リンキン・パークのチェスター・ベニントン、最新曲「Talking to Myself」MVが死去直前に


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音楽界にあまりに深い衝撃

(米カリフォルニア州ロサンゼルス)現地時間7月20日(木)、米ロックバンド、リンキン・パーク(Linkin Park)のフロントマン、チェスター・ベニントン(Chester Bennington)がロサンゼルス、パロス・パーデス・エステーツの自宅で亡くなったことがTMZにより報じられました。享年41歳。TMZが報じた内容によると、死因は自らの首を吊り命を絶ったものによると現在みられており、午前9時前に従業員が発見。6人の子供がいるチェスター・ベニントンの家族は自宅にはいなかったことが報じられています。

ドラッグ、アルコール中毒と闘うなか、幼少時代に受けた虐待により自らの命を断つことも考えた過去を告白していたチェスター・ベニントン。今年5月には親友で米ロック歌手クリス・コーネル(Chris Cornell)が首を吊り命を絶ち死去。レナード・コーエン(Leonard Cohen)の「Hallelujah」で追悼を捧げたその葬儀はほんの2ヶ月前。チェスター・ベニントンが亡くなった日は、クリス・コーネルが53歳の誕生日となるはずの日でした。


これまでにロサンゼルス郡検視官最高責任者(Brian Elias)がチェスター・ベニントンの死亡を認めたことがAP通信により報じられた他、メンバーのマイク・シノダ(Mike Shinoda/篠田賢治)氏が「衝撃を受け、胸が引き裂かれる思いです、しかし(亡くなったというニュースは)真実です。正式な発表は後ほど行います」とコメントを発表。

Legacy

1996年に米カリフォルニア州アゴウラヒルズで結成したロックバンドは、オルタナティヴ・ロック、メタル、ラップをハイブリッドしたデビュー・アルバム『Hybrid Theory』で衝撃を走らせ、全米ビルボード総合アルバム・チャート「Billboard 200」最高第2位を記録。世界売り上げ300万枚を越え、21世紀最多セールスを記録したデビュー・アルバムに。

その後リリースした2ndアルバム『Meteora』(2003年)、3rdアルバム『Minutes to Midnight』(2007年)、4thアルバム『A Thousand Suns』(2010年)、5thアルバム『Living Things』(2011年)、そして今年5月リリースの7thアルバム『One More Light』は、全て「Billboard 200」第1位を記録。アルバムごとに新しい方向性を模索し革新的歩みを続けてきたリンキン・パークは、今世紀最大の最も影響力のあるロックバンドの不動の地位を築き上げます。

シングル曲では『Hybrid Theory』より「In the End」が全米ビルボード総合ソングチャート「Hot 100」で最高第2位(2002年)を記録。『Meteora 』より「Numb」は第11位(2004年)を記録し、同曲をジェイ・Z(Jay-Z)の「Encore」とマッシュアップした「Numb/Encore」(EP『Collision Course』)は第20位を記録し2006年グラミー賞を受賞した他、『Minutes to Midnight』より映画『トランスフォーマー』(原題:Transformers)主題歌に起用された「What I’ve Done」は第7位(2007年)、「Shadow of the Day」は第15位(2008年)を記録。

そして映画『トランスフォーマー/リベンジ』(原題:Transformers: Revenge of the Fallen)で再び主題歌に起用された「New Divide」は第6位(2009年)を記録します。

2ヶ月前にリリースされたばかりの最新アルバム『One More Light』、そのリード・シングル曲「Heavy」では、リンキン・パークとして初の女性アーティストとのコラボレーション。「どうして全てのことがこんなにも重いのか」、逃れられない精神的重圧に気が狂いそうになる中、「耐え抜くんだ」とその葛藤を描く同曲は、今年上半期デジタル・ロック・ソング売り上げ第2位を記録し(米ビルボード誌)、ジャンルを越えて幅広いオーディエンスの心を捉えます。

死亡直前に公開されていたMV

チェスター・ベニントンの死亡が伝えられる数時間前に公開されていた最新シングル曲「Talking to Myself」のミュージック・ビデオ。自らの内面の問題と闘っている愛する人へ宛てた同曲は、チェスターの妻(Talinda)の視点から描かれた楽曲であると捉えられています(米ビルボード誌)。

あなたは私に言う、私には理解できないと/でもあなたは私にチャンスさえ与えてくれない」、「あなたが作り上げる全ての壁/ずっと私は追い続けている/あなたを見失いながら」、「あなたは別の誰かになってしまっている/…」、「私はただ、自分に言い聞かせるだけ/自問自答し/自分に話しかけている

RIP Chester,

音楽界に激震が走る突然の訃報を受け、ツアーを共にしたマシン・ガン・ケリー(Machine Gun Kelly)をはじめ、ファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)リアーナ(Rihanna)イマジン・ドラゴンズ(Imagine Dragons)チャンス・ザ・ラッパー(Chance the Rapper)らジャンルを越え数多くのアーティストからその悲しみの声が寄せられるなか(MTV)、ヘイルストーム(Halestorm)のフロントウーマン、リジィ・ヘイル(Lzzy Hale)は、インスタグラムで次のように語ります。

「安らかに、チェスター。私たちはまた一つ、今日の時代の歌声を失ってしまったわ。みんなにこのことを伝えたいわ、あなたは決して一人ではないって。人生は辛く、そして私たち一人一人が自らの内に悪を抱え、日々闘っている。そして一人の人間として…、自分の役割を果たしていこう。ネットで人を叩くのはやめて、くだらない理由で人を嫌うのはやめて。そのかわりに、希望という心励ますメッセージ、そして愛、そしてロックを。たった一つの思いやりある言葉が、誰かの人生を変えることができる…。私はそれをずっと見てきたわ。人は誰かを助けることも、誰かを傷つけることもできる力がある…、だから前向きなものを選び広めてほしい。チェスター、あなたがいなくなって寂しくなるわ、そしてこのような形で去らざるを得なくなった心境を思うと、心が痛い。でもあなたの音楽を聞いて、救われているたくさんの人がここにいる。チェスター、この世界にいてくれてありがとう、そしてあなたは私たちの中で永遠に生き続けるわ。」

Messenger

そしてリンキン・パークとともにロックの最前線で活躍してきたニッケルバック(Nickelback)は、「The Messenger」より次の言葉を引用し、追悼を捧げます(twitter)。

“When life leaves us blind, love keeps us kind.”
– Chester Bennington
(1976/3/20 – 2017/7/20)

チェスター・ベニントンが自らの子どもたちに贈る曲「The Messenger」(アルバム『A Thousand Suns』収録)では、子どもたちが大きくなり、苦難に直面する時が訪れるかもしれないとき、たとえどんなことがあっても、子どもたちを愛している、深い愛の力をそのメッセージに込めます。

“The Messenger”

(バース1)
孤独になり
この非情な世の中から切り離された感じるとき
本能はお前に逃げろと告げる

心の声を聞いて
天使たちの声を
その歌が
お前を家に連れ戻してくれるだろう

(コーラス)
人生に光を奪われても
愛が温もりを灯し続け
心ある人間でいられるんだ

(バース2)
十分苦しみ
心が崩壊するとき
その闘いでますます絶望的になっていく

忘れないで、お前は愛されているということを
これからもずっと愛されているということを
このメロディがお前を家に連れ戻してくれるだろう

(コーラス)
人生に光を奪われても
愛が温もりを灯し続け
人生に光を奪われても
愛によって心ある人間でいられるんだ

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