ミランダ・ランバート「The House That Built Me」で涙が止まらず、それを見た会場のファンらが…


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ミランダ・ランバート米公式サイト

先日(米国時間2月5日)のアメリカンフットボールNFL優勝決定戦第46回スーパーボウル(Super Bowl XLVI)で昨年結婚した夫のブレイク・シェルトン(Blake Shelton)と寄り添い、手を取り合って、アメリカの第2の国歌「America the Beautiful」をキックオフ前に熱唱したグラミー賞受賞米カントリー歌姫ミランダ・ランバート(Miranda Lambert)、それは米カントリー界一のベスト新婚カップルの単なるラブラブな姿が映し出されたものではありません。

Miranda Lambert Gets Emotional In Concert

ここ数週間彼女を襲った悲しみの数々、それはアラバマでのコンサートで抑え切れない涙となって溢れ出します。

米国時間2月3日、アラバマで開催されたミランダ・ランバートの全米ツアー「On Fire Tour」のコンサートで、「The House That Built Me」の途中、必死でこらえていた涙が抑えきれなくなり、ミランダ・ランバートがその続きを歌えなくなる中、それを見た会場のファンらが、彼女を励ますべく次々とその続きを歌い出し、気づくと会場全体がファンらの「The House That Built Me」と熱い声援の声で包まれました。

先月、誰よりも愛する夫ブレイクの父を亡くした彼女、その深い心の傷が癒えぬうちに彼女を襲ったのは、不慮の交通事故による幼なじみの親友の突然の死、そして幼い頃から共に人生を歩んできた愛犬ディクシー(Dixie)の死でした。

わずか数週間のうちに立て続けに起こった悲劇、しかし彼女は彼女を待ち続けるファンのため、ツアーを中止することなく、その舞台で全ての力を尽くし、観客を熱狂で包みます。しかし…

ここ数週間ずっと辛い時期が続いたわ。義理の父を亡くし、交通事故で私の親友を亡くしてしまったの。

この数週間で私はあることを学んだわ。音楽が人の心の傷を癒してくれるって、そのことを受け入れていいんだって

(記事)”Miranda Lambert Gets Emotional In Concert” on Country Vibe

そうファンらに話すと、前作『Revolution』に収録されている米ビルボードで自身初の第1位(カントリーシングル曲部門)を記録したノスタルジック・ソング「The House That Built Me」を力を振り絞り歌い始めますが、必死でこらえていた涙はとめどなく頬を伝い、歌えなくなってしまいます

「The House That Built Me」は、人生の道を失い、自分を見失ってしまった大人の女性が、自分が育った家に戻り、もう一度自分を見つめようとする姿を描いた曲。今は別の人が住む家には、過去の無邪気な自分と温かい家族の思い出が刻まれており、その自分を育ててくれた家の中で失った自分を取り戻そうとします。

「The House That Built Me」
日本語訳歌詞・和訳

(バース1)
あの家にもう戻ることはできないって
私にもそれはよくわかっているわ
でも最後にもう一度だけ、どうしても戻らなければならなかったの
「奥様、あなたにとって私が全くの見知らぬ人であることは、
十分わかっているわ。
でも、玄関のこれらの手の跡、
それは私が残した跡。」

「すぐ後ろの階段を上ったところにあるベットルーム、
そこで私は宿題をしていたわ
そして私がギターを練習していた場所。
あのカシの樹の下のこと、絶対に知らないとは思うけれど、
私の大好きだった犬がその庭で眠っているの。」

(コーラス)
「この場所に触れることが出来れば、それを感じることが出来れば、
私の心の中で壊れてしまったものが
もとに戻るかもしれないって、そう思ったの
ここでは私はよそ者かもしれない
でも自分を見つけられるかも知れないって、そう思ったの

もし家の中に入れて下さるなら、誓うわ、
決して持ち出さないって、
私を育ててくれた家の、その思い出以外は…」

(バース2)
「ママは長いことよく雑誌『もっと素敵なホーム&ガーデン』から
写真を切り抜いていたわ。
設計図が用意されて
コンクリートが注がれたわ
釘に釘
ボードにボード
パパはママの夢のために尽くしていたわ」

(コーラス)
「この場所に触れることが出来れば、それを感じることが出来れば、
私の心の中で壊れてしまったものが
もとに戻るかもしれないって、そう思ったの
ここでは私はよそ者かもしれない
でも自分を見つけられるかも知れないって、そう思ったの

もし家の中に入れて下さるなら、誓うわ、
決して持ち出さないって、
私を育ててくれた家の、その思い出以外は…」

(ブリッジ)
「人は家を離れ、前に進んでいく
そして持てる力全てをもって最善を尽くして生きていくものだわ
でも私はこの世界で道を失ってしまった
そしてもう自分が誰だかわからなくなってしまったわ」

(コーラス)
「この場所に触れることが出来れば、それを感じることが出来れば、
私の心の中で壊れてしまったものが
もとに戻るかもしれないって、そう思ったの
ここでは私はよそ者かもしれない
でも自分を見つけられるかも知れないって、そう思ったの

もし家の中を少し歩かせていただけるのならば、誓うわ、
決して持ち出さないって、
私を育ててくれた家の、その思い出以外は…」

ミランダ・ランバートのかわりにと、次々に歌い出し励まし続ける会場のファンらにミランダ・ランバートは、深い感謝の意を次のように言葉にします。

みんなに支えてもらって、気分がずっと落ち着いたわ。大丈夫よ。
誓うわ、私は大丈夫だわ。

Taste of Country

その2日後に開催されたスーパーボウル、夫と二人寄り添い、しっかりと手を取り合って歌うミランダ・ランバート、頂上決戦のキックオフの興奮の傍ら、最後に二人がそっと見つめ合うシーンでは、静かに涙を誘います。

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