ユーロビジョン2018、5大国 涙のドイツ、命のフランス、恋のスペイン


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まもなく頂上決戦を迎える世界最大規模の欧州音楽コンテスト「ユーロビジョン2018」(Eurovision Song Contest 2018)ファイナル。現地時間5月8日の準決勝第1ラウンド(Semi-final 1)及び同10日の第2ラウンド(Semi-final 2)で勝ち上がった20ヶ国、そして5カ国の主要国「Big Five」フランスドイツイタリアスペインイギリス)、さらに開催国(ポルトガル)の計26ヶ国で頂点を争います。

【決勝戦】日本時間5月13日(日)午前4時よりライブ放送開始。(追記)全パフォーマンス映像はこちらの記事で掲載しています。

「Big Five」は、2000年にスタートした「Big Four」を起源とするもので、欧州放送連合(EBU)
への多大な資金を提供していることを受けて、フランス、ドイツ、スペイン、イギリスは、決勝戦への権利を獲得。2010年よりイタリアが加わり、現在5ヶ国の「Big Five」となり、例外的に自動的に決勝戦に進みます。

ドイツ

今大会、ドイツを代表するのは、2011年ドイツ版『The Voice』のファイナリストで28歳シンガー・ソングライター、マイケル・シュルト(Michael Schulte)英語曲「You Let Me Walk Alone」。男性ソロアーティストがドイツを代表するのは、2012年以来、6年ぶり。亡き父に宛てたバラード「You Let Me Walk Alone」では、寂寥のピアノの旋律美に、切なくも心震わす歌声が愛の記憶に触れ天上へ響くと、二人の物語がオーディエンスの物語を映し始めます。

You Let Me Walk Alone
Written By Nina Müller, Nisse Ingwersen, Thomas Stengaard & Michael Schulte

(バース1)
私は夢追う人、信じさせる人
あなたもそうだと言っていたね
静けさと澄んだ地平線を愛す
それは全てあなたから受け継いだものだ

(プリ・コーラス)
時折、引き戻される
そこであなたの声を聞き、あなたの顔を目にする
どんな小さな思いも、
あなたのもとへ導く

(コーラス)
私は生まれた、一つの愛、二つの心から
三人兄弟、そして愛する母さん
あなたはこの場所を家にしてくれた
嵐から守るシェルター
あなたは言った、私には一つの命、本物のハートがあると
命を懸けて、ここまできた
でもあなたは知らないだろう
あなたはこの道で私を一人で歩かせるのだから

(バース2)
子供の頃のヒーローはいつもあなただった
誰一人敵わない
人生を誤った時、あなたが導いてくれるはずだった
そんな時、何よりもあなたが恋しい

(プリ・コーラス)
時折、引き戻される
そこであなたの声を聞き、あなたの顔を目にする
どんな小さな思いも、
あなたのもとへ導く

(コーラス)
私は生まれた、一つの愛、二つの心から
三人兄弟、そして愛する母さん
あなたはこの場所を家にしてくれた
嵐から守るシェルター
あなたは私に一つの命、本物のハートがあると言った
命を懸けて、ここまできた
でもあなたは知らないだろう
あなたはこの道で私を一人で歩かせるのだから

(ブリッジ)
Ohhhh, ohhhh, ohhhh

(コーラス)
私は生まれた、一つの愛、二つの心から
三人兄弟、そして愛する母さん
あなたはこの場所を家にしてくれた
嵐から守るシェルター
あなたは私に一つの命、本物のハートがあると言った
命を懸けて、ここまできた
でもあなたは知らないだろう
あなたはこの道で私を独りで歩かせるのだから

2013年ユーロビジョンのデンマーク代表エメリー・デ・フォーレスト(Emmelie de Forest)の優勝曲「Only Teardrops」の独ソングライターThomas Stengaardらとともに、マイケル・シュルトが作詞作曲した「You Let Me Walk Alone」。初めて一人で歩けるようになったその日から、これから一人で歩いて行く未来。父に聞かせたかった歌、見せたかったユーロビジョンの舞台。悲しみ、憤り、そして見つける深い想いが、暗闇のなかで進むべき道を照らします。

フランス

大会開催中は「政治的、あるいは、それに類似する歌詞、スピーチ、ジェスチャーは禁じる」と明文で規定されているユーロビジョン。しかし2016年ユーロビジョンでは、1944年旧ソ連によるクリミア・タタール人追放を描いたウクライナ代表ジャマラ(Jamala)による代表曲「1944」が優勝。そして今大会、政治色を帯びながらも大きく注目を集めているのは、フランス代表夫婦デュオ、マダム・ムッシュ(Madame Monsieur)によるフランス語曲「Mercy」(メルシー)。

アフリカからヨーロッパへ渡るため地中海で命を落とす難民が後を絶たず、国際連合によると2000年からこれまでに3,000人が死亡。実話に基づく代表曲「Mercy」は、2017年3月21日、地中海で人命救命ボートにより救助され、そのボートで生まれたメルシーちゃんの視点から描かれます。

もうすぐ9ヶ月、私は安全だったわ/ママのお腹の中で、安全だった」、「でもママはやらなきゃいけないことがどうしてもあった/戦争から逃れるために、失うものは何もないわ/私たちの命以外は

私は生まれたわ、メルシーという名前で/誰かが手を差し伸べてくれて、私が生まれたの/冷たい、冷たい海で亡くなった全ての子どもたちのために/私は1万年だって生きてみせるわ」、「私の名前は、メルシー

リード・シンガーのEmilie Sattは、メルシーの誕生は「希望なき場所での希望」の象徴であると語ります(BBC)。「母親は溺れていたわ、それでも自分の子どものためによりよい人生を与えてあげたいと必死でした」。現在そのナイジェリア人の母親とメルシーちゃんは難民キャンプで過ごしているといいます。大きな反響が寄せられるなかEmilieは「これから難民を知っていく素晴らしい機会だわ」、「私たちが”難民”を呼ぶ人々には、名前と顔がある。彼らには過去があり、家族がいて、歴史があり、未来がある現実の人々だわ」。

スペイン

今大会、現実のカップルで挑むのは、スペイン代表、19歳の歌姫アマイア・ロメロ(Amaia Romero)と21歳歌手アルフレッド・ガルシア(Alfred García)の若き二人のデュエットで贈るスペイン語曲「Tu Canción」(君のうた)。

スペイン代表曲を決する全国大会で出会った二人は恋に落ち、そんな二人が互いに見つめ合いながら歌う姿をソングライター、ラウル・ゴメス(Raúl Gómez)が目にしメロディが生まれたといいます。

あなたは世界を180度変えた、私の額にキスをする時/その理由がわかる」、「私(僕)はただ、あなた(君)の歌になりたい/oh, oh, oh、Oh, oh, oh, oh」、「まるで初めてダンスをしているようだわ/あなたといると

今大会もっともロマンチックな歌は、決勝戦で炎のウクライナに続いて2番目に登場。夢のように甘いラブソングで、20年以上一度も果たしていないトップ5を目指します。

「Big Five」でこれまで優勝を果たしたのは、ドイツで1度のみ。ノルウェー・オスロで開催された2010年ユーロビジョンで、ドイツ歌手レナ・マイヤー=ラントルート(Lena Meyer-Landrut)英語曲「Satellite」です。過去10年、「Big Five」がトップ10入りを果たしたのは、フランス1回(2016年第6位)、ドイツ1回(2012年第8位)、スペイン0回、イギリス1回(2009年第5位)にとどまります。一方、後から参加したイタリアは、それまでの好成績を維持し、5回(2017年第6位、2015年第3位、2013年第7位、2012年第9位、2011年第2位)となっています。

なおイタリア、イギリスの代表曲は以下の通りです。

イタリア

イタリア代表、Ermal Meta & Fabrizio Moro イタリア語曲「Non mi avete fatto niente」。

イギリス

イギリス代表、SuRie英語曲「Storm」。

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