新星フレイヤ・ライディングス、珠玉のピアノバラード「You Mean the World to Me」アリア・スタークが熱演


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"サーセイ・ラニスター"初監督作

昨年夏、人々の心を掴んで離さないソウルフルな歌声で愛の喪失と心痛を描いた哀愁のピアノ・バラード「Lost Without You」が感動を呼び、インディペンデント・レーベルのシングルながらストリーミング世界1億回超えを記録した北ロンドンの新星フレイヤ・ライディングス(Freya Ridings)。その「Lost Without You」を収録した24歳シンガー・ソングライターのデビューEP『You Mean the World to Me』ダウンロード版)が現地時間3月1日、タイトル・トラックの映像とともにリリースされました。

哀調を帯びた美しい「You Mean the World to Me」はアデル(Adele)「Hello」の音楽プロデューサー、グレッグ・カースティン(Greg Kurstin)がプロデュース。そのミュージック・ビデオにはHBOスペクタクル・ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』で父の仇を討つべく剣士に成長していく孤高の少女アリア・スターク役の英女優メイジー・ウィリアムズ(Maisie Williams)。幼い頃母親が家を出ていき、残された父親と二人で乗り越えていく娘役を熱演します。監督を務めるのはアリアの「絶対ぶっ殺すリスト」ほぼトップに入る非道な女帝サーセイ・ラニスター役の英女優リーナ・ヒーディ(Lena Headey)。まさかのタッグとなり深淵に触れる美しい歌声が切なくも熱い物語を描きます。

「私はただそこに座り見ていた、あなたが去っていくを/私はこんな氷の女王じゃない/私が何も感じないとあなたは思っている/心に刻まれた恐怖/それは骨までえぐる/今まで伝えられなくて、本当にごめんなさい/どれだけあなたが大切なのか」、「あなたには見せていない/でもあなたは私の全て/すごくズルいかもしれない/でも私にとってあなたが全て」

今回監督初挑戦となったリーナ・ヒーディはステートメントで「フレイヤの歌声とその歌に心震わされたわ」、「私たちは今回幾つかバージョンを製作したの。ダークすぎると思われるものもあったわ。完成作ではフレイヤの生の、エモーショナルなパフォーマンスを見れるものに出来上がったと思っている。家族の要素がこの歌のテーマになっているわ」。臨場感あるドラマティックなシーンをとともに、ぶつかり合いそれぞれの心の傷と苦難を乗り越えていく娘と父親の愛の形を映し出します。


フレイヤ・ライディングスは自身のSNSで「”You Mean the World to Me”は自分の最も身近な人にどれだけ愛しているか伝えることの葛藤について歌っています」。映像では父親と娘だけでなく、家を出ていく母親から娘への気持ちを描写。来月ファイナル・シーズンが全米で放送開始となる大作の豪華キャストとのタッグについて「リーナ・ヒーディとメイジー・ウィリアムズがこの新曲のミュージック・ビデオを作りたいと聞いた時は恐縮の至りでした」。「この曲はとてもパーソナルなもので私にとってエモーショナルな歌です。この作品を手がけたとても知的で力強い女性たちにただ畏怖の念を抱くばかりです。同時にある女性を投影しています、もともとこの曲で私が描いた人、それは私の母親です」。フレイヤの母親が病気だった時期についてフレイヤが書いた歌だといいます。

Lost Without You

フレイヤ・ライディングスは重度の失読症(ディスレクシア)。読み書きが困難で学校では勉強に苦労し、仲間に入ることができずにいじめを受けるなど孤立、2年ほどホームスクールで母親から教えてもらっていた時期もあったといいます。「苦難を乗り越えるために私の母はいつも私に言い聞かせていました、いじめた人の名前もいつかきっと忘れてしまうわと。その当時はそれを信じられないでいました」(GQ)。そんな彼女の心の拠り所となった音楽。「私はピアノとギターが大好きでした、しかし私は譜読みができず私の音楽の先生は次々に私のことを諦めていきました」(BBC)。

両親はミュージシャン。ペッパピッグ(Peppa pig)の声優(Daddy Pig役)でもある父親(Richard Ridings)はギターを弾くシンガー・ソングライター、母親はピアノとハープを弾き音楽に溢れる家庭に生まれ育った彼女は幼少時代の頃から自然と音楽に関心を抱くようになったといいます。しかし障害により譜読みができなかったフレイヤは「教えてくれる先生がいなかったので、9歳の頃自分の曲を書き始めました」。他の人の音楽が読めないなら、自分の音楽を作って弾く。11歳の時学校での演奏をきっかけに、音楽の道に進むことを決意したといいます。

16歳の時からアデル(Adele)やエイミー・ワインハウス(Amy Winehouse)など数々の世界的スターを輩出してきたロンドンにある無料の芸術学校ブリット・スクール(The BRIT School)で音楽を学んだフレイヤ。しかし「その時私はとても恥ずかしい思いをしていました、クラシックの教育を受けた人達のように弾くことができなかったからです」。「今になって振り返ると、それにとても感謝しています。私の人生のとても決定的な瞬間でした、自分自身の曲を作らなければならないと追い込まれたからです」。

普通の人ができることをできない彼女に襲い続けた疎外感、孤独。「でもそれが私の人生の嵐のような苦難の数々を乗り越える基盤となりました」(The Sun)。それは同時に彼女の音楽の礎となり、アデルやフローレンス・アンド・ザ・マシーン(Florence the Machine)、そして父親が好きだったというキャロル・キング(Carole King)やジェームス・テイラー(James Taylor)に強い影響を受けながら楽曲を制作。弱さに射し込む音楽と重苦しくダークで寂しく温かい歌声は深い共感を呼び、人々の痛みを癒やし孤独を埋め苦難を乗り越える力となっていきます。

「駅で立ち尽くし、あなたが去っていくのを見つめながら/今まで感じたことのない痛み/これほどまで誰かを愛すること、抑えることができない/あなたは言った”他の世界が見たい”と、そして私は言った”行きなよ”と」、「でもあなたなしにはどうすることもできない/あなたがいないと引き裂かれるように感じる/ずっと強い人間だった/こんなにもあなたのことが必要だなんて思ってもみなかった/あなたなしに、私はどうしていいかわからない」

「人々が足早に通り過ぎていく、家に帰るため/あなたが私の唯一の安心できる場所/猛烈な勢いで私を打ち付ける、まるで息ができない/そして誰も知らない、この私の中にある痛み/私の世界が崩れていく、あなたを放すべきじゃなかった」、「あなたなしにはどうすることもできない/あなたなしに/私はどうしていいのかわからない/あなたがいないと押し潰されるよう/ずっと強い人間だった/こんなにもあなたのことを愛しているとは思ってもみなかった」、「駅で立ち尽くし、あなたが去っていくのを見つめながら/あなたは言った”他の世界が見たい”と、そして私が言った”行きなよ”と」

彼女がブレイクするきっかけを作ったサード・シングル「Lost Without You」ダウンロード版)はもともと2017年11月リリース。2018年7月にイギリスの人気リアリティー恋愛番組『Love Island』のエピソードのBGM(動画)で流れたことをきっかけに広まり、その後テイラー・スウィフト(Taylor Swift)も自身のお気に入りプレイリストに追加。「Lost Without You」はメジャー・レーベルのプロモーションなしに全英シングルチャートでは8週でトップ10を記録、全英インディペンデント・シングルチャートは通算13週で第1位。日本のTV番組でもBGMに使われるなどその歌声は海を渡り、”涙腺崩壊ソング”とも呼ばれ世界を感動に包んだ「Lost Without You」は、アメリカではケイティ・ペリー(Katy Perry)、ザ・ビートルズ(The Beatles)らのCapitol Recordsとのレコード契約を実現させました。

「Lost Without You」を書いた当時を振り返りフレイヤは「孤立していた時私が書いた曲が人々と私を結ぶことになるなんて本当に信じられないわ」。昼食に彼女が座ると皆が席を離れていったという学校時代、隠れるようにピアノの教室で一人曲を書いていたのが彼女の音楽の原点でした。「それは私の人生の孤独な時期でした、でもそれがあって私は普通なら友だちに話すようなことをピアノにする必要があったのです」

フレイヤ・ライディングスのセルフタイトルとなるデビュー・アルバムは再来月、2019年5月31日にリリースされる予定です。

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