ケイティ・メルア、オーケストラとのコラボ最新アルバム『Secret Symphony』で新たな挑戦


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ケイティ・メルア(Katie Melua)英公式サイト

まるで追われるように狂おしい世界が目まぐるしく進んでいく日々、しかしそれは魔法にかけられたように、ゆるやかに流れる街の灯に包まれ、どこか温かく懐かしい異国の地へといざなわれます。

2003年にリリースしたデビュー・アルバム『Call Off the Search全英アルバム・チャート6週第1位記録的大ヒットを記録、2006年にはイギリスの女性アーティストとして最多セールスを記録、また全ヨーロッパの女性アーティストとしても最多セールスを記録するなど、ヨーロッパ全土にセンセーションを巻き起こしたグルジア生まれのジャズ・ブルース英歌姫ケイティ・メルア(Katie Melua、1984年9月16日)の通算5枚目となるアルバム『Secret Symphonyが英国時間今週5日にリリースされました。

オーケーストラとコラボレートロンドンのAIR Studiosでレコーディングが行われたこのアルバムでは、デビューアルバムからの長年のプロデューサーで同アルバムを手がけているマイク・バット(Mike Batt)作詞作曲による「The Bit That I Don’t Get」や、ケイティ・メルア作詞作曲「Forgetting All My Troubles」、「The Cry of the Lone Wolf」、「Heartstrings」等の新曲の他に、ロン・セクスミス(Ron Sexsmith)の「Gold In Them Hills」やフランシス・ヒーレー(Francis Healy)の「Moonshine」、フランソワーズ・アルディ(Françoise Hardy)の「All Over the World」、ジミー・コックス(Jimmy Cox)の「Nobody Knows You When You’re Down and Out」などのカバー曲が収録

オーケストラとのコラボカバー曲今までにないアルバムとなった『Secret Symphony』について27歳のシンガー・ソングライターのケイティ・メルアは「このアルバムは私の“ヴォーカリストのアルバム”として制作していたものだわ。自分の曲で歌う歌声とはまた異なる歌声と新しい自分自身を引き出すことができる他のアーティストの方の曲を、いつか歌いたいとずっと思っていたの。」とこれまでのアルバムとは異なる挑戦と意欲を明かしています。

This album was going to be my ‘singer’s album’. I had always wanted to do this one day; singing other people’s songs brings something out of you and your voice that isn’t perhaps where you would have gone vocally with your own material.

Secret Symphony』は、2010年にリリースし全英アルバム・チャート第4位を記録した他ヨーロッパ各国で大ヒットとなったThe House』からおよそ2年ぶりとなる新作。2010年メディアに姿を見せず音楽活動を休止していたケイティ・メルアは、それが精神疾患によるものであったことを英メディアで告白しています。

ただどうしても続けることができなかったの。何か自分の中で深刻な問題が起きていることはわかっていたわ。ただ椅子に座って何もない空間を見つめてばかりいたの。

6週間の入院長期療養を経てその後回復、2011年3月からはヨーロッパツアーを再開し、同アルバムの制作に取りかかっていたようです。

今年1月には恋人でスーパーバイク世界選手権チャンピオンのジェームス・トスランド(James Toseland)と婚約、先月放送された英テレビ番組「ITV1」のインタビュー(動画)では、左薬指のダイヤモンドよりも輝く笑顔をみせているようです。

グルジアで生まれ内戦の混乱の中、8歳で北アイルランドへ移り住み、14歳で降り立ったイギリス18歳にしてヨーロッパを代表する歌姫となったケイティ・メルア、ヨーロッパで今も絶大な人気を集めながらも、その一方で、イギリスの音楽批評家らから厳しい批評が多く寄せられているのも事実です。

しかし、寂寥感と温かさが交錯する異国情緒あふれる独特の歌声と瞬時にその不思議な世界に引きこむ歌を耳にすると、追われる時代の中で今まで忘れていた大切な何かがそっと流れ込んでくる感覚に襲われます。

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