アンドレア・ボチェッリ、愛と光の「If Only」MV公開 14年ぶり全新曲アルバム『Sì』発表


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先週水曜日(現地時間6月13日)に英グラミー賞にあたるブリット・アワード、クラシック音楽版「クラシック・ブリット・アワード2018」(Classic Brit Awards 2018)で特別栄誉賞「Icon Award」を受賞したアンドレア・ボチェッリ(Andrea Bocelli)が、現地時間6月15日、グラミー賞ノミネーション・アルバム『Cinema』(2015年)に続く通算22枚目となるスタジオ・アルバム『Sì』(仮題:Sì~君に捧げる愛の歌)を発表。

自身のルーツに立ち戻り、愛、信仰、家族の祝福となる『Sì』は、クラシカル・クロスオーバーのアルバム『Andrea』よりおよそ14年ぶりとなる全曲オリジナルの新曲による曲集で、今年10月26日にDecca/Sugarよりリリース。そのリード・シングル曲で「ゴールドよりも価値のあるもの、その中で歩んだエモーショナルな旅路」(SNS)と自身が語る「If Only」(邦題:イフ・オンリー ~愛しいあなたへ、ダウンロード版)のミュージック・ビデオが今週公開されました(現地時間6月17日)。

そばに来て、近くに/私のそばに、ここに/さぁ、さぁ/あなたは大切な人/ゴールドよりも/夜明けのように/私が待ち続けたもの

神秘漂う美しい牧歌的な情景から幕を開けるスクリーンには、1958年、イタリア・トスカーナ地方の小さな村ライヤティコに先天性緑内障により重度の視覚障害をもって生まれたアンドレア・ボチェッリの視点から映す世界。ラウラ・パウジーニ(Laura Pausini)の「Víveme」等その数多くのヒット曲を手がける伊映像監督ガエターノ・モルビオリ(Gaetano Morbioli)が映像化します。

12歳の頃サッカーの試合中、「唯一、光と色を見ることができた目だった」という右目にボールが強打し、完全に失明したと語るアンドレア・ボチェッリ(Telegraph)。生まれる前に先天的な重度の障害が判明した際、医師らは母親に人工中絶を勧めたものの、母親はそれを拒み、自身が生まれたことを後のインタビューで明かします。

そんな我が子を胸に抱く母親、亡き父と農園で過ごした幼少時代、小学校の思い出、初恋。「もしも時を戻せるならば/私たちがさようならと言った日まで/あなたのハートは私のものだったかもしれない/愛しいあなた、もしも…」。「あなたはどこ?あなたはどこ?愛する人/それは空に/天にあるもの/ゴールドよりも輝くもの/あの歌のように/あなたと一緒に踊った歌のように」。

アルバムは世界8000万枚を超え、ローマ法王、大統領、王室への演奏をはじめ、名だたるコンサートホール、歌劇場で至高の歌声を響かせてきたイタリアの世界的テノール歌手。その60年の軌跡を描く映像の壮大なクライマックスには、視界から溢れるほどのファン、そして6歳の長女バージニア(Virginia)ちゃん、長男アモス(Amos)、次男マッテオ(Matteo)、妻ヴェロニカ・ベルティ(Veronica Berti)、愛犬ら家族。

アンドレア・ボチェッリは同曲についてSNSで、「“タイム・トゥ・セイ・グッバイ”の姉妹曲のように、”If Only”は愛の歌」、「愛は実在を生み、世界を動かし、そしてそれがなければ、人生の意味をなさないもの」。

. Yesterday in #LosAngeles

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ファンらから数多くの感動と涙の声が寄せられる「If Only」のソングライターには、サラ・ブライトマン(Sarah Brightman)とのデュエット「Time to Say Goodbye」(タイム・トゥ・セイ・グッバイ)でも知られる1995年代表曲「Con te partirò」(コン・テ・パルティロ、邦題:君と旅立とう)や「Canto della Terra」の伊・作曲者フランチェスコ・サルトーリ(Francesco Sartori)。音楽プロデューサーには、ピンク・フロイド(Pink Floyd)、ルー・リード(Lou Reed)ら数々のヒット曲を手がけたカナダの音楽プロデューサー、ボブ・エズリン(Bob Ezrin)。そして「Vivo Per Lei」の伊・音楽プロデューサー、マウロ・マラヴァーシ(Mauro Malavasi)

現地時間6月21日、『ジミー・キンメル・ライブ!』でアンドレア・ボチェッリが「If Only」初ライブ・パフォーマンスを行った(追記)。同パフォーマンスには、「まるで天国のようだ」、「美しく、ロマンチックで、感動的」、「本当に美しいわ、涙があふれる」、酸いも甘いも噛み分けた貫禄の歌声に感動の声が寄せられる。

イタリア語と英語の2カ国語曲となる「If Only」の他に、イタリア語版「Qualcosa più dell’Oro」ミュージック・ビデオ)、スペイン語版「Tu Eres Mi Tesoro」ミュージック・ビデオ)もそれぞれ同時リリース。そのオーケストラには、当時15歳の頃からアンドレア・ボチェッリの舞台で演奏するウクライナのアナスタシア・ペトリシア(Anastasiya Petryshak)がヴァイオリン奏者として加わります。

アルバム・バージョン「If Only」では、今最も勢いのあるポップ・スター、デュア・リパ(Dua Lipa)と夢のコラボレーション。現地時間11月2日、神秘的な映像が公開された。アルバム『Sì』にはエド・シーラン(Ed Sheeran)とコラボした注目曲「Amo Soltanto Te」など収録(追記)。

家族とともに14年ぶりのアルバム発表を行った。バージニアちゃんは「パパに拍手喝采をお願いします!」、アンドレア・ボチェッリは思わず笑みをこぼした。

アルバム発表のプレス・リリースでアンドレア・ボチェッリは、「若い頃の自分の記憶に戻りたかったんだ、ピアノ・バーで演奏していた頃の自分に。その後、私はたくさんのアルバムを作り、カバーし、様々な曲を歌ってきた」。「しかしある時、自分にこう問いかけたんだ、新しい曲を見つけることに力を入れる時が来たのではと」。「私の音楽キャリアのかつてのように、一からやり直すように」。

そして「イエス」と題したアルバム・タイトルについて、「私たちが今直面している歴史的な時代のなかで、私たちはノーとよく口にする」。「しかしイエスは、ファースト・キスのときだったり、誰かに賛同するときだったり、誰かを心地よくさせるときだったり、そういう時に口にする言葉」。「“Sì”という言葉は、物事がハッピー・エンドになる言葉で」、「“Sì”は、ポジティブで、人間味のある、心と感情がこもった表現だよ」。

先週ロンドンのウェンブリー・スタジアムで、エド・シーラン(Ed Sheeran)とそのコラボ曲「Perfect Symphony」記事)の初ライブ・パフォーマンスを行ったアンドレア・ボチェッリは、明後日(現地時間6月21日)、米ABC『ジミー・キンメル・ライブ!』(原題:Jimmy Kimmel Live!)で新曲「If Only」を初披露する予定。ポップ・アルバムとしては前作『Cinema』より3年ぶりとなる待望の最新アルバム『Sì』通常盤・デラックス盤、国内盤共に、10月26日にリリースされます。

 
 
 
 


If Only
Written by by Francesco Sartori
Produced by Bob Ezrin and Mauro Malavasi

(バース1・イタリア語)
そばに来て、近くに
私のそばに、ここに
さぁ、さぁ
あなたは大切な人
ゴールドよりも
夜明けのように
待ち続けたもの

(コーラス・英語)
もしも時を戻せるならば
私たちがさようならと言った日まで
あなたのハートは私のものだったかもしれない
愛しいあなた、もしも…

(バース2・イタリア語)
あなたはどこ?あなたはどこ?愛する人
空にあるもの
天にある
ゴールドよりも輝くもの
あの歌のように
あなたと一緒に踊った歌のように

(コーラス・英語)
もしも時を戻せるならば
私たちがさようならと言った日まで
あなたのハートは私のものだったかもしれない
愛しいあなた、もしも…

(ブリッジ・イタリア語)
今も人生は、
私たちに訪れる、もしもあなたと共にいるなら
天は再びここに現れよう
永遠に

(コーラス・英語)
あなたのハートは私のものだったかもしれない
愛しいあなた、もしも…

(イタリア語)
あなたは世界を動かし
力強く風を起こし
小麦を揺らす

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