まるで魔法のように心の隙間に純真な恋心と深遠な愛を注ぎこむリリックは、多くの海外ファンにそのPVのラストシーンで素朴で心に沁みる深い感動を呼び起こしているようです。
先月「第39回アメリカン・ミュージック・アウォーズ2011」(2011 American Music Awards)で最高栄誉賞「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」(Artist of the Year)含む最多3冠を獲得し、その弾き語りライブパフォーマンスで大きく反響を呼んだテイラー・スウィフト(Taylor Swift)の「Ours」、そのミュージック・ビデオが先週金曜日(米国時間12月2日)、E! News及びE! Onlineでプレミア公開されました。
どんなに辛い世の中でも、どんなに人生が険しくても、人から認められずどんなに空虚な世の中でも、そうした全てのことがちっぽけな些細なことに過ぎないと思わせる二人だけの深い愛を愛する人に贈るこの「ラブ・レター」ソングは、アメリカン・ミュージック・アウォーズでの弾き語り後、米ビルボード「Hot Digital Songs」初登場第5位、総合シングルランキング「Hot 100」で第13(!)位を記録しました。
「Ours」は、3rdアルバム『Speak Now』のデラックス・エディションのボーナス・トラックとして収録されていたもので、ファンの熱い声を受けてボーナス・トラックとしては異例の6thシングル曲として先月21日にリリースされました。
PV「Mean」のディレクターデクラン・ホワイトブルーム(Declan Whitebloom)が再びメガホンをとるこのミュージック・ビデオでは、いつものようにビルのロビーを通り過ぎ、いつものようにエレベーターから押し出され、いつものように13階のフロアーで誰と言葉を交わすことなく空虚に働くOLのテイラー・スウィフトが映し出されます。
デスクにこぼれたコーヒー、消えかかった蛍光灯、紙がなくなったオフィス・プリンター、そしてトナーがなくなったオフィス・プリンター、そしてついには全部消え去ったオフィス・プリンターと日々の寂寥感がひしひしと漂う中、誰から話しかけられることもなく一人、時間だけが過ぎていきます。いつものように後ろ指を指されることも気に留めることもなく。
しかしそんな彼女を唯一笑顔にしたのは、「I loved you first. I loved you first.」と書かれた一枚の付箋と一つのビデオ動画。その付箋は、ウェブカメラを通じて恋人が「I loved you first」と書いてテイラーに見せたのを見て、テイラーが「I loved you first. I loved you first.」と書いたもの。意味は「私の方が先にあなたを愛したのよ。私の方が先よ!」。ビデオには二人だけの幸せだった日々が映し出されます。
そして時間が来ると会社に来たときは全く対照的に、抑えきれない高鳴りを胸に一目散に飛び出しバスに乗り込む彼女。笑顔がこぼれながら見つめるソニーのタブレットには、旅立つ彼の後姿と二人で過ごしたかけがえない瞬間が永遠の時を刻みます。
そしてバスが停まったのは、空港のバスの停留所。彼女はバスを降りるとしきりにあたりを探します。そしてそこに現れたのは…。
ホリデーシーズンのさなか公開されたこのミュージック・ビデオは、見る人にホーム・カミングシーズン(※クリスマスになると、軍の兵士がわずかな時間だけ帰国を許され、愛する家族や愛する人との再会を分かち合う)をも思い起こさせるものになるかもしれません。
全力で兵士の彼の胸に飛びこむ彼女の姿は思わず胸が熱くなります。
どうやらメレディスの出番は次回以降となりそうですが、、(※訂正、ゴシップ誌『People』記事によると、2:20の2秒ほど恋人に抱かれて登場する子猫はメレディスのようです!)、この曲、そしてこのミュージック・ビデオは、先日の米ビルボード2011年の「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」に続き、CMAアワード2011で最高栄誉賞「エンターテイナー・オブ・ザ・イヤー」、第39回アメリカン・ミュージック・アウォーズ2011で最高栄誉賞「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」含む最多3冠を獲得という異例の立て続けの功績が決して偶然のものではないことを教えてくれるかもしれません。
2年の間隔でアルバムをリリースしたいと考えているテイラー・スウィフトは既に25曲の新曲を書き終えているとのこと。その4thアルバムのリリースは2012年のホリデーシーズンあたりになりそうであることが報じられています。
(記事)”Taylor Swift Talks Next Album, Possibly For Late 2012 ” on Billboard
テイラー・スウィフトはこのミュージック・ビデオのビハインド・ザ・シーンで次のように話しています。
このシングルは私たちが今までになかったことを成し遂げたのよ。ボーナス・トラックとして収録した曲なのだけど、ファンがそれを見つけて(※アメリカでは「ターゲット」限定アルバムのボーナストラック)、何度も何度も聞いてくれて、リクエストしてくれたの。そして今シングル曲としてリリースされて、ミュージック・ビデオにもなったの。それが私がファンを本当に心から愛している理由だわ。彼らはみんないつも曲を特別なものにしてくれるの。
This single is doing something that we’ve never done before, I put this song on a bonus album. The fans found it, played it over and over again, requested it and now it’s my single and it’s getting its own music video. That’s what I love so much about my fans: They always let the best song win.
もしかしたらそんな彼女の思いも「Ours」にこめられているのかもしれません。
Taylor Swift Behind the Scenes of ‘Ours’ – 13 Webisode
なお、このPVのビハインド・ザ・シーンは13のエピソードとなって、現在米カントリー・ニュースサイト「Taste of Country」にて順次配信されています。それぞれの記事でその話している内容が記載されていますので、リスニングの勉強にも!アップされ次第、それぞれ追加掲載していく予定ですので気になる方はぜひご参考に!
(記事)”Taylor Swift Gives Behind-the-Scenes Look at ‘Ours’ Video – Webisode One” on Taste of Country
(記事)”Taylor Swift Spotlights ‘Ours’ Video Director in Behind-the-Scenes Series – Webisode Two” on Taste of Country
(記事)”Taylor Swift Offers Character Insight in Behind-the-Scenes of ‘Ours’ Video Series – Webisode Three” on Taste of Country
(記事)”Taylor Swift’s ‘Ours’ Video Shoot Shuts Down Nashville Airport – Webisode Four” on Taste of Country
(記事)”Taylor Swift and ‘Ours’ Boyfriend Zach Gilford Get On ‘Like a House on Fire’ at Video Shoot – Webisode Five” on Taste of Country
(記事)”Taylor Swift Shows Off ‘Corporate Not Chic’ Look From ‘Ours’ Video – Webisode Six” on Taste of Country
(記事)”Taylor Swift’s ‘Ours’ Video Casts a ‘Weird, Eclectic Bunch’ – Webisode Seven” on Taste of Country
(記事)”Taylor Swift Shoots Home Movies While Making ‘Ours’ Video – Webisode Eight” on Taste of Country