14歳エルザ、ソロデビューアルバム『Erza Muqoli』魅惑のシャンソン集リリース


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フランスが恋に落ちた国民的人気子どもグループ、キッズ・ユナイテッド(Kids United)。ユニセフとのコラボから2015年フランスで結成され、国中が口ずさみ踊るアップリフティングなフレンチ・ポップスで彩るアルバムは、これまで180万枚以上売り上げ、総動画再生回数は10億回を突破。110を超えるコンサートでフランスを熱狂させてきた(記事)。2018年5月に再編成となったキッズ・ユナイテッドはグループ最年少グロリアを残し、メンバー4人が卒業。その一人、当時10歳にして艶やかな歌声と優しい笑顔で大人の色気を漂わせていたエルザ(Erza Muqoli)が待望のソロデビュー。ファースト・アルバム『Erza Muqoli』ストリーミング / ダウンロード)が今月10月25日にリリースされる。

フランス北東部、ドイツに接し豊かな自然に囲まれた歴史深いロレーヌ地方サルグミーヌで育ったエルザは7歳からピアノを弾き、2014年、オーディション番組『ゴット・タレント』シリーズのフランス版『France’s Got Talent』(原題:La France a un incroyable talent)シーズン9に当時8歳で出場。哀調を帯びる美しい歌声をフランス中に響かせ決勝進出を果たし、エディット・ピアフ(Édith Piaf)によるスタンダード・ナンバー「La Vie en rose」(邦題:ラ・ヴィ・アン・ローズ)でファイナル第3位となった(動画)。セルフタイトルとなるデビュー・アルバムのファースト・トラックはわずか2行の歌詞からなる幻想的な「Fillim」(”始まり”の意)。力強さを増し透明感を深めた歌声を大自然に響かせ、原点に還る。

「Ti Franc me jep nder e madh/Ti Shqipëri me jep emrin shqipëtar」アルバニアのスローガンにもなっているアルバニア詩人ナイム・フラシャリ(Naim Frashërit)による詩(”Ti Shqipëri, më jep nder, më jep emrin Shqipëtar”)。肖像とともにアルバニア紙幣200レクに刻まれており、「あなたアルバニアは、私に名誉を授け、アルバニアの名を授ける」を意味している。エルザの両親はアルバニア系コソボ出身、バルカン半島の情勢が深刻化した90年代、コソボを離れフランスに移り住んだ。民族浄化の名のもと国外追放、大虐殺、組織的強姦が行われ、悲劇の歴史を生んだコソボ紛争。100万人近い難民を出し離散、アルバニア人側の死者・行方不明者は50万人を超え(The New York Times)、アルバニア人女性が大部分を占める2万人がセルビア軍により性的暴力を受けた(Bloomberg)。ジェノサイドによる命と名誉、故郷の剥奪は深い傷跡を残し、コソボ紛争終結から今年でちょうど20年が経つ。「Fillim」のミュージック・ビデオは壮大な自然のなかコソボで撮影。祖国に戻り歌う”始まり”が神秘的な響きを生む。

およそ3年を過ごしたキッズ・ユナイテッド時代から一段と成長したエルザが詰まったデビュー・アルバムは、14歳の等身大の姿を詩情豊かに描く。ガラス細工のような思春期と青春を捉えた曲が多く、輝きと哀愁を透き通るビンに閉じ込める。無垢なバラード「Dommage」では、二人の間に芽生えた淡い恋と喪失をビタースウィートなリリックで綴る。(バース1)「ポケットの中、二人の手、そして空っぽのポケット/何も考えられない/こんな涙の終わり方、考えてなかった/彼女は醜くない、醜くなんかない/彼女はすごく可愛い/夢見た自分を初めて憎む」、「私たちの間に何かがあったとは言わない/そういうことはよくわからない/私たちの手の中に、何かがあったとは言わない」(コーラス)「でも残念/この痛みが時折良くなっても/嵐より良くなっても/目に走る雷より良くなっても/でも残念/もしこの痛みが良くなっても/悲しい、私たち幸せだったよね/私たちは幸せそうだった」

リード・シングルはアップビートな色彩感溢れるノリの良い「Je chanterai」(”私は歌う”の意)。癖になる弾けるフレンチ・ポップにのせ、アイデンティティ、将来に迷う少女が、音楽と出会い自分らしさを見出し大人の階段を登っていく。素直な歌詞と伸び伸びとした歌声が同世代のハートを掴んで離さないナンバー。(バース1)「小さい時、想像の世界を思い描いた/とても美しく、でも現実じゃない世界/人であることを忘れたかった/良い人もいれば、そうでない人もいる/将来のことを聞かれる/でも私には明日はすごく遠い/どんな仕事か、私には想像がつかなかった/どれも望んでなかった」(コーラス)「突然歌声が聞こえる、”yo yo yo”/そして皆が叫ぶ、”yo yo yo”/もし歌の人生なら、”yo yo yo”/決めたわ。私は、”yo yo yo”/私は歌う」

クロージング・トラックは美しい旋律の「Vous étiez là」(”あなたがそばにいてくれた”の意)。「この歌は、Vianneyと一緒に私が初めて書いた曲。みんなが気に入ってくれたら嬉しいな✨」(SNS)とエルザ。スケール感を増し圧巻のクライマックスを迎えるエモーショナルなバラードは、エルザ自身のアツい思いが込められた一曲。(ブリッジ)「あなたには美しい夢があるわ/私たちはそのための部屋を作らなきゃ/悪い人は閉じ込めて」、「でも良き人を忘れちゃいけない/絶対によ/私たちは歩んできた道のりを忘れるべきじゃない」(コーラス)「受け取って、私の魔法の歌/心が折れそうな時/でもあなたはそばにいてくれた/受け取って、私の魔法の歌/私が挫けそうな時/でもあなたがそばにいてくれた/あなたがそばにいてくれた」

「あなたがそばにいてくれた」、その言葉を12回歌い、アルバニア語で始まったアルバムはアルバニア語の語りで締めくくる。「初めて足を踏み出す時、手を差し伸べてくれた全ての人々のこと忘れないで。そして自分の生まれてきた場所を決して忘れないで。皆さんが私のそばにいてくれました。私があなたとずっと一緒にいることを忘れないで。いつまでも私はあなたといる」。アルバム・リリースに先立ち360度ファンらに囲まれ開催されたプライベート・コンサートでは、「Vous étiez là」を歌い涙し両手で顔を覆ったエルザ。ファンらからの熱い歓声に包まれた。エルザのソロ・デビューアルバム『Erza Muqoli』は再来週10月25日リリース。フランスでは来週10月19日から25日にかけて100の劇場でアルバム・リリースを記念したユニークなイベントを開催。今年8月パリの歴史ある劇場シルク・ディヴェール(Cirque d’Hiver)で行われたコンサートの模様など収めた映画が上映される予定となっている。

 
(記事)”Erza de Sarreguemines : « Donner le meilleur de moi »” – Le Républicain Lorrain

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