カントリーロードと永遠のラブソングが心しみる壮大な感動曲に「Forever Country」キャリー・アンダーウッドら歴代スター集結


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祝CMAアワード50周年記念に歴代カントリー豪華スターが集結。「カントリー・ロード(耳をすませば)」、「On The Road Again」、「I Will Always Love You」が美しい一つの曲となり「桁違いのマスターピース」に。

1920年代アメリカ合衆国南部で発祥しアメリカの人々の心の歌として親しまれてきたカントリー・ミュージック。その主要音楽祭の一つCMAアワード(Country Music Association Awards)が今年で50周年を迎えることを記念し、ウィリー・ネルソン(Willie Nelson)、ドリー・パートン(Dolly Parton)ら米カントリー界のレジェンドから、キャリー・アンダーウッド(Carrie Underwood)、ケイシー・マスグレイヴス(Kacey Musgraves)まで、古今のカントリー界を代表する30のアーティスト/グループ(「Artists of Then, Now, and Forever」)が一同に集結した楽曲「Forever Country」のミュージック・ビデオが今週火曜日米ABC『Dancing With the Stars』にて初公開されました。

2013年7月にウイルス性心筋症で危篤状態、脳梗塞を併発したランディ・トラヴィスは映像のみの登場となった。(※2016年10月18日追記)現地時間10月16日、ランディ・トラヴィスがCountry Music Hall of Fame式典にて脳梗塞で危篤状態となってから3年の時を経て、再び「Amazing Grace」でその歌声を披露、会場は涙で包まれた(※英文記事、動画)

ジブリ映画『耳をすませば』挿入歌としても知られる故ジョン・デンバー(John Denver)の名曲「故郷に帰りたい」(カントリー・ロード、耳をすませば、”Take Me Home, Country Roads”)、ウィリー・ネルソン名曲「On The Road Again」、故ホイットニー・ヒューストン(Whitney Houston)により映画『ボディガード』でカバーされたことでも知られるドリー・パートンの名曲「I Will Always Love You」の3つの楽曲が巧みに融合される形でマッシュアップされ一つの美しい楽曲となる「Forever Country」。

アメリカ故郷の自然豊かな情景が映し出され「天国のようなウェストバージニア」(”Almost heaven, West Virginia”)とウェストバージニア州出身のブラッド・ペイズリー(Brad Paisley)がカントリーの”アベンジャーズ”の先陣を切る同曲では、リリック一つの一つのラインでACMアワードを受賞した歴代の豪華アーティストが代わる代わる登場、日本人の心にも深く染み渡るメロディに乗せ、雄大な自然と素朴な暮らしの巡る時代の移り変わりがスクリーンに映し出されます。

CMAアワード受賞歴代豪華アーティストら

CMA Awards Official Site

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ブラッド・ペイズリーから始まり、キース・アーバン(Keith Urban)、ティム・マグロウ(Tim McGraw)、その妻フェイス・ヒル(Faith Hill)、リトル・ビッグ・タウン(Little Big Town)、ルーク・ブライアン(Luke Bryan)、ミランダ・ランバート(Miranda Lambert)、ブレイク・シェルトン(Blake Shelton)、ジョージ・ストレイト(George Strait)、ケイシー・マスグレイヴス、エリック・チャーチ(Eric Church)、ロニー・ミルサップ(Ronnie Milsap)、チャーリー・プライド(Charley Pride)、ディエクス・ベントレー(Dierks Bentley)、トリーシャ・イヤウッド(Trisha Yearwood)、レディ・アンテベラム(Lady Antebellum)、マルティナ・マクブライド(Martina McBride)、デリアス・ラッカー(Darius Rucker)。そしてジェイソン・アルディーン(Jason Aldean)、ラスカル・フラッツ(Rascal Flatts)、ウィリー・ネルソン、ブルックス&ダン(Brooks & Dunn)、アラバマ(Alabama)、ブルット・エルドリッジ(Brett Eldredge)と続き、リーバ・マッキンタイア(Reba McEntire)、アラン・ジャクソン(Alan Jackson)、ヴィンス・ギル(Vince Gill)、キャリー・アンダーウッドへ。黄金色に輝く小麦畑にこれまで出てきたアーティストが集結し、”I Will Always Love You”の旋律がその道を開くと、CMAアワードのホストを長年務めるブラッド・ペイズリーとキャリー・アンダーウッドから、最後に神々しくもドリー・パートンを迎えます。;)

「I Will Always Love You」に「神が降りてきた」

©Forever Country: Artists of Then, Now, and Forever | CMA

©Forever Country: Artists of Then, Now, and Forever | CMA

愛する人との別れそしてその永遠の愛を歌う「I Will Always Love You」について当初テンポ、コード、楽曲の意味から、この曲に入れる予定はなかったと同曲のプロデューサー、作詞作曲を手掛けたシェイン・マカナリー(Shane McAnally)は振り返ります。しかしどうしても最後に取り入れたいという皆の意向を踏まえ、試行錯誤の中、ケイシー・マスグレイヴス「Merry Go Round」、同収録アルバム『Same Trailer Different Park』でグラミー賞最優秀カントリー楽曲賞、グラミー賞最優秀カントリーアルバム賞を受賞した米41歳シンガー・ソングライターは、「神が降りてきたんだ、そして3つの曲が完璧に融合したよ」と明かします。そして同曲は、「カントリー・ミュージックへのラブ・ソング」として新たな命を宿します。

2014年第56回グラミー賞最優秀カントリー楽曲賞(Best Country Song)受賞曲ケイシー・マスグレイヴス「Merry Go Round」。同収録アルバム『Same Trailer Different Park』(2014年)も同年グラミー賞最優秀カントリーアルバム賞(Best Country Album)を受賞した。

“It is a love song to country music, and that’s how everybody approached it that came in,” McAnally said. “Sometimes you just can’t put your finger on why something works so well. You don’t want to mess with it. God intervened, and those three songs worked perfectly.”

(記事)“All-Star “Forever Country” Tops International Charts” on CMT

重鎮ドリー・パートンのお言葉

©Forever Country: Artists of Then, Now, and Forever | CMA

©Forever Country: Artists of Then, Now, and Forever | CMA


「ドリーさんが聞いたとき、彼女の曲を少し汚してしまっているように聞こえてしまうんじゃないかって、物凄く怖かった」と語るシェイン・マカナリー。「私たちが真心を込めてこの曲を取り入れたということを彼女に知ってもらうことがとても重要だったんだ」と大御所への隠しきれない恐怖を明かします。緊張高まる中この曲を聞いた70歳のレジェンドは「ワァーオー、すごくいいじゃないの!」の神のお声。「彼女の前で泣いてはいけないと必死だったよ。そのあともう泣きまくったよ」と当時の心境を米PEOPLE誌に明かします。

“I was very scared when Dolly heard it that it might seem like a bit of a compromise to the integrity of the original song,” he says. “The song is such a simple, perfect sentiment. It was really important for her to know we handled it with care. She just listened and said, ‘Wow. That really works!’ It was really hard not to cry in front of her. I’ve cried a lot since then!”

(記事)“The Story Behind Country Music’s Epic Mash-Up! Plus: Hear Blake, Carrie, Miranda and 36 Other Stars Sing ‘Forever Country'” on People

カントリー・ファンのハートを掴む「桁違いのマスターピース」

©Forever Country: Artists of Then, Now, and Forever | CMA

©Forever Country: Artists of Then, Now, and Forever | CMA

テイラー・スウィフト(Taylor Swift)のミュージック・ビデオ(「Blank Space」、「Bad Blood」、「Wildest Dreams」、「Out of the Woods」)で知られるミュージック・ビデオ・ディレクター、米ジョセフ・カーン(Joseph Kahn)がメガホンを取り、彼のアイデアで始まったマッシュアップでのスタイル。アメリカの原風景、『グランド・オール・オプリ』(The Grand Ole Opry)の舞台であったカントリー・ミュージックの聖地ライマン公会堂(Ryman Auditorium)、過去から現在、そして未来へ、「Then. Now. Forever Country」をテーマに制作された同曲には、登場していないアーティストに残念な意見もある一方で、普段厳しい意見のカントリー・ファンからは、「間違いなく素晴らしいよ!本当のカントリー・ミュージックの心が最高のアーティストらと共にある。桁違いのマスターピースだよ!!」、「このカントリーが今まさに必要としているものだったわ」、「初めて聞いたときこんなに素晴らしいなんて信じられなかったわ。コラボレーションにみんな集まってくれて本当によく皆やってくれたと思うわ。」と感動や感謝の言葉が次々に寄せられます。

「音楽業界では信じられないこと」

©Forever Country: Artists of Then, Now, and Forever | CMA

©Forever Country: Artists of Then, Now, and Forever | CMA

30もの歴代のカントリー界スターの集結、想像遥かに超えるコラボレーションにジョセフ・カーンは米ビルボード誌でのインタビューで「音楽業界では信じられないこと」のおかげであったと語ります。大部分の音声収録は各アーティストがツアーでナッシュビルに立ち寄った際に各々レコーディング、残りの収録と共に今年6月CMTアワード、CMTフェスティバルにあわせて、ミュージック・ビデオをたったの2日間で撮影していたことを明かします。

「全てのアーティストがビシっと時間通りに来てくれてバシッと仕事をして帰っていったんだ、音楽業界では聞いたことがないよ」とジョセフ・カーンは当時を振り返ります。一見普通のようにも思えるものの、U2、レディー・ガガ (Lady Gaga)、ドクター・ドレー(Dr. Dre)、エミネム(Eminem)、リアーナ(Rihanna)、ブリトニー・スピアーズ(Britney Spears)、シェキーラ(Shakira)、クリス・ブラウン(Chris Brown)ら名だたる洋楽スターらのミュージック・ビデオを手がけるミュージック・ビデオ・ディレクターは「普通はみんな遅れてきて」「ご機嫌斜めだったり」「訳の分からなくなる人もいる」と明かします。「そうしたことはこの業界の性分なんだよ。でもそういうことは全く起きなかったんだ。それはスーパースターらからなるきちんとしたまるである一つのグループのようで、それはカントリー・ミュージックだからこそのことだと思うんだ」と語ります。

“The amazing thing was that every artist showed up on time and then did their job and then left, which is unheard of in the music industry!” he said. “The normal experience you have is that everybody is late, and there’s usually a temper tantrum at some point, and someone gets freaked out. These are just the quirks of the industry. But nothing like that happened. It’s like the most well-adjusted group of superstars you could ever have, and I think that’s specific to country music. If everybody behaved that way, my life would be so simple.

(記事)“‘Forever Country’: Inside Story of How Epic Mash-Up Song & Video Developed” on Billboard

カントリー・ミュージックだからこそできた50年史の”きせき”の楽曲、全米iTunes総合部門ソングチャートで第1位を記録し、YouTubeでは早くも650万を超える動画再生数を記録し、普段カントリーソングを聞かない若い人々からもその美しい楽曲に感動の声が寄せられます。

(追記)全米ビルボード初登場第1位、カントリー史上3曲目の歴史的快挙

Billboard Charts - Hot Country Songs

Billboard Charts – Hot Country Songs

同曲は今週発表の全米ビルボード・チャートにおいて、カントリー・ソング主要部門「Hot Country Songs」で初登場第1位を記録、総合シングルチャート「Billboard Hot 100」では初登場第21位を記録(10月8日付)。1958年10月多メトリックチャートとして集計して以来、「Hot Country Songs」チャートにおいて初登場での第1位は、2007年9月15日のガース・ブルックス(Garth Brooks)「More Than a Memory」、米NBC人気音楽番組『The Voice』シーズン7(2014年)覇者クレイグ・ウェイン・ボイド(Craig Wayne Boyd)「My Baby’s Got a Smile on Her Face」(2015年1月3日付)に次いで、史上3曲目となる歴史的快挙であることが、各誌より報道されました。

また、リリース第1週(9月22日まで)で93,000ダウンロード(※ニールセン集計)を記録した「Forever Country」は、今週発表の全米ビルボード・チャート、カントリー・ソングのデジタル配信チャート「Country Digital Song Sales」部門で初登場第1位を記録。さらに、リリース第1週で5.7万ストリーミングを記録し、「Country Streaming Songs」部門で初登場第1位を記録したことが報じられます。

(記事)“Making Music With Their Friends: ‘Forever Country’ Debuts at No. 1 on Hot Country Songs” on Billboard

「I Will Always Love You」(1974年)、「On The Road Again」(1980年)が「Hot Country Songs」チャートにおいていずれも最高第1位を記録したのに対し、リリース当時メジャー・ヒット曲とはならずその後も「Hot Country Songs」チャート最高第50位にとどまった「カントリー・ロード(耳をすませば)」。数々の名曲を残し、1997年自身の飛行機事故で53歳にしてこの世を去ったジョン・デンバーの”帰る場所”への抒情詩は、長い時を経て世界中の人々の心の拠り所となり、”永遠のカントリー”の中で第1位を記録することになります。

(記事)“Chart Watch: ‘Forever Country’ Is Off to a Fast Start” on Yahoo Music

(※追記ここまで、2016年9月30日)

「カントリー・ミュージック、カントリー・ミュージック・ファン、そして今日のカントリー・ミュージックを築き上げたアーティストらへのトリビュート」(*1)にテイラー・スウィフトは不在ながらも、「My Church」で爆発的に注目を集めるマレン・モリス(Maren Morris)やケルシー・バレリーニ(Kelsea Ballerini)らテイラー・スウィフトに続く新たな才能あふれるアーティストらが次々にノミネートされる中、ブラッド・ペイズリーとキャリー・アンダーウッドの名コンビホストのもと、いよいよ米国時間11月2日、その記念すべき授与式を迎えます。

(記事)“Dolly Parton, Carrie Underwood, more in ‘Forever Country’ video” on The Tennessean
(記事)“‘Forever Country’: Hear 30 Stars Sing Epic Willie, Dolly, Denver Medley” on Rollingstone

CMA Awards 2016 Nominees

CMA Awards 2016 Nominees


*1. 先週発表されたCMA chief executive officer Sarah Trahernによるステイトメント。”‘Forever Country’ is a moving tribute to Country Music, Country Music fans, and the artists who have built this format into what it is today,” “This music video is the product of the CMA Board of Directors who came together in support of this project as a celebration of the 50th Anniversary of the CMA Awards, a statement on the heritage and future of the Country Music industry, and a reflection of this year’s Awards theme — ‘Then. Now. Forever Country.'”

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