ユーロビジョン2018、華やかに開幕。準決勝前半戦、キプロス、イスラエル、エストニアなど10ヶ国決勝進出


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今年で63回目を迎え、多様な音楽・文化・言語・ダンス・パフォーマンスでヨーロッパ中を賑わせる世界最大規模の国家対抗・欧州音楽コンテスト「ユーロビジョン2018」(Eurovision Song Contest 2018)が今年も華やかに開幕。前回大会の覇者国ポルトガル首都リスボンを舞台に、史上最多タイとなる43カ国が集結する今年のスローガンは「ALL ABOARD!」(さぁみんな乗って、出発だ!)。

現地時間5月8日、最初に19ヶ国の激突となる準決勝第1ラウンド(Semi-final 1)がキックオフしました。第10位までが決勝進出となるなか、オッズで現在優勝候補となっている「クイーン・オブ・ポップ」キプロス及び#MeTooムーブメントにインスパイアされた強烈ソングで挑むイスラエルが早くも登場し、人気を集めていたエストニアリトアニアチェコアイルランドブルガリアと共に決勝進出。さらにフィンランドアルバニアオーストリアが決勝進出を果たしました。

想像を超えてくる型破りな舞台演出、目を奪う多彩な衣装も大きな見所となっているユーロビジョン。今回最も豪華絢爛な衣装で注目を浴びたのは、クラシック界からの挑戦となるエストニア代表の26歳オペラ歌手エリナ・ネチァエヴァ(Elina Nechayeva)。ドレス×360度プロジェクションマッピングで伝統と最新テクノロジーを融合させながら、自身がソングライティングに加わるオペラ・アリアなイタリア語オリジナル曲「La forza」をエストニア音楽アカデミー(Estonian Academy of Music and Theatre)で培われた圧巻のソプラノ・ヴォイスで魅了します。

今回大会、ドイツ、スペインと並び最もエモーショナルな美しい感動曲で永遠の愛をヨーロッパに響かせるのは、リトアニア代表、カウナス出身イエヴァ(Ieva Zasimauskaitė)の英語曲「When We’re Old」。リトアニア版『The Voice』出身で5度目の挑戦で代表を勝ち取った24歳は、ピンクのドレスを漆黒のステージに咲かせ、初めて出会ったその日から、永遠に添い遂げる愛をしっとりと歌い上げます。

リハーサルから人気を急上昇させ、当初最有力候補だったイスラエルを抑えて現在オッズで一番人気となっているのは、キプロス代表、ギリシャの31歳エレニ・フーレイラ(Eleni Foureira)英語曲「Fuego」。スペイン語で「火」の意味するタイトルで情熱的な愛を描くポップ・ソングでは「あなたの愛は、まるで激しく燃え広がる炎だわ」。

“ポップ女王”(The Queen of Pop)と呼ばれるアルバニアン歌姫は、『アメリカン・ダンスアイドル』のギリシャ版ダンス番組では審査員を務め、その熱情的な「炎」のダンス・パフォーマンスとキャッチーなソングで会場を(文字通り)熱気に包みました。

強烈なインパクトのある曲とそのキャラクターで、今年のユーロビジョンの顔となっているイスラエル代表、25歳ネッタ(Netta Barzilai)。#MeTooムーブメントにインスパイアというガールズ・アンセムの英語曲「Toy」では、「私はあなたのオモチャじゃないわ/このおバカちんが/あなたを押し倒して/あなたに見せるわ/人形と踊ってる私を」。

前代未聞なサウンドに、歌詞にはピカチュウも登場。着物風の衣装のネッタは、ピカチュウに代わって無数の招き猫の人形をバックに、「女性のみんな、忘れちゃダメよ/あなたはとても素晴らしい存在よ/カレは後悔するわ/カレは、Bucka-mhm-buck-buck-buckよ」。”ラリったビョーク”とも言われるなか、ジャパニーズ・カルチャーを織り交ぜ、迫力のエネルギッシュなパフォーマンスで沸かせました。

軽やかなステップでセクシーなダンス、イケメンなルックスでも若い世代から絶大な支持を集めるのは、チェコ代表、プラハ出身の22歳ミコラス・ジョセフ(Mikolas Josef)。先月ソニー・ミュージック/RCA Recordsとレコード契約を果たし、自ら楽曲を手がける陽気な英語曲「Lie To Me」では、「彼女は家ではイイ子でも/スカートはマリリン・モンローのように」、「イカしたハイヒールで、マドンナな顔つき」、「ウソをついてる時/君は最高にステキだ」、「さぁ、オレにウソついて/ウソついて、baby、もっと近づいて」。

リハーサル時(現地時間4月29日)、バックフリップの着地に失敗し、背中を殴打。すぐさま病院に搬送されたものの、状態は悪化し、頚椎装具をしたまま病院ベッドに横たわり、歩けなくなっていたというミコラス(写真)。出場辞退が予想されたものの、その後何とか回復、ドクターストップによりアクロバティックな振り付けを現在のものに変更。痛みを感じさせないアーティスト魂で、決勝進出を果たします。

崖っ淵から5年ぶりに決勝進出を決め、アイルランドの悲運から救ったのは、英オーディション番組『ブリテンズ・ゴット・タレント』(Britain’s Got Talent)2012年ファイナリストでダブリン北部小さな町出身の25歳シンガー・ソングライター、ライアン・オショークネシー(Ryan O’Shaughnessy)。自ら書き上げ、永遠にも思えた二人の関係の終わりを切なくも描くバラード「Together」では、無数の星の光に哀愁の歌声を響かせ、雪舞うゲイ・カップルのストーリー描く美しいダンスとともに、映画のワンシーンな世界観をステージで再現。

僕たちは死ぬまでずっと一緒だと思っていた」、「僕は永遠に答えを探し続けるだろう/永遠に」。楽曲こそLGBTの内容ではないものの、ミュージック・ビデオではゲイ・カップルの姿を描き、フィンランドと並び、LGBTコミュニティから高い支持を集めます。

一方、スイス、アゼルバイジャン、アイスランド、ベルギー、ベラルーシ、マケドニア共和国、クロアチア、ギリシャ、アルメニアは準決勝敗退となりました。

【準決勝・後半戦】日本時間5月11日(金)午前4時よりライブ放送開始

順位決定方法は、決勝と同じく、50%の(事前に投票されている)各国の審査員票、及び、ライブ放送で集計される50%の視聴者票で集計。残りの18ヶ国から10ヶ国の決勝進出国を決める準決勝第2ラウンドはまもなく、現地時間5月10日。決勝戦は現地時間5月12日開催。いずれも首都リスボンにあるアリーナ、アトランティコ・パビリオンで行われます。

決勝戦では、準決勝戦から進出を決めた20ヶ国、さらに5カ国の主要国「Big Five」(フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、イギリス)及びホスト国(ポルトガル)の計26ヶ国で頂点を争います。準決勝戦での順位結果及びスコアは、賭博市場などの関係で決勝戦まで明かされません。

【決勝戦】日本時間5月13日(日)午前4時よりライブ放送開始。(追記)グランド・ファイナルの結果はこちらの記事で掲載しています。

なおユーロビジョンはYouTube公式チャンネルにて、準決勝戦(前半戦後半戦)、決勝戦ともにライブ配信を行っています。準決勝第1ラウンドの決勝進出国のパフォーマンス映像(上記以外)、ミュージック・ビデオは以下の通りです(※オッズで人気の高い順で掲載)。

キプロス

キプロス代表、31歳エレニ・フーレイラ(Eleni Foureira)曲「Fuego」。現在人気を急上昇させ、オッズで優勝候補となっている。アルバニア生まれ、ギリシャで人気を集める歌姫。

キプロスは今年35回目の参加。これまで一度も優勝経験はなく、優勝すれば史上初。2004年最高第5位以来、14年間ファイナル・トップ10入りを果たしていない。昨年はファイナル21位。

イスラエル

イスラエル代表、25歳ネッタ(Netta Barzilai)曲「Toy」。#MeTooムーブメント×破天荒なサウンド×強烈なキャラクターで、動画視聴回数ではダントツ首位。同大会を象徴する一人となっていた。イスラエルは今年41回目の参加。1978年、1979年、1998年の3度の優勝をしている。昨年はファイナル23位。

リトアニア

リトアニア代表、24歳イエヴァ(Ieva Zasimauskaitė)による英語曲「When We’re Old」。「初めて出会った日をずっと忘れない/その日から歩んだ長い道のり、何度でも歩もう」、年を重ねても共に寄り添い歩む永遠の愛を描く。「私たちが作ったこの歌を歌おう/私たちが年をとった時、私たちが年をとった時」。

リトアニアは今年19回目の参加。過去優勝経験はなく、2006年の第6位が最高位。前大会では準決勝敗退。

エストニア

エストニア代表、エリナ・ネチァエヴァ(Elina Nechayeva)26歳オペラ歌手によるイタリア語曲「La forza」。暗闇の中で星となって輝き、導いてくれた運命の人とその愛を描く。エストニアは今年で24回目の参加。これまで2001年に1度優勝、昨年は準決勝敗退。

チェコ

チェコ代表曲、プラハ出身のミコラス・ジョセフ(Mikolas Josef)英語曲「Lie To Me」。元モデルの端麗な容姿とジャスティン・ティンバーレイクなダンス・ムーブで女子のハートを掴む22歳のシンガーソングライターは、ポップ、R&B、ファンクを融合させた「Lie to Me」を自ら作詞作曲、プロデュース。

チェコは今回で7回目の参加。決勝進出を果たしたのは、2016年の1度のみで25位。今大会非常に人気の高い曲となっている「Lie To Me」。過去最高記録が期待されている。

ブルガリア

ブルガリア代表曲、EQUINOX「Bones」

フィンランド

フィンランド代表曲、Saara Aalto「Monsters」。

オーストリア

オーストリア代表曲、Cesár Sampson「Nobody But You」 。

アイルランド

アイルランド代表曲、ライアン・オショークネシー(Ryan O’Shaughnessy)英語曲「Together」。英オーディション番組『ブリテンズ・ゴット・タレント』(Britain’s Got Talent)2012年ファイナリストでダブリン北の小さな田舎町出身の25歳が作詞作曲、永遠の愛の終わりの傷心を描く。

美しいダブリンの街並みにゲイ・カップルのダンスシーンを描くミュージック・ビデオに「愛は普遍的であり、あらゆる関係に試練があるというオリジナルのコンセプトに基づきながら、こうした形で命を吹き込まれる映像を見て、本当に素晴らしいよ」(RTE)とライアン・オショークネシー。同性愛を厳しく禁じるロシアでは放送禁止の対象となるなか、ユーロビジョンのルールでは、全参加国の放送が義務づけられており、(今年も)ロシアを追い込んだ。

アイルランドは今年で52回目の参加。過去7度優勝している(1970年、1980年、1987年、1992年、1993年、1994年、1996年)ものの、昨年を含め過去4年準決勝敗退。5年ぶり決勝進出で、90年代黄金期の復活を狙う。

アルバニア

アルバニア代表曲、Eugent Bushpepa「Mall」。

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