マシュメロ(Marshmello)とデミ・ロヴァート(Demi Lovato)による新曲「OK Not to Be OK」が世界自殺予防デー(現地時間9月10日)に合わせてリリースされ、ミュージック・ビデオも公開された。内観的なサウンドからアップビートなダンス・ナンバーでメンタルヘルスへの大切なメッセージを歌った「OK Not to Be OK」は、メンタルヘルスの教育・支援を通じて自殺の予防を目的とした非営利団体「Hope for the Day」とのコラボレーション。
ノスタルジックでカラフルなミュージック・ビデオは、「Be Kind」のハナー・ラックス・デイビス(Hannah Lux Davis)が監督を務め制作。マシュメロとデミ・ロヴァートがそれぞれ子供の頃の部屋に戻り、子供の頃の自分と対面する。あの頃の自分に伝えたかった歌にのせて4人は部屋を出ると、鮮やかな大空の下で自由になり踊り始める。
(バース1)「まるで大海の一滴/誰も気づくことはない/気のせいかもしれない/まるで自分の肌の中に囚われの身/そして体が凍てつく/打ちひしがれ、失うものは何もない」、「気持ちが高ぶり/そして自分を見失い/祈ることができないほど疲れ果てた時/見失ってはいけない/諦めそうになった時、諦めないで/誰かに言ってもらうだけでいい」(コーラス)「大丈夫じゃなくって大丈夫/大丈夫じゃなくても、大丈夫/立ち上がれず、自分を恥じる時/大丈夫じゃなくても、大丈夫」
(バース2)「まるで人生が幻/最近は閉じこもり/もう無理だと考えながら/出口がないように感じる/人間にすぎないのだから/コントロールできない、手に負えない」、「気持ちが高ぶり/そして自分を見失い/祈ることができないほど疲れ果てた時/見失ってはいけない/諦めそうになった時、諦めないで/誰かに言ってもらうだけでいい」(コーラス)「大丈夫じゃなくって大丈夫/大丈夫じゃなくても、大丈夫/立ち上がれず、自分を恥じる時/大丈夫じゃなくても、大丈夫」
「Be Kind」のマシュメロは、メンタルヘルスについてApple Musicで「とても大切なテーマだと思う。自分の中の否定的な感情や否定的な思考を話題に持ち出し、声にすることを多くの人が恐れていると思う。実際、共感されず理解されないかもしれないと人々は恐れている。しかし打ち明けられる人もたいていは、同じように感じたことがあるし、あるいは理解し共感する。だから打ち明けることがとても大切だと思う」。
「Hope for the Day」のCEO、Jonny Boucherは声明で、「世界自殺予防デーにメンタルヘルスへのスティグマをなくすため、このプロジェクトでデミ・ロヴァート、マシュメロとコラボレーションすることを喜ばしく思っています。Hope for the Dayが取り組んでいる自殺の予防とメンタルヘルスの教育は、コラボレーションによってさらに広まり、全ての人に”大丈夫じゃなくても大丈夫”ということを教えてくれる曲で世界的な2人のアーティストと組むことは、これ以上になく力強いものです」。
メンタルヘルスの早期治療・支援のためには、「メンタルヘルスへのスティグマ」をなくすことが最重要課題だといわれている。スティグマはもともと”烙印”を意味し、「メンタルヘルスへのスティグマ」とは、こころの不調への社会・周りの偏見や差別(社会的スティグマ)をいう。こうした誤った知識や否定的な態度が、こころの不調をもつ人には恐れや恥となり、悪化すると自己をスティグマとみなし(セルフスティグマ)、社会から必要とされない価値の低い者と思うようになり、適切な治療や支援が届かず、孤立・深刻化していくという負の連鎖に繋がる。
7歳の頃からうつ病と闘い自らのメンタルヘルスを赤裸々に語ってきた「I Love Me」のデミ・ロヴァートはGood Morning Americaで「私が経験したことや決断のなかには少し恥ずかしいと思うこともあるわ」、「こころの病のなかで間違いを犯してしまうことはあると思う」、「しかしそうしたことを話して、関心を高めることがスティグマを取り払うことに役立つことだとも思っているわ」。「葛藤している時、一時的な問題のために取り返しのつかない解決法を考える時がある。でもそれは多くの人たちの人生に永遠に消えない影響を及ぼすことになる」。「あなたは今、絶対一人なんかじゃない」、「あなたを愛している人がいる。あなたのことを思っている人がいる。もしあなたが電話をかければこたえてくれる。もし誰もいなかったら、私の音楽をかけて。私が一緒にいる」。
またデミ・ロヴァートはSNSで「この曲を必要としている人のアンセムにして。どんな困難であってもあなたは乗り越えられる。私がいつもそばにいるわ」、「自分を大切に。愛する人の声を聞いて」。友達や家族とメンタルヘルスに関する知識をシェアしてほしいとデミ・ロヴァートは語っている。メンタルヘルスについては厚生労働省がサイト「みんなのメンタルヘルス」で情報発信している。