名盤の魂宿す心震える歌声、弱冠14歳Ruel最新曲「Don’t Tell Me」にエルトン・ジョン「参ったね」


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1stシングル曲

「オーストラリアから14歳の少年、とても素晴らしい曲なんだ」、先月Beats 1ラジオ番組『Elton John’s Rocket Hour』でその曲を取り上げるエルトン・ジョン(Sir Elton John)。「こんなにも若く、こんなにも良い曲を作れる人がいるなんて、驚愕だよ。参ったね」。英音楽界レジェンドに”I give up”と言わせた弱冠14歳の豪シドニー出身Ruel初となるシングル曲「Don’t Tell Me」ダウンロード版)。そのミュージック・ビデオが先週(現地時間10月18日)公開されました。

14歳といえば日本では、まだ中学生、ちょうど声変わりの時期。しかし暗闇に射し込む紺碧の光が、そのあどけなさを呑み込むように少年を照らすと、心奪うソウルフルな歌声が、深くに眠る古き魂を呼び起こします。

「それ以上言わないでくれ/無駄だ/僕は君の弟子じゃない、罪をどう犯すかは自分で決めるんだ/前世を超える遠い記憶が僕にはある/だから早すぎるなんて言うな/手を引くんだ、そのナイフらとともに」

質朴にして精妙なピアノの旋律が、その幽暗な世界で(14歳とは到底思えない)極限までに深く、エモーショナルな歌声に光明を当てると、「もう君が知るような僕じゃない/君は立ち去ってもいい、でも僕は拒む/クレイジーだと言うがいい/でも僕はやめたりはしない、これが、僕をそうさせない」。

アムステルダムの美術館の歴史ある趣深い作品に囲まれるなか、ゴスペルを漂わせる荘重なビートのコーラスへ。「Oh、早すぎるなんて言うな/愛するのに、早すぎるなんて言うな/愛することに」。

サム・スミス(Sam Smith)、アデル(Adele)、エミリー・サンデー(Emeli Sandé)らのソウルフルなバラードを彷彿とさせる「Don’t Tell Me」。同曲を聞いたエルトン・ジョンは「素晴らしい曲だ。Wow…、もっと彼の曲を(この番組で)流せることをとても楽しみにしている」、あのRocket Manを唸らさせます(eltonjohn.com)。


Ruel

ジャック・ガラット(Jack Garratt)「Weathered」カバー。14歳とは思えない歌声と異次元の表現力で惹き付ける。

2年前、LAを拠点とするオーストラリアきっての音楽プロデューサーM-Phazes(Mark Landon)に見出された当時12歳のRuel。「Ruelのパパがデモテープを私に送ってきたんだ。ジェイムス・ベイ(James Bay)の”Let It Go”のカバーだったんだ。彼の歌声を聞いたときは、もう我を忘れたよ!」、エミネム(Eminem)の「Bad Guy」や、マドンナ(Madonna)の楽曲を手がけたことでも知られる音楽プロデューサーは、その当時の衝撃を明かします(themusic.com.au)。

彼はヴォーカル・トレーニングを受けたことがなかったんだ」、「まさに生まれ持ったものだよ。世の中にはそうした天賦の才をもつ人がいる」(Herald Sun)。その後ヴォーカル・トレーニングを積み、今年4月にはM-Phazesの楽曲「Golden Years」ダウンロード版)でRuelをゲスト・ヴォーカルに迎え、今年7月に自身初となるシングル曲「Don’t Tell Me」をリリース。現在は数多くの多彩なライターらとともに、年内のデビューEPリリースを目指します(NOISE)。

イギリス、アメリカ、ヨーロッパのレコード会社との交渉など、世界デビューに備える(Herald Sun)。

自ら作詞作曲も手がける「Don’t Tell Me」。「君が僕に用意した道のり/君が僕を渡る影/困難を極めようとも/僕は乗り越えてみせる/地平線は見えなくなり/消えゆく光に見失う/これから来るものに、心の準備はできている/それらも、心構えしているに違いない」、その葛藤の深層に迫るように、闇と光をつなぐ窓ガラスには、もう一人の14歳の姿を映し出します。

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