クリスティ・スターリング(Kristy Starling)/ Broken


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昔購入したクリスティ・スターリング(Kristy Starling)のデビュー・アルバム『Kristy Starling』(2003)を久しぶりに聴いていて、最近の動向が激しく気になったのでクグっていましたら、何とこのデビュー・アルバムのプロデューサーはあのバラードの巨匠デイヴィッド・フォスター(David Foster)だった(!)ことが判明。このアルバムの中で最も涙を誘う曲「Broken」のピアノ伴奏もなんとデイヴィッド・フォスター

ピアノの美しい旋律だけでもやられるこの曲「Broken」ですが、辛い時聴くとまたこの歌詞もぐっと来ます。簡単に和訳してみましたのでご参考にまで。終盤のクラマックスで力強くスケール感が一気に広大に広がるところはやはりデイヴィッド・フォスターの十八番!といったところでしょうか。

“Broken”
by Kristy Starling

(バース1)
乗り越えることのできない試練は与えていないとあなたは私に教えてくれた
でも乗り越えることが日々難しくなっていく
私ならできる、どんなことでもできるってあなたは私の心に語りかけてくれた
でも時々こう感じるの、私はもう無理だって

打ちひしがれ引き摺りまわされてきて
そして今どうすればわからなくなってしまった
私が必要なのはあなたが望む進むべき、たった一つの小さなしるし
どうしていいかわからなくて、あなたを求めているわ

(コーラス)
なぜなら私は壊れ砕けてしまったから
立ち直る覚悟はできているわ
どうか私を導き、いだき、受け容れ、作り変えて下さいませんか
ばらばらになっとあなたとの人生をもう一度もとに戻してくださいませんか
私は壊れ砕けてしまったから

(バース2)
これを認めるのは少し困惑してしまうのだけど
でもこれはあなた以外の人が私にそうしているの、それともあなたが私にそうしているの
私を試そうとしているの、それとも私を力強い人間にしようとしているの
私は弱ってしまったわ、だから私はあなたに告白します

(コーラス)
私は壊れ砕けてしまったと
立ち直る覚悟はできているわ
どうか私を導き、いだき、受け容れ、作り変えて下さいませんか
ばらばらになっとあなたとの人生をもう一度もとに戻してくださいませんか
私は壊れ砕けてしまったから

(バース3)
私のプライドは打ち砕かれ
それでもいいと思っている
私の意志はあなたのために、私はあなたに身をゆだねるわ
私はあなたにゆだねるわ

(コーラス)
なぜなら私は壊れ砕けてしまったから
立ち直る覚悟はできているわ
どうか私を導き、いだき、受け容れ、作り変えて下さいませんか
ばらばらになっとあなたとの人生をもう一度もとに戻してくださいませんか

なぜなら私は壊れ砕けてしまったから

【原文】http://www.fozfan.com/?p=2724

コーラスの部分”Won’t you direct me hold me accept me and mold me”で、”mold me”とありますが、これを直訳すると「私を形作ってくれませんか」となりますが、どうやらこれはキリスト教精神に基づくもののようで、神が土の塵で人間を形作り、命の息を吹きかけることで、アダムが誕生したという人間の起源に対する考え方が背景にあるようです。ですのでこの曲全体の内容から意訳すれば「私を生まれ変わらせてくれませんか」という内容になるでしょうか。

CCMということで宗教性が強くまたあまり知られることの少ない楽曲ではありますが、宗教を越えて人間の本質的な部分に迫るテーマだけに、同じ経験をしている多くの人々の心に共鳴し、深い共感、感動、涙を誘う珠玉の隠れた名曲といえるのではないでしょうか。

クリスティ・スターリング
Kristy Starling

クリスティ・スターリング(Kristy Starling)は米オクラホマ州オクラホマシティ出身のCCMシンガー(コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック・シンガー)。当時22歳、特別目立つことのないただ歌うことが大好きな普通の女子学生だった彼女がその脚光を浴びることになったのは、NYで開催された米NBCのモーニングショー「Today’s Superstar」の音楽コンペティションでの入賞。何百万人もの人を前にその類稀な歌唱力を披露した彼女は、見事準優勝を獲得し、それがセリーヌ・ディオンやジョッシュ・グローバンなどを手がけたヒットメーカー、デイヴィッド・フォスター(David Foster)の目にとまり、米最大手レーベル、ワーナー・ブラザーズ・レコードとのレコード契約を経て、20003年についにデイヴィッド・フォスタープロデュースによるセルフタイトルのデビュー・アルバム『Kristy Starling』をリリース。

また同年アメリカのもう一人の繊細系”バラードの巨匠”米ピアニストで作曲家のジム・ブリックマン(Jim Brickman)とコラボレーション・クリスマス・ソング「Sending You a Little Christmas」をリリース。このクリスマス・ソングは米ビルボード「アダルト・コンテンポラリー」部門第1位を記録し当時大きく話題となりました。

クリスティ・スターリングは今

とはいえ、CCMアーティストということもあり、デビュー・アルバム『Kristy Starling』は米ビルボード「コンテンポラリー・クリスチャン・アルバム」部門では第24位とまずまずの記録。個人的には「Broken」や「To Where You Are」、「Sending You a Little Christmas」はとても美しくて好みの楽曲ですが、CCMソングということもあり、全編にわたりに大人しめの曲になってしまうとなかなか商業的には厳しい面もあるようです。

以前公式サイトを訪問した際は新曲リリースに向け準備中という記載がされていましたが、現在は公式サイトがなくなっているようで、気になって調べたところ、現在は商業的音楽市場から少し離れ献身的にCCMアーティストとしてワーシップ(宗教的音楽活動)に専念しているようです。

ただビクトリー・プロダクションより新曲と思われる曲「Carried Away」「Maker of Miracles」の動画がアップロードされておりますので、レーベルを移籍して新しいアルバムをリリースする予定なのかもしれませんね!

VMusic – Carried Away from VMusic on Vimeo.

VMusic – Maker of Miracles from VMusic on Vimeo.

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