スーパーボウル2020ハーフタイムショー ジェニファー・ロペス&シャキーラ熱唱


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NFL年間王座決定戦「第54回スーパーボウル」(Super Bowl LIV)が今日(現地時間2月2日)、フロリダ州マイアミのハードロック・スタジアムで開催。20年以上にわたりラテン音楽シーンを代表してきたラテン・スター、ジェニファー・ロペス(Jennifer Lopez)シャキーラ(Shakira)がハーフタイムショーのヘッドライナーを務め、6万人を超えるスタジアムを色彩豊かなラテン文化とエネルギッシュなパフォーマンスで熱狂に包んだ。

ジェニファー・ロペスとシャキーラがスーパーボウルのハーフタイムショーに登場するのは、それぞれ今回が初めて。ラテンのアーティストがそのヘッドライナーを務めるのは、今大会で3度目で、グロリア・エステファン(Gloria Estefan)による1992年大会(Super Bowl XXVI)及び199年大会(Super Bowl XXXIII)以来。ラテンにルーツを持つラテン系女性アーティストとしては、グロリア・エステファン、2002年大会のクリスティーナ・アギレラ(Christina Aguilera)、2011年大会のファーギー(Fergie)に続くもので、ラテンのコミュニティにとって歴史的瞬間として注目を集めていた。似て非なる音楽スタイルの二人は、これまで楽曲でコラボしたことはなく、単独でヘッドライナーになってもおかしくない二人の共同ヘッドライナーに、ある種の違和感の声も寄せられていたが、強力タッグでラテンの力を結集し大役を務めた。

セットリスト
1.「She Wolf」Shakira
2.「Empire」Shakira
3.「Ojos Así」/「Whenever, Wherever」Shakira
4.「I Like It」Shakira & Bad Bunny
5.「Chantaje」Shakira
6.「Hips Don’t Lie」Shakira
7.「Jenny From the Block」Jennifer Lopez
8.「Ain’t It Funny」Jennifer Lopez
9.「Get Right」Jennifer Lopez
10.「Waiting For Tonight」Jennifer Lopez
11.「Booty」/「Mi Gente」Lopez & J Balvin(「Love Don’t Cost a Thing」)
12.「On the Floor」 Jennifer Lopez
13.「Let’s Get Loud」Jennifer Lopez, Shakira, Emme Maribel Muñiz
14.「Born in the USA」Emme Maribel Muñiz
15.「Waka Waka (This Time for Africa) 」Shakira, Jennifer Lopez

Shakira

ショーをキックオフしたのは、この日43歳の誕生日を迎えたシャキーラ。2009年世界的ヒットの英語曲「She Wolf」で幕を開け、コロンビアの歌姫は「Empire」(2014)、「Whenever, Wherever」(2001)をメドレーで披露。カーディ・B(Cardi B)のバイリンガル・ヒット「I Like It」では、プエルトリコのレゲトン歌手バッド・バニー(Bad Bunny)がゲスト・パフォーマーとしてステージに登場。ラテン・ヒット「Chantaje」(2016)のシャキーラに、バッド・バニーは自身のレゲトン・ヒット「Callaíta」(2019)を歌い、シャキーラはアイコニックな「Hips Don’t Lie」(2006)で観客にダイブ。カラフルなステージで南米らしい妖艶なダンスを躍動させヒット曲メドレーで沸かせた。

ちなみにダイブから帰ってきたシャキーラがカメラに向かって、レロレロレロさせるシーンが話題となったが、あるアラブ系アメリカ人ライター(SNS)は、アラブのカルチャーの一つである「ザガリート」だと指摘。ベリーダンスの独特な掛け声としても知られ、結婚式や祝い事の際など、アラブ人女性が幸せと喜びを表現する叫び声だという。シャキーラの父の両親はレバノン出身のアメリカ移民、父はその後コロンビアに移り住み、シャキーラはそこで生まれた。シャキーラの名前はアラブ語で「感謝する」、「恩を感じる」を意味している。

Jennifer Lopez

続いてジェニファー・ロペス(50歳)が登場。エンパイアー・ステート・ビルな摩天楼の先端につかまりステージに現れたロペスは、「Jenny from the Block」(2002)、「Ain’t It Funny (Murder Remix)」(2002)、「Get Right」(2005)をダンサーらを従えメドレーで披露。セクシーな衣装に着替えた『ハスラーズ』のラモーナは、自在に宙を舞う華麗なポールダンスとともに「Waiting For Tonight」(1999)で沸かせた。そしてゲスト・パフォーマーとしてコロンビアのレゲトン歌手J. バルヴィン(J Balvin)が登場し、「Que Calor」(2019)を披露。再び衣装チェンジのロペスは、「Love Don’t Cost a Thing」(2000)からJ. バルヴィンの「Mi Gente」(2017)、そしてロペスが「On the Floor」(2011)で熱気に包みフィールドを揺らした。

Shakira&Lopez

熱情的なラテンの熱気からステージは一変、純白の衣装に身を包んだ大勢の子どもたちとロペスの11歳の娘Emmeちゃんが登場。スピリチュアルな空気のなか、シャキーラがドラムを叩き、手をつないだ子どもたちの美しい合唱をバックコーラスに、Emmeちゃんは母のデビュー・アルバムより「Let’s Get Loud」(2000)を両親譲りの歌声で堂々と熱唱。ラテンのガールズ・パワーで全米の注目を集めた。自身のルーツであるプエルトリコの国旗とアメリカの国旗を纏った母がステージに現れると、Emmeちゃんは母と一緒に、ブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen)のアイコニックな1984年曲「Born In the U.S.A」(ボーン・イン・ザ・U.S.A.)をカバーし、「Let’s Get Loud」とマッシュアップ。ステージの周りでは、ケージの中から子どもたちが声をあげ、厳格な移民政策を提唱するトランプ政権への政治的メッセージを映し出した。ロペスとシャキーラは一緒に歌わないことが一部報道されていたが、シャキーラが加わり、子どもたちのダイナミックなダンスとともに、「Let’s Get Loud」をコラボで披露。FIFAワールドカップの公式テーマソングだった「Waka Waka (This Time for Africa)」でロペスとシャキーラが二人で圧巻のフィナーレを飾り、後半戦へと繋げた。

ゲスト・パフォーマーを含め、全てのアーティストがラテンのアーティストとなったのは初めて。「Let’s Get Loud」、「Waka Waka (This Time for Africa) 」のパフォーマンス中には、ちょうど1週間前(現地時間2020年1月26日)にヘリコプター事故で亡くなった元NBAスター選手コービー・ブライアントへのトリビュートが捧げられ、彼が活躍したロサンゼルス・レイカーズのカラー、紫と黄色のライトが照らされた。この事故では一緒に搭乗していた13歳次女も亡くなり、スポーツ界のレジェンドの突然の悲報はアメリカに衝撃を走らせた。ハーフタイムショー前の記者会見(現地時間1月30日、映像)でロペスは、「全ての人に深く関わることだわ。それはどんな人であっても命は儚いものであり、人生のどんな瞬間も感謝し、ここにいる間に人々を愛する必要があるということを、再認識させるものだからだわ」。

ラテン女性が歩んできた過酷な道のりに触れながら、「多様性」と「団結」、そして「愛と思いやり」のメッセージを広めることが今回のショーのミッションであるという。ロペスは「すごくエネルギーに溢れたショーになるわ。とても楽しめるショーよ。そして心に触れる瞬間がある」、「二人のラテン女性が、この時期にこの国でこのショーをすること、それは本当に私たちを鼓舞させるものだわ」、「そうしたメッセージを送る力になれて、とても誇りに思っているわ」。

開会式では、ゴスペル/ソウル・シンガーのヨランダ・アダムズ(Yolanda Adams)が「America the Beautiful」を合唱団とともに美しく歌い上げた。そしてデミ・ロヴァート(Demi Lovato)がアメリカ国歌「The Star-Spangled Banner」(邦題:星条旗)を独唱。ブランクを感じさせない迫力の歌声をフィールドに響かせた。なおパフォーマンス動画は以下の通り。

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