31歳の誕生日を前に2020年12月11日にサプライズ・リリースされたテイラー・スウィフト（Taylor Swift）の通算9枚目となるスタジオ・アルバム『evermore』が今週の米ビルボード総合アルバムチャート「Billboard 200」で初登場首位を獲得（Billboard、※2020年12月26日付）。加えて、同作のリード・シングル「willow」が今日発表の米ビルボード総合ソングチャート「Hot 100」で初登場首位（Billboard、※2020年12月26日付）となり、同じ週に「Billboard 200」と「Hot 100」で初登場首位を獲得した。
これによりテイラー・スウィフトは「Billboard 200」と「Hot 100」で同じ週に初登場での首位獲得を2度達成した史上初のアーティストとなった。今年夏、テイラー・スウィフトは前作『folklore』とリード・シングル「cardigan」で「Billboard 200」と「Hot 100」で同じ週（2020年8月8日付）に初登場首位を獲得した史上初めてのアーティストとなった（記事）。テイラー・スウィフト以外でこのダブル初登場首位を唯一達成しているのはBTSで、2020年12月5日付チャートでアルバム『BE』とリード・シングル「Life Goes On」でダブル初登場首位となった。
『evermore』は全英アルバムチャートで初登場首位（Official Charts、※2020年12月24日付）となった他、オーストラリア、ニュージーランドで初登場首位を記録した。
Billboard 200
1. 8作連続で首位
今回の首位によりテイラー・スウィフトはスタジオ・アルバム8作連続の「Billboard 200」初登場首位。テイラー・スウィフトは女性アーティストによる「Billboard 200」首位枚数ランキングで、11枚で史上最多のバーブラ・ストライサンド（Barbra Streisand）、次いで9枚のマドンナ（Madonna）に続く記録。一方、女性アーティストによる「Billboard 200」初登場首位枚数では、テイラー・スウィフトが史上最多で、次いでビヨンセ（Beyoncé）、レディー・ガガ（Lady Gaga）、マドンナ、ブリトニー・スピアーズ（Britney Spears）が6枚で並んでいる。初登場首位枚数ランキングで男性を含めると、ジェイ・Z（Jay-Z）が14枚で史上最多となっている。
2. 暦年で2作目の首位、女性ソロ史上3人目
2020年に『folklore』に続いて姉妹アルバム『evermore』で2作目の首位となったテイラー・スウィフトは、2020年に2作目の首位を獲得した唯一の女性アーティストとなり、暦年で2作の首位を獲得した史上3人目の女性ソロ・アーティストとなった（Billboard）。これまでリアン・ライムス（LeAnn Rimes）が1997年に『Unchained Melody/The Early Years』と『You Light Up My Life: Inspirational Songs』、そしてスーザン・ボイル（Susan Boyle）が2010年に『I Dreamed a Dream』と『The Gift』で首位となっている。
男性、グループを含めると、2020年ではテイラー・スウィフトが3組目で、BTSが『Map of the Soul: 7』（※2020年3月7日付）と『BE』（※2020年12月5日付）、ヤングボーイ・ネヴァー・ブローク・アゲイン（YoungBoy Never Broke Again）が『38 Baby 2』（※2020年5月9日付）と『Top』（※2020年9月28日付）で首位となり、それぞれ今年2作で首位となっている。なお1956年にハリー・ベラフォンテ（Harry Belafonte）が史上初めて2枚の首位を獲得、1957年にエルヴィス・プレスリー（Elvis Presley）が史上初めて3枚の首位を獲得、ザ・ビートルズ（The Beatles）が1964年、1965年、1966年に史上初めて3枚の首位を3度達成している。
3. 今年5番目に大きな週間記録
Nielsen Music/MRC Dataによると『evermore』は12月17日までに初週のアルバム相当数は329,000で、週間アルバム相当数の最多ランキングで今年5番目の記録となり、第1位テイラー・スウィフトの『folklore』（846,000枚相当、※2020年8月8日付）、第2位ジュース・ワールド（Juice WRLD）の『Legends Never Die』（497,000枚相当、※2020年7月25日付）、第3位ザ・ウィークエンド（The Weeknd）の『After Hours』（444,000枚相当、※2020年4月4日付）、第4位BTSの『Map of the Soul: 7』（422,000枚相当、※2020年3月7日付）に続く記録となった。
4. R&B/ヒップホップ以外で今年2番目に大きなストリーミング記録
『evermore』の初週329,000枚相当の内訳では、米国内週間アルバム・セールズが154,500枚、ストリーミング数は2億2,049万回で「SEA」は167,000枚相当、「TEA」は8,000枚相当弱。『evermore』の初週ストリーミング数は、R&B/ヒップホップのアルバムを除くと、『folklore』（2億8,985万回、※2020年8月8日付）に次いで今年2番目に大きな週間ストリーミング数となった。
5. 2作の首位期間で女性史上最短
『evermore』は『folklore』の初登場首位（※2020年8月8日付）からわずか4ヶ月18日で首位となり、2作の首位の期間としては、女性アーティストとして「Billboard 200」史上最短となり、オリビア・ニュートン＝ジョン（Olivia Newton-John）による5ヶ月3日の最短記録（『If You Love Me Let Me Know』1974年10月12日付〜『Have You Never Been Mellow』1975年3月15日付）を塗り替えた。
6. トップ3に同時2作ランクイン、女性初
前作『folklore』が先週の第11位から今週第3位に浮上。これによりテイラー・スウィフトは、（モノラルとステレオが一つのチャートに統合された）1963年以降「Billboard 200」で同時に2作がトップ3にランクインした初の女性アーティストとなった。男性も含めると、フューチャー（Future）以来の記録で、2017年3月18日付チャートで『HNDRXX』が初登場首位、『Future』が第2位となった。
Hot 100
1. 7曲目の首位
『evermore』とともにリリースされ、ミュージック・ビデオが併せて公開された「willow」はNielsen Music/MRC Dataによると12月17日までに初週、米国内週間ストリーミング3,000万回を記録し「ストリーミング・ソング」初登場第4位。ダウンロードは59,000売り上げ「デジタル・ソング・セールス」初登場首位。ラジオ・プレイの記録と合わせ、「Hot 100」で初登場首位となった。「willow」にはオリジナル版に加えて、今回のトラッキング週にリミックス「Dancing Witch version – Elvira Remix」（2020年12月13日リリース）、「Lonely Witch version」（2020年12月14日リリース）、「Moonlit Witch version」（2020年12月15日リリース）の3バージョンがリリースされた。
テイラー・スウィフトとしては7曲目の首位。少なくとも7曲で首位となった史上21人目のアーティスト、史上7人目の女性ソロ・アーティストとなった。「Hot 100」首位曲数ランキングでは、ザ・ビートルズ（The Beatles）が20曲で第1位、19曲でマライア・キャリー（Mariah Carey）が第2位となっている。
テイラー・スウィフト「Hot 100」首位曲
「We Are Never Ever Getting Back Together」3週、2012年9月1日付-
「Shake It Off」4週、2014年9月6日付-
「Blank Space」7週、2014年11月29日付-
「Bad Blood」feat. Kendrick Lamar 1週、2015年6月6日付
「Look What You Made Me Do」3週、2017年9月16日付-
「cardigan」1週、2020年8月8日付
「willow」1週、2020年12月26日付
※出典：”Taylor Swift’s ‘Willow’ Debuts at No. 1 on Billboard Hot 100” – Billboard
「Hot 100」首位曲数ランキング
20曲 ザ・ビートルズ/The Beatles
19曲 マライア・キャリー/Mariah Carey
18曲 エルヴィス・プレスリー/Elvis Presley
14曲 リアーナ/Rihanna
13曲 マイケル・ジャクソン/Michael Jackson
12曲 シュープリームス/The Supremes
12曲 マドンナ/Madonna
11曲 ホイットニー・ヒューストン/Whitney Houston
10曲 ジャネット・ジャクソン/Janet Jackson
10曲 スティーヴィー・ワンダー/Stevie Wonder
2. 3曲目の初登場首位
「willow」はテイラー・スウィフトとして「Shake It Off」、「Cardigan」に続いて3曲目の初登場首位曲となった。「Hot 100」初登場首位曲数のランキングでは、最多5曲のアリアナ・グランデ（Ariana Grande、記事）に次ぐ記録で、3曲のジャスティン・ビーバー（Justin Bieber）、マライア・キャリー（Mariah Carey）、ドレイク（Drake）と並んだ。
3. 29曲目のトップ10
「willow」はテイラー・スウィフトとして29曲目の「Hot 100」トップ10ソング。28曲で並んでいたマライア・キャリー（Mariah Carey）とスティーヴィー・ワンダー（Stevie Wonder）の記録を上回り、「Hot 100」トップ10曲数ランキングでテイラー・スウィフトは第6位となった。
「Hot 100」トップ10曲数ランキング
42曲 ドレイク/Drake
38曲 マドンナ/Madonna
34曲 ザ・ビートルズ/The Beatles
31曲 リアーナ/Rihanna
30曲 マイケル・ジャクソン/Michael Jackson
29曲 テイラー・スウィフト/Taylor Swift
28曲 マライア・キャリー/Mariah Carey
28曲 スティーヴィー・ワンダー/Stevie Wonder
27曲 エルトン・ジョン/Elton John
27曲 ジャネット・ジャクソン/Janet Jackson
25曲 リル・ウェイン/Lil Wayne
25曲 エルヴィス・プレスリー/Elvis Presley
※出典：”Taylor Swift’s ‘Willow’ Debuts at No. 1 on Billboard Hot 100” – Billboard
4. 『evermore』全曲ランクイン
通常盤『evermore』収録の全15曲が今週「Hot 100」にランクインし、テイラー・スウィフトの恋人ジョー・アルウィン（Joe Alwyn）のペンネームである”William Bowery”がコー・ライターの「champagne problems」が第21位。ハイム（HAIM）を迎えた「no body, no crime」が第34位、ボン・イヴェール（Bon Iver）との「evermore」が第57位、ザ・ナショナル（The National）との「coney island」が第63位となった。今回のランクインによりキャリアを通じてテイラー・スウィフトは「Hot 100」に128曲ランクインし、ニッキー・ミナージュ（Nicki Minaj）とフューチャー（Future）の記録を上回り、「Hot 100」ランクイン曲数ランキングで第4位。228曲のドレイク（Drake）、207曲の青春ミュージカル・ドラマ『グリー』キャスト、207曲のリル・ウェイン（Lil Wayne）に続く記録となった。
「Hot 100」-『evermore』収録曲
第1位「willow」
第21位「champagne problems」
第34位「no body, no crime」 feat. HAIM
第39位「’tis the damn season」
第40位「gold rush」
第45位「tolerate it」
第52位「happiness」
第57位「evermore」feat. Bon Iver
第61位「ivy」
第63位「coney island」eat. The National
第67位「dorothea」
第68位「long story short」
第71位「cowboy like me」
第75位「marjorie」
第82位「closure」
※2020年12月26日付
※出典：”Taylor Swift Sends All 15 Songs From ‘Evermore’ Onto Hot 100” – Billboard
なおラジオのデータを含まないRolling Stone誌による米RSチャート「Top 100」では今週、マライア・キャリー（Mariah Carey）の「All I Want For Christmas」（94’、邦題：恋人たちのクリスマス / ソニー・ミュージックエンタテインメント）が第1位。第2位にはブレンダ・リー（Brenda Lee）のクラシカルなクリスマスソング「Rockin’ Around the Christmas Tree」(’58)。そしてテイラー・スウィフトの「willow」が初登場第3位となった（”RS Charts: Mariah Carey’s ‘All I Want for Christmas Is You’ Spends Another Week at Number One” – Rolling Stone）。一方RSチャート「Top 200 Albums」では『evermore』が初登場首位となった（”RS Charts: Taylor Swift’s ‘Evermore’ Debuts at Number One” – Rolling Stone）。
今週の「Hot 100」では、トップ10に6曲のクリスマス・ソングがランクインし、トップ10にランクインしたクリスマス・ソングの曲数として先シーズン（※2020年1月4日付、記事）と前週（※2020年12月19日付、記事）に記録した5曲の最多タイ記録を更新し、史上最多となった。先週首位に返り咲いたマライア・キャリー（Mariah Carey）の「All I Want For Christmas」（94’、邦題：恋人たちのクリスマス / ソニー・ミュージックエンタテインメント）が第2位。ブレンダ・リー（Brenda Lee）のクラシカルなクリスマスソング「Rockin’ Around the Christmas Tree」(’58)は第3位をキープ。同曲は先シーズン、第2位に最高位を更新した。またボビー・ヘルムズ（Bobby Helms）のクリスマスソング「Jingle Bell Rock」(’57)が先週の第5位から第4位に浮上。同曲は先シーズン、第3位に最高位を更新した。バール・アイヴス（Burl Ives）によるクリスマスのスタンダードナンバー「A Holly Jolly Christmas」(’64)が先週の第14位から第6位に浮上。同曲は先シーズン、第4位の最高位を記録した。またアンディ・ウィリアムス（Andy Williams）の定番のクリスマスソング「It’s the Most Wonderful Time of the Year」(’63)が先週の第6位から第7位にワンランクダウン。リリースから祝50周年となり先週初のトップ10となったホセ・フェリシアーノ（Jose Feliciano）のクラシカルなクリスマス・ソング「Feliz Navidad」（’70、邦題：フェリス・ナビダッド）が第10位をキープした。
今週の「Billboard 200」トップ10
第1位『evermore』Taylor Swift/テイラー・スウィフト〈初〉
第2位『Man on the Moon III: The Chosen』Kid Cudi/キッド・カディ〈初〉
第3位『folklore』Taylor Swift/テイラー・スウィフト〈+8〉
第4位『Christmas』Michael Bublé/マイケル・ブーブレ〈0〉
第5位『Thats What They All Say』Jack Harlow/ジャック・ハーロウ〈初〉
第6位『My Gift』Carrie Underwood/キャリー・アンダーウッド〈-1〉
第7位『Shoot for the Stars Aim for the Moon』Pop Smoke/ポップ・スモーク〈-1〉
第8位『The Christmas Song』Nat King Cole/ナット・キング・コール〈-1〉
第9位『El Ultimo Tour del Mundo』Bad Bunny/バッド・バニー〈-7〉
第10位『Merry Christmas』Mariah Carey/マライア・キャリー〈0〉
※2020年12月26日付
※出典：”Taylor Swift’s ‘Evermore’ Arrives at No. 1 on Billboard 200 Albums Chart” – Billboard
今週の「Hot 100」トップ10
第1位「willow」Taylor Swift/テイラー・スウィフト〈初〉
第2位「All I Want For Christmas」Mariah Carey/マライア・キャリー〈-1〉
第3位「Rockin’ Around the Christmas Tree」Brenda Lee/ブレンダ・リー〈0〉
第4位「Jingle Bell Rock」Bobby Helms/ボビー・ヘルムズ〈+1〉
第5位「Mood」24kGoldn & Iann Dior〈-3〉
第6位「A Holly Jolly Christmas」Burl Ives/バール・アイヴス〈+8〉
第7位「It’s the Most Wonderful Time of the Year」Andy Williams/アンディ・ウィリアムス〈-1〉
第8位「Positions」Ariana Grande/アリアナ・グランデ〈-4〉
第9位「Dynamite」BTS〈+15〉
第10位「Feliz Navidad」Jose Feliciano/ホセ・フェリシアーノ〈0〉
※2020年12月26日付
※出典：”Taylor Swift’s ‘Willow’ Debuts at No. 1 on Billboard Hot 100” – Billboard
