セレーナ・ゴメス最新曲「Bad Liar」MV、1人4役で絡み合うキュートで奇妙な四角関係

「何とか、何とか、何とか／あなたのこと考えないようにしてる／ダメ、ダメ、ダメ／何とか、何とか、何とか／あなたの誘惑に負けないようにしてる／ダメ、ダメ、ダメ／勝手に気持ちに火がついてしまう／私はウソがヘタなのかな」。先月リリースされ、その「あなた」にも注目を集めたセレーナ・ゴメス（Selena Gomez）の最新シングル曲「Bad Liar」（ダウンロード版）。そのミュージック・ビデオが、現地時間今週14日に公開されました。

米HBO“こじらせ女子4人組”人気ドラマ『GIRLS/ガールズ』（原題：Girls）のエピソードを手がけたことでも知られる米映画監督ジェシー・ペレツ（Jesse Peretz）がメガホンを握る同ミュージック・ビデオでは、70年代アメリカ郊外を舞台に、一人きり寡黙な高校生活を送る少女の何気ない視線から、赤裸々な人間模様と隠すことのできない心理描写に迫るキュートで奇妙な映像に。

少女とその母親、少女の高校の教師（あるいは校長）の父親、ファラ・フォーセット（Farrah Fawcett）風のゴージャスな同高校体育教師のブロンド女性の四役を一人で演じきるのは、24歳の米女優セレーナ・ゴメス。

10代にしか見えない風貌でファンらを驚かせるなか、機微をうがつその演技力で、父親と女性教師の関係、疑惑から嫉妬へと移り行く”殺意”な母親、そしてその一部始終を目撃する少女の秘かな熱い想いを、錯綜するスクリーンに映し出します。

1977年にリリースされたトーキング・ヘッズ（Talking Head）の名曲「Psycho Killer」（サイコ・キラー）をサンプルに、ヘイリー・スタインフェルド（Hailee Steinfeld）の「Love Myself」、ジャスティン・ビーバー（Justin Bieber）の「Sorry」等世界的ヒット曲を生み出しているソングライターの名コンビ、ジュリア・マイケルズ（Julia Michaels）とジャスティン・トランター（Justin Tranter）が前作『Revival』に続いて、セレーナ・ゴメスとともに同曲を制作。

Bad Liarは誰？

「抑えるほどに、恋心はサイコパス。」Selena Gomez – Bad Liar

想いを寄せる人が他の人と一緒にいるところを目撃し、動揺隠せない感情を綴るシーンから始まる「Bad Liar」の楽曲では、膨らむ妄想な恋心、熱情的ゆえの不安、かき乱される心、恐れという様々な感情が入り混じるなか、そうしたものを越えて隠せない恋心、愛がとめどなく溢れ出るラブ・ソングに。「音楽（の潮流）は絶え間なく変わり続け、…、ラジオでは聞かないようなサウンドにしたかったの」と今月ライアン・シークレスト（Ryan Seacrest）のインタビューで語る独創的なミッドテンポのサウンドが、その鼓動を共振させていきます。

エクスタシーのように触れる「あなた」について、元恋人ジャスティン・ビーバーという憶測も呼ぶ一方、同曲をコーライティングしたジャスティン・トランターは「この曲は新しい人への魔法のような感情を隠そうとしているけど、それができない曲なんだ」と先月ツイート。

Power 96.5 FMでのインタビューでセレーナ・ゴメスは、次のように同曲の意味を明かします。「Bad Liarは誰かに夢中になった時、”ハネムーン時期”に生まれる感情の物語を伝えるものだわ。私はそういう感情に弱いの。全世界で最も一番好きな感情だわ」、「この感情は頭から離れないような感情だと思うの。服装を変えてみたり、話し方を変えてみたり、でもそれを私が奨励しようとしているのではなく、むしろその感情のことを謳っているものだわ」。

また恋人ザ・ウィークエンド（The Weeknd）への曲という声も上がるなか、ライアン・シークレストでのインタビューでセレーナ・ゴメスは「その楽曲は1年以上も前に制作されたものだわ」、「私は全く違う状況にあったし、むしろその曲は物語を綴っている歌だと思うの」と語ります（Bad liar?）。

ターニング・ポイント

世界を席巻したDJカイゴ（Kygo）とのコラボレーション曲「It Ain’t Me」、そして自身が監督を務める注目の米Netflix人気海外ドラマ『13 Reasons Why』サウンドトラック収録曲「Only You」に続いて公開された「Bad Liar」。ニューヨーク・タイムズ誌、ローリング・ストーン誌、ピッチフォーク誌をはじめ、海外誌から高い評価が寄せられる元ディズニー・スターの同曲について、米ビルボード誌は「ゴメスのアーティスト・キャリアのターニング・ポイントになるかもしれない」と分析します。

心の病による活動休止を経て明かすVOGUEのインタビューで「一日一日自分の愛することをできること、それはファンのおかげだわ」、「ありがとう」とこれまで以上に力強く歩み始める24歳、その次なる”Fetish”にも世界中から注目を集めます。

（記事）“Selena Gomez’s ‘Bad Liar’ Is Her Most Acclaimed Single Ever: Will It Become a Hit?” on Billboard
（記事）“Selena Gomez on Instagram Fatigue, Good Mental Health, and Stepping Back From the Limelight” on VOGUE
（記事）“Selena Gomez denies ‘Bad Liar’ is about The Weeknd” on PageSix

※2017年6月18日、「Bad Liar」日本語訳歌詞・和訳の全文及びPower 96.5 FMでのセレーナ・ゴメスのインタビューを追記しました。