を駆け抜け続け、振り返らない」、「ダメだわ、もう隠れられない/自分の望みはわかってるって言ったけど、嘘だったみたい」

(コーラス)「大丈夫/大丈夫/大丈夫/大丈夫よ/もしもあなたが道を失っても/誰もがちょっとは道に迷うもの、大丈夫よ」、「大丈夫/大丈夫/大丈夫/大丈夫よ/もしもあなたが道を失っても/誰もがちょっとは道に迷うもの、大丈夫よ」、「Oh-oh-oh-oh、大丈夫よ/道を見失うことがあっても」

審査員全員がスタンディング・オベーションを送り、ホーウィー・マンデルは「シンガーのオーディションで私が思うのは、ホンモノかどうか。それを感じる時、感動させる。今シーズン、最もホンモノを聞いたように感じたよ」。そして審査員ソフィア・ベルガラ(Sofia Vergara)は、「驚くほど美しかったわ。パワフルで、心に触れるものだったわ。本当に素晴らしいわ」。続いて審査員ハイディ・クルム(Heidi Klum)は「あなたの歌声はとても美しいわ。全てが美しかったわ」。

そして最後にサイモン・コーウェルは「君の歌声は圧巻だった。実に見事だったよ」、「ホーウィーの真正に関する意見に全く同感だ」。「この歌にはあった、君が闘っていることをためらわず我々に話してくれて」、感情を揺さぶられる姿を見せる。ナイトバードは「人生が辛くなくなるまで、待つことはできません。幸せなる、そう心に決めるものです」と声を震わす。昨年8月にE-バイクで転倒、背中の複数箇所を骨折し先シーズンを欠席したサイモン・コーウェル。粉砕寸前だったという背中のレントゲン写真を見て、もう歩けないかもしれないと思ったという当時の記憶とリハビリ生活が蘇る。「そうだな…」、「でもだ、今年は素晴らしいシンガーたちを見てきた。イエスをあげることはできない」とサイモン。「他のものを送ろう」とゴールデンブザーを叩いた。

黄金の吹雪に舞台で泣き崩れるナイトバードにサイモンは歩み寄りハグで祝福。「よくやったな、よくやったな」と肩を叩く。

ポップ・シンガーソングライターのナイトバード(Nightbirde)、本名ジェイン・マルチェフスキ(Jane Marczewski)は2019年の大晦日、初めてがん宣告を受けた。闘病生活を綴る自身のブログで彼女は2020年11月の記事「Bald Girl in the Dark」で次のように語る。「大晦日の日、末期がんの宣告を受けました。私の肺、肝臓、リンパ、肋骨、脊髄に複数のがんが見つかりました。頭を抱えながらリビングルームの床で、その検査結果を読んでいました。余命6ヶ月、生存率は2%でした」。過酷な闘病の末、奇跡的にも2020年7月に一度寛解したが、再発を繰り返した。

2021年3月の記事「God is on the Bathroom Floor」で彼女は「3度のがんを経験しました、何とか30歳になりました」と書き綴る。「医師から余命宣告を受けた後、結婚した夫からもう私を愛していないと言われ、そして私はカリフォルニアで奇跡を追い、それから16週間後。がんが消えました。でも私の頭の中がいっぱいになり、何かが壊れました」。余命宣告の闘病生活、そして離婚。精神が崩壊し、数ヶ月の間食べることも、話すことも、ベッドから起き上がることもできなくなったという。「一度に悲劇が重なったため脳の損傷を引き起こし、私の脳が耐え難い痛みとパニックの擬似信号を送り続けていることが、後にわかりました」。彼女は現在も闘病を続けている。

2020年8月にリリースされたアップリフティングな希望の歌「Its OK」Apple Music, Spotify)は、余命6ヶ月のがん宣告後闘病の中で書いた歌で、「80年代のフレーバーをトッピングしたサマー・アンセム」だという。Geniusで同曲について彼女は「私の中でこの反抗的な希望を感じました。そして私は声にしました。”生き抜くのよ”と」、「自分で書いた曲です」、「私が聞かなきゃいけない歌」だったと振り返る。

同曲のライブ・バージョンとなるシングル「It’s OK (Live Maple House Sessions)」Apple Music, Spotify)が2021年2月にリリース。またこれまでに2019年3月にシングル「Girl in a Bubble」Apple Music, Spotify)、闘病以降では2020年11月にテイラー・スウィフトを彷彿とさせるアップビートなポップ・ソング「New Year’s Eve」Apple Music, Spotify)をリリースしている。

オーディション後、ホーウィー・マンデルは「オッケーってもんじゃなかったな。素晴らしかったよ。美しかった、美しかったよ」。そして「本当に刺さったよ」とサイモン・コーウェル。ハイディ・クルムは「心の琴線の全てに触れる感動よね」、サイモンは「それでいて、彼女はとても強い人だ」。ナイトバードはAGTの収録で次のように語っている。「生き残れる確率は2%だと言われました。でも2%はゼロじゃない」、「2%には意味があります。それがどんなに素晴らしいものか、知ってもらえたらと願っています」。劇場を飛び出すと彼女は夜空を仰ぎ、歓喜の声を上げた。

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