12歳歌姫ダネリヤ・トュレショヴァ、壮大なバラード「Seize the Time」


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米CBS新番組世界タレント頂上決戦『The World's Best』出場へ 2019年2月3日放送開始

ヨーロッパ最大の音楽コンペティション『ユーロビジョン・ソング・コンテスト』のキッズ版『ジュニア・ユーロビジョン・ソング・コンテスト』(Junior Eurovision Song Contest)が先月(現地時間11月25日)ベラルーシのミンスクにて開催。「#LightUp」をスローガンに世界20カ国の代表が集結し、メッセージ性の強い曲をはじめキッズの音楽祭らしいアップビートで可愛らしい楽曲で盛り上がりを見せるなか、一際小柄な体ながら力強く清婉な歌声と多彩な表現力で大人びた曲を歌い上げ注目を集めたのは、同大会初参加国カザフスタンの代表、12歳ダネリヤ・トュレショヴァ(Daneliya Tuleshova / Данэлия Тулешова)


その年齢離れした歌声が広く知られるようになったきっかけは、ダネリヤが当時10歳の時に挑戦した音楽コンペティション番組『ザ・ヴォイス・キッズ』(The Voice Kids)フランチャイズのウクライナ版シーズン4。2017年11月に放送されたその初回オーディション、この日最後に登場したダネリヤは、「神様お願いです、どうか私にお力を貸してください」、ステージで小さく祈りデミ・ロヴァート(Demi Lovato)「Stone Cold」を披露。その驚嘆の歌声に審査員全員の「I WANT YOU」ボタンと会場から鳴り止まぬスタンディングオベーションが送られ、世界中から注目を集めた同映像は現在3100万回を超える動画再生回数を記録します。

「石は冷たく、石は冷たく/立っていても私は床で死にかけている/石は冷たく、石は冷たく/もし涙を流さなければ、私はもう何も感じないわ」、「石は冷たく、baby/神様は知っている、あなたの幸せを思おうとしていることを/自分を知る、たとえ理解できなくても/この痛みを感じよう/真実を私に教えて/私と心、何とかうまくやっていこう/もしあなたの幸せが彼女なら、私も幸せよ」、「冷たい石になりたくない、冷たい石/これがホンキだったらと願いながら、しかしこれが私のサヨナラ/あなたの幸せが彼女なら/私も幸せよ」

ド肝抜く迫力のシャウトから愁いの余情を漂わせる、10歳。審査員で歌手/女優のナタリア・モギルヴスカヤ(Natalia Mogilevskaya)は「Wow!!」、「まるで大人のような歌声だわ」、「私が見てきたVoice Kidsウクライナ史上最高の歌声だったわ、全シーズン通してね!本当に素晴らしかったわ」。「他にどんな歌を歌うの?」、「何歳だっけ?」、「チョット待ってそもそも、お名前は?」と興奮で順番を誤るナタリア。「私の名前はダネリヤです。10歳です」。他にも歌ってとのアンコールにダネリヤはウクライナ人歌手Khrystyna Soloviy(Христина Соловій)の「Тримай」(MV)をカバー。ナタリアは「泣いちゃうわ、もう本当に信じられない…。これはありえないわ」。「小さな女神だわ」。審査員でポップ・デュオVremya i StekloのPositiffは「言葉に出来ないよ」、ナディア・ドロフィエワ(Nadya Dorofeeva)は「衝撃的よ、驚異的な歌声だわ、何歳だったっけ?」、「本当に信じられないわ、素晴らしすぎる!あなたの歌声はユニーク、言葉を失うわ」、「あなたは未来のスーパースターよ、世界的に有名な歌手になるわ」。そしてサイモン・コーウェルな審査員モナティーク(Monatik)は「君はまるで大人のように歌うね。君の音色はまさにベルベットだ」、「今頃すべての大人たちが君の歌声にうっとりしている」、「君の歌はすごかった、でも上達できる何かがあるんだ。君が挑戦できることはすごくたくさんある。そして君のパフォーマンス、とても美しくなるだろう。全ての人がワクワクし、見たことないもの、君自身にとってもね。君の可能性は君自身でさえ予想できないよ。」

その後も勝ち上がり、ノックアウト・ラウンドではソウル・シンガー、アンドラ・デイ(Andra Day)「Rise Up」。人生の苦難、葛藤、絶望のなか立ち上がれなくなった人へ送る救いと希望のバラードを酸いも甘いも噛み分ける歌声で歌い上げるダネリヤ。そういうラウンドではないものの強面の審査員をノックアウト、深い感動で会場を包みます。

「あなたは打ち砕かれ、疲れ切っていたわ/メリーゴーラウンドの人生を生きることに/そして闘う自分を見つけることができない/でも私はあなたの中にそれが見える、共に乗り越えよう/そして山々を動かそう/私たちは乗り越えるのよ/そして山々を動かそう」、「そして私は立ち上がる/立ち上がるわ、太陽のように/立ち上がる/私は立ち上がるわ、恐れることなく/立ち上がるわ/そして私は何度も繰り返す、何千回も」、「あなたのために/あなたのために/あなたのために/あなたのために」

「そして私は立ち上がる/私たちは立ち上がるわ/私たちは立ち上がる/立ち上がるわ」、「あなたのために/あなたのために/あなたのために/あなたのために」

往年のディーバを垣間みせる美しい歌声と繊細な表現力で魅了したダネリヤはウクライナ版『ザ・ヴォイス・キッズ』で見事優勝を果たし、外国人による優勝は同番組史上初。大きな反響が寄せられる彼女のオーディション映像はYouTubeで現在トータルで6000万回を超え、異例の動画再生回数を記録します。彼女の優勝は母国カザフスタンでも各メディアで報道。優勝後Kazakh TVでダネリヤは「私の夢は(歌の)技術を習得することです」、「もし歌を聞いてくれる人へ自分の心の一部でも届けられれば、その歌を愛してくれる、私が愛するのと同じように」、そして彼女の目指すメインゴールは、その声でカザフスタンの素晴らしさを世界中に伝えることであるといい、そのために一生懸命努力していくと語ります。

ダネリヤは社交ダンスの大会で優勝するなどダンスも得意。『ザ・ヴォイス・キッズ』前では、8歳の時、歌のナショナル・コンテスト『Ayalagan Astana』で優勝しその後ヴォーカル・トレーニング・コーチのもとプライベート指導を受け歌を磨き、9歳の時クリミアで開催された音楽コンテスト『Junior New Wave 2015』でカザフスタンを代表し特別賞(People’s Choice Award)など受賞。2018年3月にはユーラシアの音楽祭『Bravo International Music Award』で賞(Glimpse into the Future)を受賞し、フランスの人気歌手ザーズ(ZAZ)と「Je veux」を歌った(動画)。

Junior Eurovision

ダネリヤ(2006年7月18日生まれ)はカザフスタン南東部アルマトイに住みそこの学校に通う6年生。今年9月開催の『ジュニア・ユーロビジョン』のカザフスタン代表を決めるナショナル・ファイナル(Kazakh Junior Eurovision national final)では最も多くのオーディエンス票を獲得し優勝、『ジュニア・ユーロビジョン』のカザフスタン初代表に選ばれます。『ジュニア・ユーロビジョン』で挑むカザフスタン代表曲はカザフ語(と一部英語による)曲「Òzińe Sen」(Өзіңе сен)(「自分を信じて」の意)。大人のユーロビジョンで登場するような壮大な美しい楽曲となり、後に英語版「Seize the Time」(「今を生きて」の意)もリリース。同曲についてダネリヤは「とてもモチベーションがわく曲、信じることはすごく大切だって思っています」(tengrinews.kz)。ダネリヤが作詞に加わったカザフ語の歌詞では、そうした信じることの大切さと共に「ママがダイスキ」という母親への愛も込められた曲に。ダネリヤは4歳の頃怪我により6歳まで課外活動や運動ができなくなったといい、作詞家Artyom Kuzmenkovによる英語版の歌詞では、怪我をしたある少女にかける母親の言葉を描きます。

composed by Ivan Lopukhov / filmed by DPartners / directed by Daut Shaikhislanov

(カザフ語版)「幼少期は戻ってこない/あなたは決して母親の温かさを忘れないわ/毎日をこういう日にしよう/全ての瞬間を/あなたの思い出の中にある光で満たされたあの瞬間に」、「運命はあなたの手の中に/聞いて、恐れないで、夢を追いかけて/あなたの幸せはまだこの先にある/自分を信じて/あなたの時が来るわ/ただこの時を忘れないで/私はあなたを信じている」(lyrics by Kamila Dayirova, Daneliya Tuleshova)

(英語版)「小さな足どり、大きく目を開き/怪我をした膝、ママは言う、落ち込んでいてはダメよ/あなたの人生、どんな時も楽しんで/大きくなったら、あっという間に日は過ぎ去ってしまうのよ」、「今を生きて/時に追い抜かれないで/しっかり聞いて、今を生きるの/今を生きて/二度目の人生はないように/どうすれば?/何も必要なものはないわ、自分の道に立ち上がって/時間をゆっくりに、今がその時よ/ほらさぁ、出発して」(lyrics by Artyom Kuzmenkov)

大会初参加としても注目を浴びた中央アジアのカザフスタンは20カ国中3番目の登場、タイトなスケジュールのなか初めての大舞台に挑んだダネリヤは綺羅びやかな時計仕掛けなステージで白いドレスに裸足でその思いを込め披露(映像)。オーディエンス票ではカザフスタン第3位、審査員票との合計で第6位でフィニッシュ。最後に登場したポーランド(映像)が優勝を果たしました。『ジュニア・ユーロビジョン』の発表によると、各国代表曲のミュージック・ビデオ動画再生回数ランキングでは、ポーランド(MV)に次いでカザフスタンが第2位。Kazakh TVでダネリヤは「心より皆さんに感謝を伝えたいです。最善を尽くすことができ、とっても皆さんに感謝しています。初めてユーロビジョンに私たちの国が参加でき、今回の結果は良い結果と思っています。本当にありがとうございます。皆さんのおかげです。私たちと一緒にいてくれてありがとう」。先月その大会を終え、今週火曜日ダネリヤは自身のSNSでレコーディング・スタジオでの写真とともに「戻ってきたよ🤚🏻歌ってます 😹そんな久しぶりじゃなかったよね😹 ずっと学校とかだったよ❤️🌝でもこのホリデーの間、何か新しいことを予定してる。みんな元気にしてる?」

The World’s Best

再来月、2019年2月3日にNFL『第53回スーパーボウル』(Super Bowl LIII)が開催され、今シーズンはCBSで放送。全米最高視聴者数を誇る同決戦直後の番組はその局の重要な番組があてられることでも知られますが、今シーズンは世界タレント・コンペティション番組『ザ・ワールズ・ベスト』(原題:The World’s Best)の初回が放送予定。世界各国から集まった出場者がその才能の世界最強を決するシリーズ(10-episode)で、『アメリカズ・ゴット・タレント: ザ・チャンピオンズ』(記事、原題 America’s Got Talent: The Champions)のCBS版に近い新番組。司会はCarpool Karaokeでお馴染みの『レイト×2ショー with ジェームズ・コーデン』(原題:The Late Late Show with James Corden)の名物司会者ジェームズ・コーデン(James Corden)、審査員はハリウッド女優ドリュー・バリモア(Drew Barrymore)、ドラァグクイーンのルポール(RuPaul)、そしてグラミー賞5度受賞カントリー・スター、フェイス・ヒル(Faith Hill)と、AGTよりも豪華な顔ぶれ。現在その出場者は公式に発表されていないものの、情報筋によるとダネリヤが出場しておりその収録が確認されています。果たしてダネリヤの運命は?『The World’s Best』は2019年2月3日より放送開始となります。

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