涙の声続々、ディズニー映画『美女と野獣』新挿入歌「Evermore」(ひそかな夢)魔法のミュージカル


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誰もが知っている物語、誰も知らなかった野獣。

感動の声鳴り止まない米ディズニー実写版映画『美女と野獣』(原題:Beauty and the Beast)。不朽の名作の忠実な実写化の中で、新たに込める魔法が観客の心を囚えます。「18世紀フランスの世界観をより表現し、ベル(Belle)とその父親モーリス(Maurice)との関係の基調を深めると同時に、なぜ王子が非情になったのか、それを掘り下げていきたい、そう我々は意見が一致していたんだ」、そう米ビルボード誌に話すのは、1991年オリジナル・アニメ版に続き、実写版映画『美女と野獣』の映画音楽の重役を担う米映画音楽作曲家アラン・メンケン(Alan Menken)

先週3月17日(金)にいよいよ全米で一般劇場公開を迎えた映画『美女と野獣』は、北米でのオープニング週末興行収入が予想を大きく上回り1億7000万ドルで初登場首位を記録。3月公開映画の史上最高の週末興行収入を記録するなど大きく話題となる中、既に同映画を観た海外の人からは、「オリジナルも好きだけど、もっと好きになった!」、「何度涙が出たか覚えていないわ!」、「もう一度観に行きたい!」など数々の反響の声が寄せられます。

中でもサウンドトラック『Beauty and the Beast』収録曲で主題歌「Beauty and the Beast」とともに話題となり、最も感涙の声が寄せられるのは、魔法で野獣の姿に変えられた王子(Beast)が今回映画で初めてミュージカルを披露するバラード曲「Evermore」(ひそかな夢)

現地時間2017年6月6日ディズニー実写版映画『美女と野獣』のDVD/Blu-ray/Digital HDリリースにあわせ、「Evermore」(ひそかな夢)の劇中シーンが公開されました。

野獣役を演じるダン・スティーヴンス(Dan Stevens)が『オペラ座の怪人』を彷彿とさせる猛然とした心震える歌声で魅せる「Evermore」(ひそかな夢)では、運命と愛の狭間で葛藤する魂の哀哭、怒り、そして深い愛をそのリリックに刻みます。

“Evermore”
written by Alan Menke, Tim Rice
performed by Dan Stevens
日本語訳歌詞

(バース1)
俺は全てを手にした者
俺は自らの運命を司りし者
今まで人生で俺は誰も必要としなかった
俺は真実に気づくのが遅すぎたんだ
この痛みを振り払うことは決してできないだろう
目を閉じると、彼女はまだそばにいる
憂愁に沈む心に彼女がそっと入ってくる
俺には耐えることができない

(コーラス)
今ならわかる、彼女は決して俺から離れたりなんかしないと
彼女が走り去ったにもかかわらず
彼女はこれからも俺を苦しめ、俺を落ち着かせ、俺を傷つけ、
俺の心を突き動かし続けるだろう、何事があろうと
この孤独の城の中でひたすらと
開いた扉のそばで待ち続けながら
自分を騙し続ける、彼女が歩いて入ってくることを
そして俺と永遠に一緒になることを

(バース2)
俺は愛の試練に怒り狂う
俺は消え行く光を呪う
彼女は俺の届く場所から遥か遠くに行ってしまっても、
一瞬たりともその姿が消えることはない

(コーラス)
今ならわかる、彼女は決して俺から離れたりなんかしないと
彼女が視界から見えなくなったとしても
彼女は俺を奮い立たせ続け
全ての俺の一部分になり続けるだろう
この孤独の城の中でひたすらと
開いた扉のそばで待ち続けながら
自分を騙し続ける、彼女が歩いて入ってくることを
そして長い、長い夜々が始まる中で
俺は起きるかもしれない全てのことを思い描くだろう
ここで永遠と待ち続けながら

病に倒れた父を救うため城を離れるベル、ベルへの自らの気持ちと呪いの運命を知りながらベルを手放す野獣。再び彼女が戻ってくるか分からない中、心に抱き続ける犠牲的な深い愛に劇場でそのシーンを観た人からは、次々に感動と涙の声が寄せられます。

昨日映画を観たわ。オリジナルとほぼ同じなのに、この曲が流れた時涙がこぼれて、恋に落ちたわ。彼女が戻ってくるって知っているけど、このシーンにものすごく胸が張り裂ける思いだったわ😭🌹🥀❤️」、「この映画で一番のシーン。圧倒されたわ」、「ベルの母親が…で亡くなるシーンはちょっと泣いたわ、この曲が流れた時は、何ていうのだろう、ポップコーンが濃い目の塩味になったわ」、「この曲は物凄くやみつきになるよ、何度も何度も聴きたくなる、そして飽きることがないよ」、「涙が再び流れるわ、映画館で映画を観た時と全く同じように。…、もう一度観に行きたいわ」、「このシーン大好きだわ、彼の全ての悲しみと心の痛みを感じるわ」、「この曲の間ずっと涙が流れて、最後までとまらなかったわ!」、「サントラ史上最も美しいシーンだわ、そして本当に素敵だわ。ダン・スティーヴンスの歌声は革新的。パワフルで制御されていて、エモーショナルで…、本当に見事だわ」。

3つのオリジナル新曲の理由

今回映画で初めてミュージカルを披露するダン・スティーヴンスの圧巻の歌声への称賛の声とともに多く寄せられるのは、ディズニー・アニメ映画『リトル・マーメイド』、『アラジン』、『ヘラクレス』など名だたるディズニー映画音楽を手がけ、8度のオスカー、史上13人目のEGOTの名を刻む映画音楽作曲家アラン・メンケンへの拍手喝采の声。2012年ディズニー映画『スノーホワイト』(原題:Snow White and the Huntsman)のリ・インベンションとは異なり、あくまでも「アニメの実写化」という基本スタンスの実写版映画『美女と野獣』。

ウォルト・ディズニー・スタジオの映画音楽最高責任者ミッチェル・リーブ(Mitchell Leib)が話す「オリジナル版の道筋に沿う」ことをベースにしながらも、しかしその一方で、今回新たに同映画のメガホンをとる米映画監督ビル・コンドン(Bill Condon)は、心美しき村娘ベルの父親モーリスと亡き母親、そして魔法で野獣の姿に変えられた王子(Beast)のバックストーリーを掘り下げるべく、アラン・メンケンに新たな曲の制作を依頼

そして生まれたのが、ベルと父親モーリスとの関係、そして今回映画で初めて明らかになる亡くなった母との関係で描かれる「How Does a Moment Last Forever」(時は永遠に)、同様に今回映画で初めて描かれる王子が非情になっていく過去、野獣の深い心理描写の中で、次第に芽生えていくベルへの自己犠牲的な愛を綴る「Evermore」(ひそかな夢)、そして亡き母のシーンで歌われる「Days in the Sun」の3曲の新たなオリジナル曲。

2015年春、アラン・メンケンとティム・ライスが「How Does a Moment Last Forever」(時は永遠に)と「Evermore」(ひそかな夢)の制作。一方10年ほど前、一度実写化案が浮上した際「Days in the Sun」は書き始められていた。セリーヌ・ディオンのインタビュー、日本語訳歌詞他詳細記事『ディズニー映画『美女と野獣』サントラ、セリーヌ・ディオン「How Does A Moment Last Forever」に込める映画テーマ』。※追記、現地時間2017年4月24日ミュージック・ビデオが公開。

父親モーリス、そしてのちにベルによって歌われる「How Does a Moment Last Forever」(時は永遠に)は、エンドクレジットで1991年オリジナル・アニメ版で主題歌「Beauty and the Beast」を不朽の名曲へと導いたセリーヌ・ディオン(Céline Dion)がその歌に愛の永遠の命を宿し、「Evermore」(ひそかな夢)では、ジョシュ・グローバン(Josh Groban)がテンダネスに美しく力強い歌声で歌い上げます。

Evermore誕生秘話×ジョシュ・グローバン

エンドクレジットではジョシュ・グローバン(Josh Groban)の「Evermore」(ひそかな夢)が流れる。※追記、3月31日、映画『美女と野獣』の息を呑む美しいシーンが流れる映像がディズニーより公開された。同映像には、「涙がでるほど美しいわ」とその一瞬をとらえる美しさに感動の声が寄せられる。

1991年アニメ版主題歌でその歌詞を担当した米作詞家ハワード・アッシュマン(Howard Ashman)が亡き後、1994年ディズニー・アニメ史上初めてのブロードウェイ・ミュージカル化されたミュージカル『Beauty and the Beast』では、ハワード・アッシュマンを継いで、1992年ディズニー・アニメ映画『アラジン』の英作詞家サー・ティム・ライス(Tim Rice)がアランと再びタッグを組み、野獣のクロージング・ソング「If I Can’t Love Her」を制作。

今回の実写映画では、同曲に代わって、「Evermore」(ひそかな夢)が野獣の歌として披露されます。「美女と野獣というタイトルである以上、野獣にも歌が必要だね、という話をしていたんだ」と米ビルボード誌に語るミッチェル・リーブは、比較的遅い段階で生まれた「Evermore」(ひそかな夢)のその誕生秘話を明かします。「アランがとんでもないミュージカルをすぐに作曲して戻ってきたんだ、そしてベルを手放すという見事な歌詞にティムが変えたんだ。それはまるで”オペラ座の怪人”のような瞬間だったんだ」。

ベルの父親でケヴィン・クライン(Kevin Kline)演じるモーリスが穏やかにやさしく歌う「How Does a Moment Last Forever」(時は永遠に)。セリーヌ・ディオンのエンドクレジット・ソングで観客は初めてこの曲の続きを聴くことになる。

ベルと父、そして亡き母との描写を深め、静かに涙を誘う「How Does a Moment Last Forever」(時は永遠に)、そして明らかになる野獣の過去、野獣から人間の心を宿していく野獣の深い心理描写の中で生まれる「Evermore」(ひそかな夢)、そのオリジナルにはなかった二つの曲が観客の心の中で一つになる時、観客はアラン・メンケンの魔法の虜になっていることに気付きます。

エンドクレジット・ソングの「Evermore」(ひそかな夢)の候補になっていたのは、ジョシュ・グローバンと伊テノール歌手アンドレア・ボチェッリ(Andrea Bocelli)。いずれもセリーヌ・ディオンと「The Prayer」のデュエットを披露する世界的アーティストという繋がり中、アランが「ジョッシュなら知ってるよ」とジョシュ・グローバンにメールをし(木曜日)、即諾したジョシュ・グローバンが翌月曜日にレコーディング。

第一候補であったアリアナ・グランデとジョン・レジェンドが主題歌「Beauty and the Beast」を担当。詳細記事『アリアナ・グランデ、ディズニー実写版映画『美女と野獣』最終予告編で主題歌初披露』

世界17カ国言語(日本語吹替え盤)で今月3月10日にリリースしたサウンドトラック『Beauty and the Beast』では米アリアナ・グランデ(Ariana Grande)と米ジョン・レジェンド(John Legend)のデュエットによる主題歌「Beauty and the Beast」のみ現在ミュージック・ビデオ化されているものの、今月3月14日、全米一般劇場公開を前に、同サウンドトラックより初めてのパフォーマンス・ライブとして米ABC朝報道番組『グッド・モーニング・アメリカ』に登場したのは、ジョシュ・グローバン。(かなり早い朝の時間にも関わらず)その並外れた歌声でオーケストラ演奏の中、「Evermore」(ひそかな夢)を歌い上げ、映画『美女と野獣』の世界観を込めます。

(動画)“Josh Groban performs ‘Evermore’ live on ‘GMA'” on ABC

心美しき村娘ベル(Belle)役に映画『ハリー・ポッター』シリーズのエマ・ワトソン(Emma Watson)、魔法で野獣の姿に変えられた王子(Beast)役には、国民的人気英ドラマ『ダウントン・アビー』のダン・スティーヴンス(Dan Stevens)を迎え、日本でいよいよ来月4月21日(金)より一般劇場公開を迎えるディズニー実写版映画『美女と野獣』。その虜となりもう一度劇城に行きたくなる、アラン・メンケンの魔法のミュージカルにその胸が高鳴ります。

(記事)“Composer Alan Menken Talks Creating New Music for ‘Beauty And The Beast’ and Coaching Stars Emma Watson and Dan Stevens” on Billboard
(記事)“Box Office: ‘Beauty and the Beast’ Waltzes to Record $170M in U.S., $350M Globally” on Billboard
(参考)“Why the Beauty and the Beast soundtrack is musical movie magic” on Telegraph

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