スーパーボウル2018、ジャスティン・ティンバーレイク手堅く圧巻のハーフタイムショー、ピンク国歌斉唱


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ピンク、インフルエンザのなか国歌斉唱

現地時間2月4日(日)、米ミネソタ州ミネアポリス、USバンク・スタジアムでNFL頂上決戦「第52回スーパーボウル」(Super Bowl LII)が開催。ディフェンディング・チャンピオンのニューイングランド・ペイトリオッツと、13年ぶりの出場となるフィラデルフィア・イーグルスの頂上決戦へ。2005年の大会以来の両者激突となるなか、大方の予想を覆し、イーグルスが「21世紀最強王者」ペイトリオッツを41-33で撃破。13年の時を経てその雪辱を果たし初制覇を達成しました。

一方、2004年大会での汚名返上を狙うのは、米ジャスティン・ティンバーレイク(Justin Timberlake)。全米を揺るがしたジャネット・ジャクソン胸露出事件から、14年ぶり。全米最高視聴数の大舞台となる13分間のハーフタイムショーでは、無難にまとめるも圧倒的スケールのパフォーマンス(と物議を醸すこととなるトリビュート)で、全米を沸かせます。

先週、偶然にも2013年以来初となる最新アルバム『Man of the Woods』ダウンロード版、国内盤『マン・オブ・ザ・ウッズ』)をリリースしたばかりの37歳。偶然にも立て続けにそのミュージック・ビデオが公開されるなか、偶然にもそのリード・シングル曲「Filthy」とともに場外キックオフ。Filthyなサウンド・トラブルに見舞われるも、『Man of the Woods』な衣装を纏い、ネオンのライトに照らされセクシーなダンスムーブで激闘のフィールドに姿を見せると、6万6千人超えるアリーナを揺らす歓声。

自身初のメジャー・ソロ・ヒット曲「Rock Your Body」に、観客もその体をビートに乗せながら、早くも熱狂に包むポップアイコンは、胸を露出させた当時の楽曲でフィールドの中央へ。「曲の終わるころには/裸にさせよう」その例の歌詞の直前で「ストップ!」、しながらも、フィールドの死闘を忘れるようなダンスフロアの熱気がステージを囲むと、「Senorita」からザ・テネシー・キッズ(The Tennessee Kids)をバックに、滑らかなムーブで「SexyBack」

「My Love」、「Cry Me a River」、「Suit & Tie」など自身のヒット曲メドレーから、暗闇に浮かぶ白いピアノに座りローキーな「Until the End of Time」を夜空に響かせながら、プリンス(Prince)「I Would Die 4 U」へ。パープルのライトが照らされる巨大スクリーンには、2016年に亡くなったミネアポリス出身のレジェンドが映し出されるなか、その共演とともに追悼を捧げます。

Prince

スーパーボウル開催前には、プリンスがホログラムで登場しジャスティン・ティンバーレイクと共演する演出が噂となり、プリンス・ファンらから強い非難と抗議が殺到。「Purple Rain」のスターは1998年のGuitar Worldインタビューで、「想像しうる最も悪魔的なこと」と批判。「全てはそのままの形で、そうあるべき形で。もしデューク・エリントンとセッションするなら、それは私たちが同じ時代に生きているということ。バーチャルなんて、本当に悪魔的だよ。私は悪魔なんかじゃない」、「私じゃあり得ないね。私がアーティスティックにコントロールするのも、そうしたことが起こらないように防ぐためなんだ」。

その後ホログラム共演は完全否定されたものの、結局本番ではその”共演”となり、ファンらから強い非難、一部米メディアでも批判的な意見も。しかしプリンスの妹(Tyka)はプリンスが今どう思うかはそれぞれの考え方があると擁護(TMZ)。米ビルボード誌は「今回のパフォーマンスで最も最高なシーンの一つ」(Billboard)、米ローリング・ストーンズ誌は「感動的なトリビュート」(Rolling Stone)と称賛。米ニューヨーク・タイムズ紙は「当たり障りのないデュエットは、ミュージカルなパフォーマンス以上に高揚させるものとなった」、14年前から成熟した姿に触れながら、総じて今回のショーについて手堅くまとめたと評価します(The New York Times)。

Can’t Stop the Feeling

今回期待されたイン・シンク(‘NSync)、ブリトニー・スピアーズ(Britney Spears)、クリス・ステープルトン(Chris Stapleton)、ジャネット・ジャクソン(Janet Jackson)らの登場はなかったものの、クライマックスでは「Mirrors」から3Dファンタジー・アニメ映画『トロールズ』主題歌「Can’t Stop the Feeling」へ。それぞれの”True Colors”で彩るダンサーらがフィールドを埋め尽くすなか、家族の時間ともなるスーパーボウルのハーフタイムショーでは、大切なメッセージを添えながら、スペクタクルなパフォーマンスで後半戦へ繋ぎます。


“The G.O.A.T. of Musicians”

スーパーボウル後出演したNBC『ザ・トゥナイト・ショー』でジャスティン・ティンバーレイクは「私にとって特別な瞬間だったんだ」、「彼は私にとっていつもミュージシャンとして頂点にいたんだ。私たちがそれを決めた時、ミネアポリスでのセレンディピティやシナジーだったり、世界的存在ということは別にして、彼がこの場所で特別な存在であるということ、この街のため、彼のため、ミュージシャンの神への究極のオマージュとなるよう、何か特別なことをしたかったんだ」。

そしてトリビュート・パフォーマンスを振り返り、「’I Would Die 4 U’から実際のヴォーカル、実際のレコーディング、そしてPurple Rainからその曲のパフォーマンス映像の完全版を用いたんだ」、「プリンスが私たちを見下ろしていてくれたかもしれない、同調し、クレイジーなセレンディピティの瞬間だったよ」。「この街のために何か特別なことをする機会にしたかったんだ、しかしそれ以上に、私の人生で最も愛するミュージシャンのために」。”共演”以外の方法があったのではとの声も寄せられるも、その最大の敬意を払います。

国歌斉唱 P!nk

今回オープニングセレモニーでその国歌斉唱の大役を担ったのは、ピンク(P!nk, Pink)。前日には自身のインスタグラムで、「1991年、私のアイドル、ホイットニー・ヒューストン伝説の国歌斉唱を目にして以来、ずっとこの瞬間を待ち続けてきたわ」、「それがゆっくりと悪夢になりつつあるわ」と「Beautiful Trauma」の38歳。

インフルエンザのリトル・ピンクたちが「私の口の中へ咳をダイレクトに、鼻水を私の頬にこすりつけ」、…、インフルエンザとなったことを明かします。「この歌を家族」、「そして世界中の人々の前で歌うことは、私の人生最大の栄誉の一つだわ」、「最善を尽くすことを誓う、いつものように」。

もし歌詞を間違えばアーティスト人生の危機。戦闘機も発進し、全米最大の瞬間の幕を開ける儀式にただならぬ緊張感、殺気、不安、そしてインフルが漂うなか、のど飴を直前まで口に。声をかすらせながらも、収録は用いることなく(エモーショナルな手話を横に)全力で見事歌い切ったピンク。パフォーマンス後寄せられた厳しい批判には「そうね、ヘタでも歌ったわ、あなた達は汚いソファーでヘタってただけでしょ」と一蹴。その後寄せられる数々の応援メッセージに、「皆の祈り、キャンドル、願いが届いたわ。みんな愛と応援をありがとう。愛してるわ」、犯人・娘ウィローちゃんとともに笑顔と愛を送ります。

The Champion

第52回スーパーボウルのオープニングでは、キャリー・アンダーウッド(Carrie Underwood)リュダクリス(Ludacris)とコラボレーションした勝利のアンセム「The Champion」ダウンロード版)の映像が上映され、その頂上決戦をキックオフ。

スーパーボウル後、通例ならばジャスティン・ティンバーレイクの曲が全米iTunes首位となるところ、キャリー・アンダーウッド「The Champion」が第1位を獲得します。

記事『キャリー・アンダーウッド×リュダクリス、スーパーボウル2018・平昌オリンピックテーマ曲「The Champion」リリース』(インタビュー他)。スーパーボウルのオープニング映像は、顔の怪我の前に昨年撮影された。

誰にも負けず、屈しないわ/誰も阻止できず、揺らぐことはない/私をノックダウンしようとも、私は再び立ち上がるわ」、「勝者となり、私の名を知ることになるだろう/もう私を傷つけることなんてできない、痛みなんて感じないわ」、「私はこのために生まれてきたわ、そうよ、勝つために」、「私がチャンピオンだわ

同曲はまもなく開幕する平昌冬季オリンピック、そのテーマソング(米NBC番組)にも起用。昨年11月に階段で転倒し顔に40〜50針の大怪我を負ったキャリー・アンダーウッドは、「この曲の歌詞が、皆それぞが達成、克服しようとしているものに打ち勝つために、自らの限界を超える力の支えになってくれたら嬉しいわ」、その願いを込めます。

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