米版ユーロビジョン、アメリカン・ソング・コンテストを2021年に開催


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ヨーロッパを中心に毎年40カ国以上が参加、世界2億人近くが音楽を通じて一つになる世界最大の歌コンテスト番組『ユーロビジョン・ソング・コンテスト』(Eurovision Song Contest)が50州対抗のスピンオフでついに全米初上陸。昨年放送権をめぐり動きを見せていたユーロビジョンのアメリカ版『アメリカン・ソング・コンテスト』(The American Song Contest)が今日(現地時間2020年8月6日)正式に発表され、2021年のホリデーシーズンに開催されることが明らかになった。

第二次世界大戦後のヨーロッパを再建・結束させるために1956年に始まったユーロビジョンは、1974年スウェーデン代表として優勝したABBA(アバ)を世界に輩出したことでも知られ、1988年にはスイス代表としてセリーヌ・ディオン(Celine Dion)が優勝し世界的にその歌声を広めた。多様性の祝福を基本的理念に年々規模を増し、各国の全国大会で選出された代表者が、ジャンル・言語を超えた多彩な音楽、多様な文化・価値観が息づく衣装・ダンス、大規模な舞台演出、華やかなライブ・パフォーマンスで世界中の人々を沸かせてきた。

『アメリカン・ソング・コンテスト』はユーロビジョンに近いフォーマットで行われ、アメリカ全50州の各代表が生放送のTV番組でオリジナル・ソングを歌い競い合う。現在検討されているのは5〜10回にわたる予選(Qualifier Competitions)、そして準決勝(Semi-finals)、決勝(Grand Finale)。各州代表者は、ソロ・アーティスト、デュオ、または最大6人のグールプによる音楽アーティスト。勝敗はユーロビジョンと同じく審査員票と視聴者票の合計得点で決せられる。『アメリカン・ソング・コンテスト』では、あらゆるジャンルを代表し、様々なバッググラウンドを持つアメリカの音楽プロフェッショナルらから構成される「The American Song Contest Academy」が審査員となり、各州の視聴者との合計得点によって50州の王者を決する。

『アメリカン・ソング・コンテスト』の番組制作を手がけるのは、Brain AcademyのAnders LenhoffとPeter Settman、そしてユーロビジョンの制作に長年携わってきたChrister BjörkmanとOla Melzig。製作総指揮にはNBC『The Office』でエミー賞受賞のベン・シルバーマン(Ben Silverman)。プロデューサーAnders Lenhoffは声明で「想像してみて下さい、音楽がオリンピックの競技種目で、世界中から集まり金メダルをかけて競い合うアーティストたちを。それこそが『ユーロビジョン・ソング・コンテスト』です。そのアメリカ版は、これまでにない全米TV史上初のものとなるでしょう」、「全ての歌手に開かれた大会で、アマチュアのアーティストでも、既にメジャー・レーベルと契約しているアーティストでも参加できます。この大会で除外される人はいません」。

またユーロビジョンのエグゼクティブ・スーパーバイザーMartin Österdahlは「『ユーロビジョン・ソング・コンテスト』のユニークなレガシーは65年前に始まり、現在も成長を続けています。そして姉妹大会『アメリカン・ソング・コンテスト』で、いよいよこのスペクタクルなショーをアメリカが体感する時が来ました。音楽の愛は普遍的であり、異なるジャンル・スタイルの音楽の祝福は壁を超えて人々を一つにします。世界中の私たちのファンが楽しめるもう一つの番組を展開する最適なパートナーを見つけ、アメリカの人々とこのユニークな大会を分かち合えることを大変嬉しく思っています」。

今年の『ユーロビジョン・ソング・コンテスト』は新型コロナウイルスの影響により史上初めて中止となったが、ユーロビジョンを題材にしたアメリカ製作によるNetflixオリジナル・ラブコメディ映画『ユーロビジョン歌合戦 〜ファイア・サーガ物語〜』(原題:Eurovision Song Contest: The Story of Fire Saga)が今年6月26日より配信開始(記事)。ウィル・フェレル、レイチェル・マクアダムスが主演を務め、ピアース・ブロスナン、ダン・スティーヴンス、デミ・ロヴァートら豪華キャストが出演し、そのサントラとともに大きな話題となった。

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