シャナイア・トゥエイン最新アルバム『Now』貫禄の全米ビルボード第1位、イギリス、カナダ含む世界5カ国以上で首位


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女性カントリー歌手3年ぶり、全米首位。

デミ・ロヴァート、マイリー・サイラスら、今年注目の最新アルバムが先月最終週に続々リリース。その初登場となる今週の全米ビルボード・チャートが発表され、カントリー・ポップ界のアイコン復活に注目を集めたシャナイア・トゥエイン(Shania Twain)最新5thスタジオ・アルバム『Now』ダウンロード版)が、全米ビルボード総合アルバム・チャート「Billboard 200」初登場第1位を記録しました(※2017年10月21日付)。

15年ぶりとなったその最新アルバム『Now』では、自身のルーツとなるカントリー・ポップによるバラード・ナンバーの面影を残しながらも、EDM音楽家米マシュー・コーマ(Matthew Koma)ら幅広いジャンルの音楽プロデューサーを起用し、メインストリームのトレンド色の強いエレクトロ・ポップ、レゲエなどのニュー・サウンドへ挑戦。全曲自身がライティングする意欲作では、その人生をリリックにのせ、”新たなシャナイア・トゥエイン”の「今」を込めていきます。

女性カントリー・アーティストとして全米首位を獲得するのは、2014年6月のミランダ・ランバート(Miranda Lambert)『Platinum』以来、およそ3年ぶり。今年全米首位アルバムに輝いたカントリー・アーティストでは、養子と新たな命の2人を迎え『Life Changes』のトーマス・レット(Thomas Rhett)に続き、2人目となります。

Now

全米第1位になったと聞いて、感慨深いわ」、「みんなの応援に心から感激しているわ」と52歳となったカントリー・クイーン(Sounds Like Nashville)。全米カントリー・アルバム首位を記録した2ndアルバム『The Woman in Me』(1995年)以降全アルバムを手がけ、「世界のシャナイア・トゥエイン」を築きあげた音楽プロデューサー、ロバート・ジョン・マット・ラング(Robert John “Mutt” Lange)と、2010年に正式に離婚。

自身の親友とマットの不倫発覚により破局を迎えたシャナイア・トゥエインは、「ものすごく、とても、とても、とても時間がかかったわ。マットなしにアルバムを作るなんて考えることもできなかったわ」(ABC『Good Morning America』)。

マットを失ったことは、私の人生で計り知れない喪失だったわ。人生をやり直すのはとても難しい、そう思ったわ」。「人生の全てとの決別」となった翌年には、闘っていたライム病の副作用により、音楽キャリアを終わらせかねない発声障害となったことを告白。「もう歌声は戻らないって思っていたの」、「ものすごく辛くて、とても辛くてならなかったわ」(CBS『Sunday Morning』)。

不安とともにそれを乗り越えようとしていたわ。それは私の決意。このままじゃダメだって、そう思ったの。これをやらなくちゃって」。その第1弾となった「Life’s About to Get Good」では、「私は傷つき、粉々になっていたわ/…/Oh! 人生は歓びであり/人生は苦しみ/Oh, 人生はこれから良くなっていくわ」、アップビートな多幸感溢れるサウンドとともに、自身の内面に深く迫るリリックを、自らに言い聞かせるように歌い上げます。

楽曲の制作に携わるなかで、私は苦痛から脱する自分自身をそのまま綴ったの」。歌声を取り戻し、新たに最愛の人と結婚したシャナイア・トゥエインは、15年ぶりに全米首位という最も輝く場所に戻ってきます。

2017年カントリー第3位

累計137,000ユニットの内、134,000のアルバム・セールスを記録した『Now』は、2017年のカントリー・アルバムとしては、クリス・ステープルトン(Chris Stapleton)『From A Room: Volume 1』(202,000)、ザック・ブラウン・バンド(Zac Brown Band)『Welcome Home』(139,000)に次いで、3番目となるカントリー・アルバム週間最多セールスを記録(billboard)。

女性カントリー・アーティストによるアルバム・セールスとしては、キャリー・アンダーウッド(Carrie Underwood)『Storyteller』(164,000、2015年11月14日付)以来、約2年ぶりとなる最多セールスを記録します。

世界各国で第1位

アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、スコットランド、ジンバブエで第1位。ニュージーランド、アイルランドではトップ5を記録。

全米第2位の3rdアルバム『Come On Over』(1997年)、自身初の全米首位の前作『Up!』(2002年)に続いて、2作連続全米首位、4作連続全米トップ5となった『Now』。母国カナダでは2016年5月Drake『Views』以来の最多セールスで首位を記録したシャナイア・トゥエインは、3作連続でカナダ首位を記録します(CTV)。

また全英アルバム・チャート「Official Albums Chart Top 100」では、地元イギリスの人気ロックバンドWolf Alice(ウルフ・アリス)の最新2ndアルバム『Visions of a Life』をわずか800セールスの僅差で初登場第2位に抑え(Forbes)、初登場第1位を記録(2017年10月6日-12日)。全英初首位にして11週スローンを占めた3rdアルバム『Come On Over』(1997年)以来、約20年ぶりにその王冠を手にします。

さらにオーストラリアのアルバム・チャート「ARIA Albums Chart」では、マイリー・サイラスを初登場第2位に、『Now』が初登場第1位。

今週のBillboard 200

全米ビルボード・チャート第2位となったのは、先週2日自宅で心肺停止の状態で発見され、その後病院で死亡が確認された米人気ロック・ミュージシャン、トム・ペティ(Tom Petty)によるベスト盤アルバム『Greatest Hits』(Tom Petty and the Heartbreakers、1993年)。94年に全米最高第5位を記録した同アルバムは、84,000ユニット、内52,000のアルバム・セールスを記録します。

一方、デミ・ロヴァート(Demi Lovato)通算6枚目となる最新アルバム『Tell Me You Love Me』ダウンロード版)は初登場第3位

74,000ユニット(内、48,000アルバム・セールス)で、シャナイア・トゥエインの半分という大差となったものの、これまでにリリースした『Don’t Forget』(2008年、全米第2位)、『Here We Go Again』(2009年、全米第1位)、『Unbroken』(2011年、全米第4位)、『Demi』(2013年、全米第3位)、『Confident』(2015年、全米第2位)に続いて、圧巻の全作トップ4をキープ。

同じく元ディズニー・スターで、初登場第1位の前作『Bangerz』(2013年)より大きくオーガニックな方向へ舵を切ったマイリー・サイラス(Miley Cyrus)最新アルバム『Younger Now』ダウンロード版)は、45,000ユニット(内、33,000アルバム・セールス)により初登場第5位。ディズニー時代を含め11枚目のトップ10アルバムとなります。

 

Streaming

全米第4位となったのは、米ラッパーA Boogie wit da Hoodieの1stフルレングス・アルバム『The Bigger Artist』ダウンロード版)。67,000ユニットの内、アルバム・セールスはわずか10,000にとどまり、マイリー・サイラス『Younger Now』の3分の1にも及ばないものの、ストリーミングで8,120万ストリーミング(※54,000セールスと同等となる)を稼ぎ、マイリーを抑えます。

一方、シャナイア・トゥエイン『Now』は、270万ストリーミング。最近の全米首位アルバムでは圧倒的に少ないストリーミング数ながら、その支持層に支えられるアルバム・セールスで全米首位。「本当にみんなにおかげだわ」とSNSで映像とともにその気持ちをファンらへ。「今はツアーに向けて準備中よ」、「今は幸せな気持ちで一杯、本当にみんなありがとう」。

All In All

世界的ヒット記録の一方、これまでのカントリー・ポップのアルバムとは一線を画すことになった『Now』には、賛否両論の声。シャナイア・トゥエインはそのクロージング・トラック「All In All」で、ある種の一条の光とともに、その起伏に富んだ旅に幕を下す始まりを迎えます。「ずっとわかっていたわ、私は前に進んでいかなければならない/自分の知らない自分を見つけるために」、「私はそれでも、私ではありながら、しかし私ではなくなったわ/自分がおかしいと思っていたことも/全くそうではないわ」。

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