「Fun.-tastic! 'We Are Young' Tops Hot 100」on Billboard
今年米iTunes総合シングル曲ランキングで連日第1位を叩き出し続け、米ビルボード・デジタル・ソング部門で第1位を獲得していた米NYインディーズ・ロック・バンドファン.（Fun.）のシングル曲「We Are Young」（ft. ジャネル・モネイ/Janelle Monae）が、じわじわとそのチャートを伸ばし、米国時間3月17日付米ビルボード総合シングル曲ランキング「Hot 100」でついに第1位を記録しました。
“We Are Young”
song by Fun.
written by Nate Ruess, Andrew Dost, Jack Antonoff, Matthias Bell, Samuel Means
produced by Jeff Bhasker（コーラス）
今宵
俺達は若いんだ
この世界に火を起こそうじゃないか
俺達は眩く燃え上がることができる
その太陽よりも今宵
俺達は若いんだ
この世界に火を起こそうじゃないか
俺達は眩く燃え上がることができる
その太陽よりも
ロック・グループが米ビルボードでのデビュー曲で「Hot 100」で首位を獲得したのは、カナダのモンスター・ロック・バンド、ニッケルバック（Nickelback）が2001年12月/2002年1月に第1位を打ち立てた「How You Remind Me」（！）以来となるおよそ10年ぶりの記録的快挙。
また、ロック・グループが米ビルボード「Hot 100」で第1位を記録するのは、英ロックバンド、コールドプレイ（Coldplay）が2008年1月28日に獲得した「Viva La Vida」以来となる記録。
（記事）”Fun.-tastic! ‘We Are Young’ Tops Hot 100” on Billboard
今まで名前すら知る人が少ないインディーズ・ロックバンドながら、”ファン”タスティック！という言葉では足りないロック史にその名を刻む歴史的快挙を成し遂げた彼らの成功の裏側には、2つの起爆剤があったことは否定できません。
『Glee』米公式サイト
昨年12月6日に米FOXチャンネル人気青春ミュージカル・コメディドラマ『Glee/グリー 踊る合唱部!?』シーズン3の第8話「Hold On to Sixteen」でマッキンリー高校グリー部「ニュー・ディレクションズ」（New Directions）の勝利を祝う曲として、リア・ミシェル（Lea Michele）演じるレイチェル（Rachel Berry）とコリー・モンティス（Cory Monteith）演じるフィン（Finn Hudson）をリード・ヴォーカルに、アンバー・ライリー（Amber Riley）演じるメルセデス（Mercedes Jones）、ダイアナ・アグロン（Dianna Agron）演じるクイン（Quinn Fabray）、ナヤ・リヴェラ（Naya Rivera）演じるサンタナ（Santana Lopez）らニュー・ディレクションズがこの曲「We Are Young」を初めてカバー。
このグリーによるカバーソングが米ビルボード「Hot 100」で第12位を記録した他、同エピソード放送後、ファン.のオリジナル「We Are Young」が3,000から49,000配信数という1,650％上昇セールスを記録。
『グリー』だけでもその“グリー効果”は莫大なものがあるものの、さらにそれに続き、米国史上最強の起爆剤が待ち受けていたようです。
NFL日本公式サイト
21年間連続で驚異の視聴率40%を超え、先月全米TV史上最高視聴者数記録を樹立したアメリカンフットボール2012年NFL第46回スーパーボウル、ハーフタイムショーと並んでその名物となり、米大手企業がおよそ30秒で2億、3億円を注ぎ込むスーパーボウル・コマーシャルのBGMに起用されることに。
この曲を起用したシボレー・ソニック（Chevrolet Sonic）広告代理店「Goodby, Silverstein & Partners」のアソーシエート・クリエーティブ・ディレクターのアンドリュー・バンクラフト（Andrew Bancroft）はビルボードでのインタビューで、何百という曲の候補の中で、シボレーのCMで訴求するものと共鳴した美しく「スウィート」なこの曲を、映像と合わせる前から起用することを決めていたことを明かしています。エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクターのハンター・ハインドマン（Hunter Hindman）も、他の数曲をCMと合わせてみたものの、この曲以上に完璧な曲がないことを明かしています。
（記事）”How fun.’s ‘We Are Young’ Scored Chevy’s ‘Stunt Anthem’ Super Bowl Spot” on Billboard Biz
そのシボレーが威信をかけて放つ60秒の最高峰のCMが以下の動画です。
Fun.の『Aim & Ignite
』に続く2ndアルバム『Some Nights』のリード・シングル曲として昨年9月に「We Are Young」をリリース後、米ビルボード「Hot 100」で初登場第53位にランクインしFun.の「Hot 100」デビュー曲となったものの、その後ランク外となっていたこの曲は、これらのグリー効果とスーパーボウルCM効果で、「Hot 100」に第63位に返り咲き、その後その人気がじわじわと全米に広がり、米iTunes総合シングル曲ランキングで連日のように第1位を記録し、米ビルボード・デジタル・ソング部門で第1位を獲得。そして今回、同じく『グリー』シーズン3第14話「On My Way」でカバーされたケリー・クラークソン（Kelly Clarkson）の「Stronger（What Doesn’t Kill You）」（記事『『グリー』最強サンタナ&メルセデスがケリー・クラークソン「Stronger」を怒涛のパワフルカバー』）を抑えて、ロック史にその名を刻む「Hot 100」での首位獲得に至りました。
（全曲フル試聴）http://soundcloud.com/fueled_by_ramen/fun-some-nights-intro
また同曲を収録したアルバム『Some Nights』は米ビルボード総合アルバムランキング「Billboard 200」で前作の71位から大幅にランクを上げ、自身最高となる第3位を記録。
しかしそうしたものが起爆剤に過ぎないことはこの曲を聴いた人には自明のことかもしれません。
ロックバンドFun.米公式サイト
その美しくキャッチーなメロディはもとより、どこか物悲しささえも漂わせる中、「今」を全力で楽しんで力強く生きようとする若者の姿が描かれたこの曲は、まさに今の厳しい時代を生きる若者たちのアンセムとして若者たちの心を強く捉えているようです。
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