アメリカズ・ゴット・タレント2018準決勝後半戦 コートニー・ハドウィン、グレニス・グレイスら決勝進出


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決勝戦へ進めるのは、残り5組。米NBC『アメリカズ・ゴット・タレント』(原題:America’s Got Talent)シーズン13準決勝(Semifinals)「Week 2」が今週11日(現地時間)ハリウッドのドルビー・シアターで開催。長き闘いを勝ち上がってきた11組が、頂上決戦の舞台をかけ全米を熱狂に包むその非凡な才能の全てを注ぎ込んだ。翌12日、アメリカの投票を経て、運命のファイナリストが発表。コートニー・ハドウィン、ブライアン・キング・ジョセフ、グレニス・グレイスらが見事決勝進出を決めた。

準決勝後半戦では、前半戦と同様、アメリカの一般投票(アプリ、専用サイト、テレボートなど)を経て、上位3位までが決勝進出確定。第4位、第5位、第6位の枠の中から、リザルト生放送中の視聴者ライブ投票(アプリまたは公式サイト)で1組がセーブ(Dunkin’ Save)。その残りの2組から1組がジャッジ・チョイス(Judges’ Choice)で勝ち残り、5組が決勝に進み、6組が敗退となる。

コートニー・ハドウィン

オーティス・レディング(Otis Redding)の1968年曲「Hard to Handle」で全米にセンセーションを巻き起こした14歳のイギリスの女子生徒コートニー・ハドウィン(Courtney Hadwin)は準決勝後半戦の最後のアクトに登場。1969年米映画『イージー☆ライダー』(原題:Easy Rider)曲となったステッペンウルフ(Steppenwolf)の1968年曲「Born to Be Wild」を披露し、最後に息を切らすシーンも見せながら荒野を駆け抜けた60年代ロックの魂をドルビー・シアターに蘇らせた。

彼女を伝説的シンガー、ジャニス・ジョプリン(Janis Joplin)の姿と重ね、ゴールデンブザーを贈った審査員ホーウィー・マンデル(Howie Mandel)はスタンディングオベーションを送り、興奮し立ち上がったまま「座ることも出来ないよ!」、「君はワイルドに生きるために生まれてきたんだ!これはワイルドそのものだった」。「本当に君は信じられないくらい素晴らしい」、「君が‘America’s Got Talent’ 2018を勝ち取ると私は予想しているよ」。

審査員メル・B(Mel B)は、「あなたは本当に並外れちゃってるわ、大好きだわ」、「あなたのファッションも大好きよ。あなたの歌い方、エネルギッシュな感じが大好き」。しかしスタンディングオベーションに加わらなかったメル・Bは、「正直言うと、今夜はもうちょっとだったかな。緊張しているのが伝わってきたわ。いつものあなたのあの自信が感じられなかったわ。それが準決勝という重圧なのかはわからないわ」。そして審査員ハイディ・クルム(Heidi Klum)は「メルにちょっとだけ賛成だけど、私はあなたがこの番組にいてくれて本当に嬉しくてたまらないわ、だってあなたは皆と全然違うヴァイブにしてくれるもの」。「あなたの幸運を祈ってるわ」。

一方ホーウィーと共にスタンディングオベーションを送った審査員サイモン・コーウェル(Simon Cowell)は「いいかい、コートニー。君のどんなパフォーマンスも、完璧であるべきじゃない、それじゃ君じゃないからね。それは興奮の連続のようなものだ、あるがまま、きれいに整っていないところ、でもそれが君を最高にしているんだ」。「14歳だったよね?初めてこの番組で私が君をバックステージで見かけたとき、君は葉っぱのように震えていたよね。それからステージにやってくると、君は取り憑かれたようにのめり込んだ。そんな君こそ私が君を愛する理由だ、コートニー」。「どうかファイナルで君がいてほしい」。

今回審査員全員のスタンディングオベーションは送られなかったコートニー、結果発表でトップ3で決勝確定を果たした彼女は、ステージに崩れ落ち涙を流した。司会タイラ・バンクス(Tyra Banks)は彼女を支え、「話せる?ダメだわ」、「今の気持ちみんなに教えて?」、コートニーは声を震わせながら、「☆○※□※、全然思ってなくって、本当にありがとうございます」。喜びを抑えられないホーウィー・マンデルは「私だけかもしれないが…、100万ドルの匂いがしちゃうな!!」笑顔を取り戻すコートニーにタイラは「もうちょっとだけ話せるようになったかな」。コートニーは「私を信じてくれて本当にありがとうございます」、涙ながら感謝の気持ちを言葉にした。

ブライアン・キング・ジョセフ

コートニー・ハドウィンと共にトップ3で決勝確定を果たしたのは、「キング・オブ・ヴァイオリン」(The King of Violin)、ワシントンD.C.出身でロサンゼルスに住むエレクトリック・ヴァイオリン奏者ブライアン・キング・ジョセフ(Brian King Joseph、BKJ)。笑顔を絶やさず情熱的な演奏で魅せる27歳、しかし完全治癒が望めない深刻な末梢神経障害を3年前に発症、痛みとともに指先と足の感覚を奪われ、やがてそれは全身に広がるという。既に手足のほとんどの感覚を失い始め、痛みと闘っているというブライアンは「ジャッジ・カット」で、「たとえあなたにどんな障害があっても、あなたは幸せなことを何だってできるんだって、僕はその姿を見せたいと思っています」。医師らからは今頃は既にヴァイオリンを弾ける状態ではないだろうと告げられていたという。「僕は自分自身に挑戦するためにここにいます、僕が夢見ていた人になるために」。

4歳の頃からヴァイオリンを弾き始め独学で学び、クインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)らを輩出したボストンの名門バークリー音楽大学から全額授業料免除のスカラーシップ「Full Presidential Scholarship」を受け2012年に入学。将来を有望視され2014年まで在籍していたものの、神経障害を発症したため大学を離れざるを得なくなったという。「オーディション・ウィーク」では、メジャー・レイザー(Major Lazer)、DJスネーク(DJ Snake)、ムー(MØ)の「Lean On」、「ジャッジ・カット」ではコールドプレイ(Coldplay)の「Something Just Like This」、準々決勝では、フォール・アウト・ボーイ(Fall Out Boy)の「Centuries」。そして今回クーリオ(Coolio)の「Gangsta’s Paradise」をカバー。ユニークなアレンジでクラシックとモダンを融合、卓越した演奏のみならず、そのサウンドを超えた彼の音楽に全米が魅了された。

4人全員の審査員からスタンディングオベーションが送られ、サイモン・コーウェルは「今夜我々が見てきたなかで、これは全く別物だった」と賛辞を贈った。「私にとってスターのパワーを目撃した瞬間だった」、「最高なパフォーマンス、とてもドラマティックで、とてもパワフルだった」。「これを見て私はこの番組で君が優勝するかもしれないと思っている」。鳴り止まぬ歓声のなかサイモンは「私は心から君を尊敬しているよ」。ホーウィー・マンデルは舞台演出にも触れ「我々のプロダクション・チームは素晴らしく、映像に炎だったり、音楽が天から降り注ぎ君が現れた」、「しかし私が見てきたなかで最高ともいえる演出に君が応えた」、「美しいものだったよ」。そして興奮気味のメル・Bは「一つ一つのパフォーマンスにあなたは自分の全てを注いでいるわ!あなたが大好きよ」。

かつてその輝かしい音楽の未来を絶たれた青年、「オーディション・ウィーク」でブライアンは小さい頃から夢見ていたというアメリカズ・ゴット・タレントのステージに立ち、「僕にとってこれは夢が叶った瞬間です」、声を震わせた。審査員らからゴールデン・ブザーは送られることなく、一つ一つ勝ち上がってきたブライアン、ゴールデン・ブザー組が波乱の敗退をみせるなか、アメリカのハートを捉え決勝進出を果たした。

ヴィッキー・バーボラク

今回トップ3で最も早く決勝進出の発表を受けたのは、カリフォルニア州オーシャンサイドのコメディアン、ヴィッキー・バーボラク(Vicki Barbolak)だった。男をひっかけるジョークで会場を笑顔と笑いに包んだ。先週「Dunkin’ Save」で決勝を勝ち取ったサミュエル・J・コンムロ(Samuel J. Comroe)に続く2人目のコメディアンのファイナリスト。ブライアン・キング・ジョセフと同じくゴールデン・ブザーはなくして勝ち上がり、トップ3でファイナルの切符を手にした。

Dunkin’ Save

第4位、第5位、第6位の枠に入ったのは、米クラシカル・クロスオーバー歌手ダニエル・エメット(Daniel Emmet)、オランダ・アムステルダム出身の40歳歌姫グレニス・グレイス(Glennis Grace)、米オレゴン州マクミンヴィルの兄姉弟バンド、米ウィー・スリー(We Three)。ライブ投票の結果、今シーズン最も洗練された力強く美しい歌声と深い表現力で全米を魅了してきたグレニス・グレイスが、他の二人の合計よりも多い票で終始優位のまま「Dunkin’ Save」で決勝を勝ち取った。

グレニスは母国オランダではプラチナディスクのアルバムを有するスターで、2005年、世界最大規模の欧州音楽コンペティション番組『ユーロビジョン・ソング・コンテスト』(Eurovision Song Contest)ではオランダ代表(パフォーマンス動画)を務めた。「オーディション・ウィーク」では、自身が最も得意とし、ニッキー・ミナージュ(Nicki Minaj)も彼女のカバーがお気に入りだという(twitter)ホイットニー・ヒューストン(Whitney Houston)の「Run To You」で挑戦。「ジャッジ・カット」では、プリンス(Prince)作曲、シネイド・オコナー(Sinead O’Connor)版で知られる「Nothing Compares To You」をユニークにアレンジしたバージョンで歌い、準々決勝ではミュージカル映画『グレイテスト・ショーマン』(原題:The Greatest Showman)曲「Never Enough」(パフォーマンス動画)に深い愛を込めた。準々決勝の結果発表では、グレニスはサミュエル・J・コンムロと共にステージに立ち、タイラ・バンクスが「両方通過よ!」と発表。しかし落選と勘違いしたグレニスは、サミュエルの勝利を讃え抱き合いステージを後にしようとしたところ、タイラ・バンクスは「両方って言ったのよ!!あなたもよ!!」

信じられぬ様子で赤面しながら涙で準決勝進出を果たしたグレニスは、今回、ケイト・ブッシュ(Kate Bush)の「This Woman’s Work」をディーヴァの風格を漂わせる圧巻の歌声で歌い上げ、4人全員の審査員からスタンディングオベーションが送られた。準決勝後半戦で、4人全員の審査員からスタンディングオベーションが送られたのは、ブライアン・キング・ジョセフとグレニス・グレイスの二人のみ。歓喜に湧くメル・Bはデスクを叩きながら「イエス!イエス!イエス!イエス!!」、「私の大好きな曲で、あなたは本当にとっっても美しく歌い上げたわ」。「全てがパーフェクト、あなたのビブラート、あなたの見つめ方。全てが完璧だった」、「まさにイエス!イエス!だわ」。

オランダで待っている12歳の息子アンソニー(Anthony)のために夢を叶えたいと願うグレニスは、息子からのビデオレターに涙を浮かべる。グレニスとアンソニーの父は2012年に離婚。息子へ宛てた曲「Als je slaapt」(あなたが眠るとき)を書くなど、これまでAGTでのパフォーマンスには母親から我が子への愛を滲ませる。サイモン・コーウェルは「グレニス、今夜これまで見たなかで君は最高のパフォーマンスだった。君の歌声は信じられないくらい素晴らしかった。そして歌の選択も素晴らしい」、「君と君の息子を見て、なぜ君がここにいるのか、どれだけそれが大きなものであるか、とても心を突き動かされたよ」。1988年米ロマンティック映画『結婚の条件』(原題:She’s Having a Baby)の曲ともなった「This Woman’s Work」では、最愛の妻とお腹の中の子が命の危険にさらされている出産の場面を、神に祈る夫の視点から描く。

伝えるべきだった全てのこと/私は伝えていなかった/一緒にすべきだったこと/一度もしていなかった/君にしてあげるべき全てのこと/しかし私はしていなかった/お願いだダーリン、乗り切ってくれ/乗り切ってくれ」、「私たちの時間をもう一度与えて下さい/二人を私のもとに戻して下さい/小さなキスを私に/あなたの手を私に

Judges’ Choice

ダニエル・エメットとウィー・スリーが対象となったジャッジ・チョイスでは、サイモン・コーウェルとハイディ・クルム(Heidi Klum)がダニエル・エメットに票を投じ、メル・Bがウィー・スリー。そしてホーウィー・マンデルがダニエル・エメットを選択した結果、ファイナリストのなかでは最も劇的な展開を見せ、ダニエル・エメットが決勝戦への切符を手にした。

ジョシュ・グローバン(Josh Groban)を彷彿とさせる力強くもテンダーな歌声で魅せる25歳は、「オーディション・ウィーク」ではオリジナル曲「Amante」で挑戦するも、サイモン・コーウェルにより中断。提案されたイル・ディーヴォ(Il Divo)「Passera」で全米を沸かせ駒を進めるも、ルーチョ・ダッラ(Lucio Dalla)「Caruso」(パフォーマンス動画)の「ジャッジ・カット」で落選。しかしワイルド・カードとして送られた準々決勝では、スペイン語版でエアロスミス(Aerosmith)の「I Don’t Want to Miss a Thing」(パフォーマンス動画)で「Dunkin’ Save」により勝ち上がり、今回1957年ブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド物語』(原題:West Side Story)曲「Somewhere」を壮大なオペラティック・ヴォイスで歌い上げ、審査員ハイディ・クルムから熱いスタンディングオベーションが送られた。

一方、「オーディション・ウィーク」ではガンで2年前に亡くなった母の視点から描いたオリジナル曲「Heaven’s Not Too Far Away」で深い感動を呼び、その後もオリジナル曲で順調に勝ち上がってきたウィー・スリーは、ここで惜しくも敗退となった。

セミファイナリスト

後半戦最初に登場した米シンガー、クリスティーナ・ウェルズ(Christina Wells)、2番目のアクトとなったドミニカ共和国のダンス・グループ、ダ・リパブリック(Da RepubliK、パフォーマンス動画)、3番目の米シンガー、ノア・グスリー(Noah Guthrie)は、準決勝でフィニッシュ。クリスティーナ・ウェルズは先月亡くなった「クイーン・オブ・ソウル」アレサ・フランクリン(Aretha Franklin)の「(You Make Me Feel Like) A Natural Woman」でトリビュートを捧げた。

再びホーウィー・マンデルを殺しかけた沈黙の神業アロン・クロー(Aaron Crow)は彼の命を救い、その結末にサイモン・コーウェルは「ちょっと残念だったね」。高い人気を集めていたものの準決勝で敗退。またゲスト審査員オリヴィア・マン(Olivia Munn)のゴールデン・ブザーを獲得し、注目を集めていた米カリフォルニア州ロサンゼルスの合唱団、エンジェル・シティ・コラール(Angel City Chorale)がここで敗退。米同時多発テロ事件から17年となったこの日、エンジェル・シティ・コラールはブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen)の「The Rising」で追悼を捧げた。

なお準決勝後半戦リザルトでは、世界的韓流ブームを起しているBTS(防弾少年団)、そしてア・マジカル・シルク・クリスマス(A Magical Cirque Christmas)がゲスト・パフォーマンスを行った。

ファイナル

決勝戦(Finals)はいよいよ来週18日火曜日(日本時間19日水曜日)。ファイナリストは、準決勝前半戦(記事)を勝ち上がったタイラ・バンクスのゴールデン・ブザー、オーストリア出身アクロバティック・ダンス・グループ、ズーカロー(Zurcaroh)、サイモン・コーウェルのゴールデン・ブザー、米シンガーのマイケル・ケテラー(Michael Ketterer)、米マサチューセッツ州カード・マジシャン、シン・リム(Shin Lim)、米ロサンゼルスのコメディアン、サミュエル・J・コンムロ(Samuel J. Comroe)、米ユタ州曲芸夫婦デュオ・トランセンド(Duo Transcend)。そして今回決勝進出を決めたブライアン・キング・ジョセフヴィッキー・バーボラクグレニス・グレイスダニエル・エメット、そして現在センセーションを巻き起こしているコートニー・ハドウィンの10組がその頂点をかけて競い合う。

果たして2018年の頂点に輝くのは。結果発表は、翌19日(日本時間20日)。優勝者には賞金100万ドル(約1.1億円)、ラスベガスでのヘッドラインショーの権利などが贈られる。

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