AGT2020 準々決勝第1週、準決勝進出の5組が発表


2560 1440 VOICE Editor

アメリカ国民が勝敗の命運を握るライブショーがついに開幕。NBC才能オーディション番組『アメリカズ・ゴット・タレント』(原題:America’s Got Talent)シーズン15、準々決勝(Quarterfinals)第1週が昨日(現地時間8月11日)開催され、新型コロナウイルスによる数々の困難を乗り越えて全44組中11組がロサンゼルスのユニバーサル・スタジオ・ハリウッドを舞台に準決勝進出をかけて戦った。

開催も危ぶまれた今年のAGTライブショー。オーディション・ラウンドの収録は新型コロナウイルスのパンデミック初期に行われ、審査員ハイディ・クルムが発熱で欠席。およそ3000人を埋める劇場パサデナ(Pasadena Civic Auditorium)は途中から無観客となり、そしてロックダウンによりオーディション・ラウンドの収録は中断された。それでも掲げたのは「The Show Must Go」(何が起ころうとも、やめるわけにはいかない)。オンラインでオーディションを続け、ジャッジ・カットは大幅にルールを変更し屋外のステージに移りリモートで行った。幸いにも他番組よりも準備する時間を持てたと語る制作陣。クリエイティビティと総力を結集し、ライブショーを実現させた。

準々決勝は4週で行われ、各週11組のうち、次のラウンドに進めるのはそれぞれ5組。新型コロナウイルスの影響によりこれまでと異なり、一部のアクトはリモートで行われ、外国で収録されているものもあり、観客はバーチャルで参加。ライブショー直前には製作総指揮/審査員サイモン・コーウェル(Simon Cowell)が背中の複数箇所を骨折するアクシデントもあったが、強力なピンチヒッター、ケリー・クラークソン(Kelly Clarkson)が急遽代役を引き受けた(記事)。「これを何年も待っていたのよ」とクラークソン、「サイモンは大好きよ、でもこの椅子ったら離れられなくなっちゃうわ。ゆっくりでいいのよ」。サイモン・コーウェルがいつ復帰できるかはまだわかっていない。

この日、準決勝進出をかけて挑んだのは、(登場順に)豚の芸Pork Chop Revue、12歳ウクレレ奏者フェング・E、歌手シャキーラ・マグラス、サルサのSimon and Maria、軟体ダンスのFrenchie Babyy、デンジャー・アクトのBello & Annaliese Nock、カナダの10歳ロベルタ・バッタリア、コメディアンMichael Yo、ペルー出身サンフランシスコ在住の双子デュオ、ダブル・ドラゴン、刀剣飲み込みのBrett Loudermilk、そして冤罪で37年服役し無罪が証明され釈放された黒人歌手アーチー・ウィリアムズ。父娘のBello & Annaliese Nockは、父がリハーサル中に怪我を負ったため、娘が一人で危険なパフォーマンスに挑んだ。台湾出身のフェング・Eは台湾のステージからリモートで沸かせた。

アメリカの投票を経て、今日その結果が発表された(現地時間8月12日)。アメリカの投票でトップ3が準決勝進出確定、第4位・第5位・第6位の枠に入ったアクトが番組の最初に発表され、生放送中の視聴者によるライブ投票(Dunkin’ Save)により1組が準決勝進出。その残り2組から審査員が投票で準決勝に送る競技者を決める。

スティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)の「Love’s In Need of Love Today」(’76)をソウルフルな歌声で歌った黒人歌手アーチー・ウィリアムズ(Archie Williams)が最初に準決勝進出を決め、炎の大車輪によるデンジャー・アクトのBello & Annaliese Nock、コメディアンMichael Yoが敗退となった。

続いて軟体ダンスのFrenchie Babyyと歌手シャキーラ・マグラスの結果発表。ラスカル・フラッツ(Rascal Flatts)のカバーで知られる「What Hurts The Most」(2006)をエモーショナルに歌い上げたシャキーラ・マグラス(Shaquira McGrath)が準決勝進出を決めた。発表を受けてシャキーラ・マグラスは「言葉にできないわ。アメリカが私の歌声を信じてくれて、本当に嬉しい気持ちです。皆さん、ありがとうございます」。

続いてソフィア・ベルガラのゴールデンブザーのロベルタ・バッタリア、Pork Chop Revue、サルサのコロンビア出身Simon and Mariaが呼ばれ、ローレン・デイグル(Lauren Daigle)の「You Say」(記事)を幻想的な舞台で美しく歌い上げたロベルタ・バッタリア(Roberta Battaglia)が準決勝進出を決めた。ロベルタは感極まり涙ながら「皆さん本当にありがとうございます。皆さんを愛しています。応援してくださって感謝の気持ちでいっぱいです」。

第4位から第6位の枠に入ったのは、デンジャーのBrett Loudermilk、ウクレレ奏者フェング・E、双子ダブル・ドラゴン。刀剣からボウガンの矢に変えソフィア・ベルガラを再び震撼させたBrett Loudermilkが準決勝進出を決めた。

残りの2組のうち、難しい決断を迫られた審査員ハイディ・クルム(Heidi Klum)はダブル・ドラゴン、審査員ケリー・クラークソンはフェング・E、審査員ソフィア・ベルガラ(Sofia Vergara)はダブル・ドラゴン、審査員ホーウィー・マンデル(Howie Mandel)はダブル・ドラゴンに投票。ジェシー・J(Jessie J)、アリアナ・グランデ(Ariana Grande)、ニッキー・ミナージュ(Nicki Minaj)の「Bang Bang」(2014)をパワフルにカバーし、DJ Snake、セレーナ・ゴメス(Selena Gomez)、Ozuna、カーディ・B(Cardi B)の「Taki Taki」(2018)とマッシュアップしたダブル・ドラゴン(Double Dragon)がジャッジ・チョイスで準決勝進出を決めた。

出場者アクト結果
アーチー・ウィリアムズ
Archie Williams (59)
「Love’s In Need of Love Today」
Stevie Wonder
トップ3通過
シャキーラ・マグラス
Shaquira McGrath (26)
「What Hurts The Most」
Rascal Flatts
トップ3通過
ロベルタ・バッタリア
Roberta Battaglia (10)
「You Say」
Lauren Daigle
トップ3通過
Brett Loudermilk (25)デンジャーDunkin’ Save
ダブル・ドラゴン
Double Dragon (31)
「Bang Bang」Jessie J & more
「Taki Taki」DJ Snake & more
審査員チョイス

リザルト回のライブ・パフォーマンスでは、AGT2014(シーズン9)でマジシャンとしてAGT史上初めて優勝を果たしたマット・フランコ(Mat Franco)がカード・マジックを披露。昨年センセーションを巻き起こし優勝した自閉症で盲目の歌手/ピアノ奏者コーディ・リー(Kodi Lee)がFINNEAS(Finneas O’Connell)の「Break My Heart Again」(2019年, MV)をピアノ弾き語りで感動に包み、審査員全員がスタンディングオベーションを送った。

次週(日本時間8月19日水曜・20日木曜)は、司会テリー・クルーズ(Terry Crews)からゴールデンブザーを獲得した合唱団Voices of our City Choirをはじめ、ドッグ・ショーの8歳Alexis & The Puppy Pals、インド出身のサルサBAD Salsa、歌手ボナベガ(BONAVEGA)、 カザフスタンの14歳ダネリヤ・トュレショヴァ(Daneliya Tuleshova)、デンジャーのJonathan Goodwin、20歳カントリー歌手キャメロン・ロス(Kameron Ross)、14歳歌手ケヴィン・デュークス(Kelvin Dukes)、ディアボロのフィリピン出身The Spyros Bros、(未放送だった)The Shape、コメディアン/モノマネVincent Marcusが登場。

準決勝では、勝ち上がった20組に審査員のワイルドカード2組が加わり、計22組が戦う。

関連記事

新着記事

洋楽最新情報をフォロー