ジュース・ワールド、21歳で急逝


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今年アルバム『Death Race for Love』で全米初首位を獲得するなど、音楽シーンで注目を集めていたシカゴの新星ラッパー、ジュース・ワールド(Juice WRLD、本名Jarad Anthony Higgins)が現地時間12月8日に急逝した。享年21歳。

シカゴ警察によると、地元のシカゴ・ミッドウェー国際空港でプライベートジェットを降りたHigginsは発作を起こし近くの病院に緊急搬送され、その後搬送先の病院で死亡が確認された(現地時間12月8日日曜日)。TMZが最初にこれを報じた。地元メディア(WLS-TV Chicago)によると、12月8日午前2時ころ、シカゴ・ミッドウェー国際空港で医療緊急事態となり、シカゴ消防局の広報担当の話で、駆けつけた救急隊員が病院搬送前に心肺蘇生を行ったという。

シカゴ警察の広報担当は「彼と同行していた人の話として、シカゴに到着してすぐに彼は何らかの緊急事態となった」といい、現在他殺など伺える明らかな証拠はなく、検死を待っているところだという。検死は12月9日に予定されている。【更新】シカゴ警察による新たな情報として、空港到着時(午前1時30分頃)にFBI捜査員と警察官がプライベートジェットからマリファナ41袋(約32kg)、コデイン6瓶、銃など発見。その捜索時にHigginsが痙攣を起こし発作を起こしたという。死因は精査を要し現時点で発表されていない(WLS-TV Chicago、現地時間12月9日)。

【更新】イリノイ州クック郡検死局は現地時間2020年1月22日、Jarad Anthony Higginsの死因について薬物の過剰摂取とし、「オキシコドン及びコデインの毒性によるもの」で、事件性はなく「アクシデント」であると発表した。

2018年、ジュース・ワールドはSoundCloudで大きな注目を集めていた「All Girls Are the Same」などをきっかけにInterscope Recordsと300万ドルのレコード契約を果たした。その大ブレイクとなったシングル「Lucid Dreams」は全米ビルボード総合ソングチャート「Hot 100」で自身最高位となる第2位を記録。同曲はジャン・レノ演じる殺し屋レオンとナタリー・ポートマン演じる少女マチルダの絆を描く1994年映画『レオン』(原題:Léon)のスティング(Sting)によるエンドクレジット・ソング「Shape of My Heart」(’93)をサンプルに、スリーパー・ヒットとなった。SoundCloudでジュース・ワールドは2018年最もストリーミングされたアーティストとなり、「Lucid Dreams」が最も再生された曲となった。

その後もホールジー(Halsey)との「Without Me」(2018.10)、エリー・ゴールディング(Ellie Goulding)との「Hate Me」(2019.6)、ベニー・ブランコ(Benny Blanco)との「Graduation」(2019.8)など、ジャンルを超え豪華スターらとコラボし、YoungBoy Never Broke Againとの「Bandit」(2019.10)など数々のヒットを飛ばし続けた。今年3月のセカンド・アルバム『Death Race for Love』では自身初の全米ビルボード総合アルバムチャート「Billboard 200」で初登場首位となり、自身初の全米首位に上り詰め、2週連続で全米首位を獲得した(※2019年3月23日付-30日付)。今年5月開催のビルボード・ミュージック・アワード(2019 Billboard Music Awards)では、デュア・リパ(Dua Lipa)、エラ・メイ(Ella Mai)、Lil Babyらを抑えて新人賞を受賞。その活躍が期待されていた。

突然の悲報にアーティストらからも衝撃と悲しみの声が寄せられ、エリー・ゴールディングは「信じられないわ…。あなたはとても優しい魂を持った人だったわ。撮影現場であなたとご家族に出会ったときのことをずっと忘れない、どんなにあなたが大切だったか忘れないわ。あなたはとても明るい未来があって、まだ始まったばかりだったのに。寂しくなるわ」。

Interscope Recordsは声明で「ジュースは非常に短い間に、世界に大きな影響を与えました」。「彼は優しい魂を持っていました、その創造性は境界がなく、並外れた人間で、そして何よりもファンを愛し大切にしたアーティストでした。とても優しく、我々にとってとても大切な人を亡くすことは、引き裂かれる思いです」。「我々の想いはジュースのご家族、彼の友人、レーベルGrade Aの皆さん、そして世界中の何百万のファンと共にあります」。

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