ソウルフルな熱情リッキー・リー最新曲「Not Too Late」、壮大なバラードで再始動


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豪ポップ界歌姫、3年ぶり最新曲

追憶と寂寥の静謐なサウンドから、運命に抗いエネルギー迸る圧倒的スケールのバラードへ。「私たちは皆、苦難と闘い、痛みを抱えている、でもそれと同時に、私たちは皆、そうしたものが自分を崩壊することを、”拒む”という選択があるわ」、「やり直すことに遅すぎることなんてない」、「簡単なことじゃない、でも絶対に、絶対にその価値はあるわ」。

そう自身のSNSで力強く訴えるのは、ミッシー・ヒギンズ(Missy Higgins)、デルタ・グッドレム(Delta Goodrem)らが席巻した2000年代豪ポップシーンを代表する歌姫の一人、リッキー・リー(Ricki-Lee Coulter)。前作『Dance in the Rain』よりおよそ3年の沈黙を経て、その最新シングル曲「Not Too Late」ダウンロード版)を今月(現地時間9月1日)リリース。そのミュージック・ビデオが一昨日公開されました。

「Can’t Touch It」、「Burn It Down」などこれまでのアップビートなR&B/ダンス・ポップチューンとは一線を画し、ローキーのソフト・バラードではじまる「Not Too Late」。再出発にしてメインストリームのサウンドとは正反対をいく楽曲となるなか、「怖かったわ、でもこの曲には心から信じるものがあるの」。その歌に31歳は、今伝えたい思いを込めます。

「あの頃のことを覚えている?/私たちは全てを手にしていたわ/この世を制することさえも/永遠にこの若さのまま生きていくように思えた」「毎年湖畔で過ごした夏/くすねたビンを手に一晩中酔い潰れ/昔の曲を何度も何度も聞きながら/心の奥にしまった痛みを忘れて」、「歩んできた道程を忘れてしまうことは、とても簡単なことだわ」

記憶の彼方に灯すあの日々の感情を頼りに、その胸の奥の痛みを浮かび上がらせると、涙ながら心に訴えかけるように、時を越えソウルフルな力強い歌声を響かせます。

「私たちは、私たちは、皆同じ人間なのだから/やり直すことに、遅すぎることはないのだから」(×リフレイン)

Redemption

英ジェイムス・アーサー(James Arthur)の世界的ロングヒット・バラード曲「Say You Won’t Let Go」のコー・ライター、英ニール・オーマンディ(Neil Ormandy)スティーブ・ソロモン(Steve Solomon)のチームを迎え、今年4月より制作を開始し、リッキー・リーらが書き上げた「Not Too Late」。一見、二人の愛を取り戻す物語のようにもみえる同曲について、31歳は次のように明かします。

「(制作当時)悲しみ、心の傷、喪失、依存、そうしたものを乗り越えていく葛藤について、私自身の経験に照らして話し合っていたわ。普遍的であると同時にとてもパーソナルな曲にしたかったの。私たち3人にとって、この曲の意味はそれぞれ異なるわ」と明かします。

ニュージーランドで生まれ育ち、豪アメアイ『Australian Idol』シーズン2でファイナリストとなったリッキー・リーは、アップビートのキャッチーなダンス・ポップナンバーとその力強く美しい歌声で、オーストラリアのポップシーンを代表するシンガーとなった。2015年オーストラリアを離れ、米ロサンゼルスで最新5thアルバムの制作を開始し、当初ダンス、R&Bの楽曲を制作していたが、空虚(empty)に感じ、自ら信じる音楽へ。「Not Too Late」が生まれた(news.com.au)。

「本質的には、贖いについて謳った曲であり、過ちを正しやり直すことに、遅すぎることは決してないということを謳っているの」。「人生では様々なことが起こるわ、でも生きている限り、私たちにはやり直す時間があるわ」と訴えます。

「もう太陽は私の道を照らすことなく/時間だけが過ぎていく、まるで終わりなき嵐のように」「しかし私があなたを強く抱きしめると/再び光が見える/もしあなたが戻ってきてくれるのなら/私はあなたを救えるかもしれない」「時が癒やすと人は言う/しかし私にはそうではない」

「これまで歩んできた道程を忘れてしまうことは、とても簡単」「人生はまるで迷路/しかし自分の道を見つけるためには、一度自分自身を失う必要があるわ/でもやり直すことに決して遅すぎることはない」「私たちは、私たちは、皆同じ人間なのだから/やり直すことに、遅すぎることはないのだから」(×リフレイン)

Imperfection

トレンドとなるサウンド・スタイルはあえて”選択”せず、ミニマムに、たった一つの歌声に込める熱情。「不完全性を心から受け入れ、そして人々が求める完璧な絵を描こうとすることから離れようとしたわ。何か時代にとらわれないものを作りたかったの」。

そう語る同曲のヴォーカル部分は、デモ用をそのまま起用。数々のレコーディングを経て、最終的に編集でつなぎ合わせていくという方法はあえて取らず、その日のオリジナルのデモ・バージョンを採用します。「歌詞にある痛み、この曲の背後にあるものを感じてもらいたかったの」、「レコーディングし直すことも考えたわ、でもこのヴォーカルには何かがあったの、あらゆる感情、激しさ、そして情熱、全てが詰まっているわ」。

本来ならば「不完全」としてレコーディングし直すかすれた声の部分も、そのまま採用している。

自身のSNSで、何度も自分の生きる道を見失ったと明かすリッキー・リー。「この巨大なブラックホールからどう抜け出しらよいのか、ずっとわからずにいたわ」、「怖くて、怯え、挑戦しては、失敗し、打ちのめされ、衰弱し、決して変えることはできないと思い、屈し、諦めようとしていたわ」。

「でも気付いたの、やり直すことに遅すぎることなんてないと。闘い、痛みを感じ、でも歩み続ける」。何度も、何度も、打ちのめされて、幸せになる資格なんてないと、そう立ち上がれなくなって。それでも、「私たちは、私たちは、皆同じ人間なのだから/やり直すことに、遅すぎることはないのだから」。

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