アメリカズ・ゴット・タレント2018準決勝前半戦 ズーカロー、マイケル・ケテラーら決勝進出


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決勝の舞台をかけた戦い、全米夏の最高視聴率番組シリーズ米NBC『アメリカズ・ゴット・タレント』(原題:America’s Got Talent)シーズン13準決勝(Semifinals)「Week 1」が今週(現地時間9月4日)ハリウッドで開催。オーディエンスの投票を経て、翌5日その結果が発表され、ズーカロー、マイケル・ケテラーらが決勝進出を果たした。

2週に分けて行われる準決勝では、準々決勝(Quarterfinals)を勝ち上がった21組とワイルドカード1組の計22組が競い合う。各回11組の内、アメリカの一般投票(アプリ、専用サイト、テレボートなど)を経て、上位3位までが決勝進出確定。第4位、第5位、第6位の枠の中から、リザルト放送中の視聴者ライブ投票(アプリまたは公式サイト)で1組がセーブ(Dunkin’ Save)。さらにその残りの2組から1組が審査員チョイス(Judges’ Choice)で勝ち残り、各回5組が決勝に進む。

ズーカロー

今週行われた前半戦、ゴールデン・ブザー組でドルビー・シアターを沸かせたのは、最後に登場したオーストリアのアクロバティック・ダンス・グループ、ズーカロー(Zurcaroh)。古代エジプトからインスパイアされた世界を宙を舞うパフォーマンスと独創的なダンスで表現。アディエマス(Adiemus)「Adiemus」の荘厳な響きに目を奪うスペクタクルなショーで全米を歓喜に包んだ。興奮さめやらぬ審査員メル・B(Mel B)は「何てことだわ!この番組で涙を流し、笑い、絶叫してきて、そして今、言葉を失いただただ衝撃を受けているわ」。「信じられないくらい素晴らしいわ」。

準々決勝では旧約聖書『創世記』アダムとイヴの物語を舞台に再現したズーカロー。8歳の子から39歳からなるエアリアル・ダンス・アクトを率いるのは、ブラジル人振付師でファウンダーのピーターソン(Peterson da Cruz Hora)。ダンス、舞台演出、衣装、音楽、ストーリーラインを融合させ、圧巻の世界観を生み出した彼を審査員サイモン・コーウェル(Simon Cowell)は”現代のグレイテスト・ショーマン”と称え、「これから我々はあなたを”グレイテスト・ショーマン”と呼ぼう、まさにその姿だ。あなたがそれを見せてくれた」。「この番組を始めた頃、このような才能を見つけるとは夢にも思わなかったよ」、「あなた達は我々の夢を叶えてくれた。間違いなくセンセーショナルなものだ」。ズーカローは「オーディション・ウィーク」で司会者タイラ・バンクス(Tyra Banks)から今シーズン最初のゴールデン・ブザーを獲得。その決勝進出を決めた。

マイケル・ケテラー

ズーカローと並び決勝進出確定を果たしたのは、サイモン・コーウェルのゴールデン・ブザーを獲得していたソウルフルな父ちゃん、米マイケル・ケテラー(Michael Ketterer)。米カリフォルニア州オレンジ・カウンティの子ども病院で小児精神科看護師として働く41歳は、今回マイリー・サイラス(Miley Cyrus)による2010年映画『ラスト・ソング』(原題:The Last Song)曲「When I Look At You」を選曲。ジェイムス・ベイ(James Bay)の「Us」のカバーで涙を呼んだ準々決勝に続いて、苦難に射し込む光を歌い上げた。

メル・Bは「私の全てに心から触れたわ。まるで私に語りかけ歌っているように感じた」。「心の病にあなたがしていること、素晴らしいわ。私自身も心の病を患い、だから何か繋がりを感じるのだと思う」。もともと医療部隊に従事していたというマイケル・ケテラー、自身の子どもの心の病と向き合うなか、助けを必要としている子どもたちがいることに気付かされ、小児精神科の看護師になったという。そんな彼にメル・Bは「勝ち進んでほしいわ、またその歌声を聞きたいもの。あなたは本当に説得力があり心がこもっているわ」。

彼の人間性とシンガーとしての実力に惚れ込んだというサイモン・コーウェル。二人は共に父親。マイケル・ケテラーは奇跡的に命を授かった自身の娘に加え、ホームレスの子、脳性小児まひの子など5人の養子を迎え、6人の子を育てる。今回そんな子どもたちに「夢を叶える父ちゃん」の背中を見せるためにアメリカズ・ゴット・タレントに出場したという。サイモン・コーウェルはカントリー・スター、ガース・ブルックス(Garth Brooks)に宛て、「ガース・ブルックス、もしこの番組を観ていてマイケルが決勝に勝ち進むことが出来たら、どうか彼にファイナルでの曲を作ってくれませんか」、「このメッセージが彼に届くと願ってる、私は君がファイナルでキラー・ソングを歌い夢を叶える姿を見たいんだ、マイケル」、「どうしても実現させて欲しい」、「我々は楽しみにしているよ」。

シン・リム

ズーカロー、マイケル・ケテラーと並んでトップ3で決勝進出を果たしたのは、”至近距離”マジックで人気を集める米マサチューセッツ州のカード・マジシャン、シン・リム(Shin Lim)。トップ3の中では唯一審査員らからゴールデン・ブザーを獲得していないアクト、しかし目を疑うマジックで全米のハートを掴んだ。

Dunkin’ Save

第4位、第5位、第6位の枠に入ったのは、米ユタ州の曲芸夫婦、デュオ・トランセンド(Duo Transcend)、ロサンゼルスのコメディアン、サミュエル・J・コンムロ(Samuel J. Comroe)、オレンジ・カウンティの少年少女合唱団、ボイス・オブ・ホープ・チルドレンズ・クワイヤ(Voices Of Hope Children’s Choir)。ライブ投票の結果、サミュエル・J・コンムロが「Dunkin’ Save」で決勝進出を決めた。

Judges’ Choice

ジャッジ・チョイスでは、ハイディ・クルム(Heidi Klum)とサイモン・コーウェルが、ボイス・オブ・ホープ・チルドレンズ・クワイヤを選択。ブロードウェイ・ミュージカル『ウィケッド』(原題:Wicked)曲「Defying Gravity」を披露したボイス・オブ・ホープにサイモン・コーウェルは、「これこそがアメリカズ・ゴット・タレントで勝ち残って欲しいと私が願うアクトだ」。「アメリカの皆さん、どうかこの子たちをファイナルに送って下さい」、「君たちの全てのパフォーマンが大好きだ」、「間違いなく素晴らしい」。

一方、メル・Bとホーウィー・マンデル(Howie Mandel)は、デュオ・トランセンドを選び、票が分かれ、その結果アメリカの票が多かったデュオ・トランセンドがジャッジ・チョイスに選ばれた。「ジャッジ・カット」ではデュオ・トランセンドは手に汗滑るアクシデントで妻のメアリーがセーフマットの床に落下。幸い大きな怪我はなく、落選の可能性もあったが、審査員らからスタンディングオベーションが送られ、今回決勝に駒を進めた。

セミファイナリスト

激戦のなか運命を分けたゴールデン・ブザー組。ハイディ・クルムのゴールデン・ブザーを獲得し、ジェシー・J(Jessie J)「Who You Are」をパワフルな歌声で歌い上げた16歳少女マケイラ・フィリップス(Makayla Phillips)が惜しくもセミファイナリストでフィニッシュとなった。

そしてメル・Bが自身の姿を重ねゴールデンブザーを送り支持していた米マサチューセッツ州ボストンの16歳の移民の少女、アマンダ・メナ(Amanda Mena)がファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)「Happy」をソウルフルなアレンジで挑んだものの、惜しくも敗退。今回全米を沸かせる活躍を見せる3組のティーンのシンガーの内、2組がステージを後にした。

またオリジナル曲「Broke」を披露した夫婦によるフォーク・ポップ・デュオ、アス・ザ・デュオ(Us the Duo)、フィリピンのダンス・グループ、ジュニア・ニュー・システム(Junior New System)パフォーマンス動画)、ワイルド・カードのフロント・ピクチャーズ(Front Pictures)パフォーマンス動画)が準決勝敗退。その結果、前半戦のシンガーのアクトとしてはマイケル・ケテラーのみが決勝に勝ち上がった。

準決勝後半戦「Week 2」では、ゲスト審査員オリヴィア・マン(Olivia Munn)のゴールデン・ブザーを獲得した米カリフォルニア州ロサンゼルスの合唱団、エンジェル・シティ・コラール(Angel City Chorale)、ホイットニー・ヒューストンを彷彿とさせる歌唱力で魅せるオランダ・アムステルダム出身の40歳、グレニス・グレイス(Glennis Grace)、沈黙の神業アロン・クロー(Aaron Crow)、米オレゴン州マクミンヴィルの兄姉弟バンド、米ウィー・スリー(We Three)、米エレクトリック・ヴァイオリン奏者ブライアン・キング・ジョセフ(Brian King Joseph)、米オペラ歌手ダニエル・エメット(Daniel Emmet)、米コメディアン、ヴィッキー・バーボラク(Vicki Barbolak)、米シンガー、クリスティーナ・ウェルズ(Christina Wells)、米シンガー、ノア・グスリー(Noah Guthrie)、ドミニカ共和国のダンス・グループ、ダ・リパブリック(Da RepubliK)。そして注目の14歳英コートニー・ハドウィン(Courtney Hadwin)がいよいよ登場、高い期待の声が寄せられる。

「Week 2」のライブ・パフォーマンスは、来週、現地時間9月11日。そして翌12日にアメリカのハートを捉えた運命の全ファイナリストが明らかになる。

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