カラム・スコット珠玉のバラード「No Matter What」特別盤『Only Human』より


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アルバム『Only Human: Special Edition』11月30日リリース

世界に感動を呼んだ「You Are The Reason」はこれまでストリーミング世界10億回に迫り、今年1月公開されたそのミュージック・ビデオは総再生回数3.3億回を超えるカラム・スコット(Calum Scott)。自身にとっても最もパーソナルな曲だという新曲「No Matter What」ダウンロード版)のミュージック・ビデオが公開された(現地時間11月8日)。「What I Miss Most」の30歳は、「間違いなくこの曲は私がこれまで書いた曲の中で最もパーソナルな曲で、最も誇りに思う歌です」。苦悩と傷心、いじめのなかで隔絶された子ども時代、自身の波乱に満ちた半生を描く同曲では、そんな彼を救ったかけがえのないものを映し出しながら、大人になっていく姿を描く。

「救いを必要としていた、自分一人では気が狂ってく/何年もかかった、母に打ち明けるまで、最悪のことを予想した/あらゆる力を振り絞った」、「母は言った、”あなたを愛しているわ、どんなことがあっても”/”あなたが幸せであってくれればそれだけでいい、ずっとあなたのままでいいのよ”/母は私を両腕で抱きしめ、/”自分ではない人になろうとしちゃダメ”/”私はどんなことがあっても、あなたを愛しているんだから”/母は私を愛してくれる、どんなことがあっても」

愛に触れる美しい歌声と繊細なピアノの旋律が孤独から温もりへ流れていく「No Matter What」は、ジョン・レジェンド(John Legend)の「All of Me」、ビヨンセ(Beyoncé)の「If I Were a Boy」のコー・ライターで、同曲の音楽プロデューサー、トビー・ガッド(Toby Gad)と共にカラム・スコットが書き上げる。その物語では、子どもの頃カラムが自己同一性と性同一性に苦悩し孤独に苛まれながら母親に告白する記憶を辿っていく。「孤独と心痛から生まれた曲、しかしカミングアウトした私の経験の解放物語」とカラム。しかしカムアウトについて「それは何年も私の心を閉ざすものとなりました」(Newshub)。最も辛かったのは、それまでの友だちが彼を見捨てたことだったという。初めて親友に明かした時、「彼がグループの仲間一人一人に告げていくのを見ていました、そして心が壊れていくのを感じました、なぜなら彼らが二度と私と口を利かないと知っていたからです」(Calum Scott: A Coming Out Story)。「私には罰のように感じました、自分ではコントロールできず、自分自身でさえ理解し得ないものへの懲罰」。「What I Miss Most」の映像ディレクター、オジー・プルイン(Ozzie Pullin)はそんな彼の社会からの疎外をスクリーンに映し出す。

「母親に話すことはおそらく人生で最も私にとって恐怖のことでした」、「しかし母親の反応は魔法のようでした、”カラム、どんなことがあっても私はあなたを愛しているのよ”。それ以上私が望むものは存在しません」。親友らから受けた拒絶がトラウマとなり、人々の前では心の奥に押し込んでいったという青春時代。2015年、当時26歳の時に出場した『ブリテンズ・ゴット・タレント』(Britain’s Got Talent)でカラム・スコットは心震わせる歌声でスタンディングオベーションに包み審査員サイモン・コーウェル(Simon Cowell)のゴールデンブザーを獲得、そのファイナリストとなった。「夢が叶った瞬間でしたが、本当の自分の姿を世界に見せることに怯えていました。またあの時のように人々が私の前から立ち去っていくのだと」。今年3月に待望のリリースとなったデビュー・アルバム『Only Human』は世界20カ国以上で第1位を獲得。しかしそのアルバム(通常盤/デラックス盤)には同曲は収録されていない。「この曲はデビュー・アルバムに入れることができませんでした、その時まだ私には心の準備ができていなかったからです」。

レイベル(Wrabel)が昨年リリースしたトランスジェンダーの葛藤描く「The Village」のミュージック・ビデオでは、社会そして両親にも理解されない現実を映し出す。そのスクリーンには「自然界では、他よりカラフルな鳥は群れから攻撃を受ける、なぜなら違いは脅威とみなされる」。「No Matter What」の終わりでは、やがて大人になったカラムがその最後のピースを埋めていく。

「そして私は大人になり、ずっと賢くなる/顔を高く上げ地球を歩く/求めている愛を見つけた/しかしまだ私にはワンピース足りないものがあった/父は私を見て」、「父は言った、”お前を愛してる、どんなことであろうと”/”お前が幸せならそれだけでいい、ずっとお前のままでいい”/父は両腕で私を抱きしめ、/”自分じゃないやつになんてなろうとするな”/”どんなことがあってもお前を愛しているのだから”/父は私を愛してくれる、どんなことがあっても/そして彼らは私を愛してくれる、どんなことがあっても」

カラムは自分自身の経験が誰か他の人のためになれたらとその願いを込める。「若くても、そうでなくても、今もなお、あの無慈悲な恐怖と心の傷を抱えながら、同じような疑問に葛藤し生きている人々がいます。しっかりとした対話をインスパイアしたい、その思いで私は音楽を作ります」。「本来の自分の姿を隠すことなく、また自分を孤独にする愛を強いられることなく大人になれる子どもが一人でもいれば、私が経験してきた全てのことは、きっと無駄ではありません」。

「No Matter What」は、バラード「You Are The Reason」(記事)、郷愁を綴ったアップビートな「What I Miss Most」などのデビュー・アルバム収録曲にレオナ・ルイス(Leona Lewis)とのデュエット版「You Are The Reason」の他、新曲などを加えたスペシャル版『Only Human: Special Edition』に収録。『Only Human: Special Edition』は今月、11月30日にリリースされる。「No Matter What」にカラムは「この歌で私が愛するところは、セクシュアリティーの物語に限定されるものではないところです。全てを受け入れる親と子の間に生まれる関係を描いているところにあります」。「この歌、そしてミュージック・ビデオが世界の多くの人に自信をインスパイアし、そして思いやりをもたらすものになれたらと願っています」。
 

No Matter What
Calum Scott
Produced by Toby Gad
Written By Toby Gad & Calum Scott

(バース1)
小さい時、大人になっていくのが怖かった
理解できなかったが、愛を恐れていた
選ぶべきだと感じたが、どうにもできなかった
救いを必要としていた、自分の力では気が狂ってく
何年もかかった、母に告げるまで、最悪を予想した
あらゆる力を振り絞った

(コーラス)
母は言った、”愛しているわ、どんなことがあっても”
“幸せでいてくれればそれだけでいい”
“ずっとあなたのままでいいのよ”
母は私を両腕で抱きしめ、
“自分ではない人になろうとしちゃダメ”
“私はあなたを愛しているんだから”
“どんなことがあっても”
母は私を愛してくれる
どんなことがあっても

(バース2)
少し大きくなる、時間が消えてしまえばと願いながら
舗道に走らせながら、どんな晴天も曇っていた
信頼してた友達、私の言葉は崩れ落ちる
言わなければよかった、今彼らにとって私は見知らぬ人なのだから

(ブリッジ)
走って家に帰り母に会う、私の顔は明らかだった
ガラスの心が粉々になっていくように感じた

(コーラス)
母は言った、”愛しているわ、どんなことがあっても”
“幸せでいてくれればそれだけでいい”
“ずっとあなたのままでいいのよ”
母は私を両腕で抱きしめ、
“自分ではない人になろうとしちゃダメよ”
“私はあなたを愛しているんだから”
“どんなことがあっても”

(バース3)
そして私は大人になり、ずっと賢くなる
顔を高く上げ地球を歩く
求めている愛を見つけた
しかしまだ私にはワンピース足りない
父は私を見て、

(コーラス)
父は言った、”お前を愛してる、どんなことであろうと”
“お前が幸せならそれだけでいい、ずっとお前のままでいい”
父は両腕で私を抱きしめ、
“自分じゃないやつになんてなろうとするな”
“どんなことがあってもお前を愛しているのだから”
父は私を愛してくれる、どんな私でも
そして彼らは私を愛してくれる
どんなことがあっても

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