アリアナ・グランデ×マドンナ、女神の「God Is a Woman」MV公開


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カトリックがテーマとなった今年のメットガラでは、バチカン宮殿システィーナ礼拝堂に描かれたミケランジェロによるフレスコ画『最後の審判』をプリントしたヴェラ・ウォンのドレスで魅了したアリアナ・グランデ(Ariana Grande)。ファンらから高い期待の声が寄せられていたその新曲「God Is a Woman」を当初の予定を早め、先週13日の金曜日にリリース、同日ミュージック・ビデオが公開されました。

セクシュアリティと神性を融合させたミッドテンポの大胆な女性エンパワーメント・アンセム「God Is a Woman」では、「あなたは夢中、あなたを動かす私の動きに/私があなたを触る感じ、あなたは大好きよね/私の人、全てが済んだら/あなたは信じるわ、神は女性だと」。

真夜中の後も私はそれを感じる/あなたが抗えない感情を/私の人、私たちがした後も、それはずっと消えない/あなたは信じるわ、神は女性だと

終盤にかけてアリアナ・グランデのヴォーカルのレイヤーがゴスペルな雰囲気を演出する「God Is a Woman」のソングライターには、「Problem」、「Into You」、「Side to Side」、そして「No Tears Left to Cry」を手がけたスウェーデンのヒットメーカー、マックス・マーティン(Max Martin)イリア・サルマンザデ(Ilya Salmanzadeh)、Savan Kotechaのチームらに加え、アリアナ・グランデ。同曲のプロデューサーには、イリア・サルマンザデ。

God Is a Woman

「God Is a Woman」について先月アリアナ・グランデは、「性的な女性のエンパワーメント、そして女性はまさに全ての存在で、私たちの中に宇宙があることを歌っているわ」(SNS)。一方フェミニスト・アンセムと期待していたファンは、リリースされた同曲に戸惑い、「神が女性ってのは、セックスのことだったの?」、「女性のエンパワーメントの曲じゃなかったっけ?」それに対してアリアナ・グランデは「セックスは、エンパワーメント。セックスは全ての命の源だわ。女性器(pussy)は誇り(privilege)よ」(SNS)。

アリアナ・グランデが中心となって銀河を腰で回すシーンから、女性器を模したペイントの水面に裸体で浮かぶシーンなど、シンボリックな映像で迫る「God Is a Woman」のミュージック・ビデオは、ミュージック・ビデオ界を代表するグラミー賞受賞の巨匠デイブ・マイヤーズ(Dave Meyers)が監督を務め、「No Tears Left to Cry」、「The Light Is Coming」に続いて映像化。

宇宙の中心・均衡、生命の源、スピリチュアルな描写をはじめ、ギリシア神話のケルベロス、ローマの建国神話のロームルスとレムス、ミケランジェロの『アダムの創造』など、神話、歴史的宗教画を模して、セクシュアリティと霊性のアレゴリーを含んだ映像に。その比喩的表現方法はケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)の「HUMBLE.」や「All the Stars」を彷彿とさせながら(いずれもデイブ・マイヤーズ監督作であるが)、スピリチュアリティとフェミニズムが絡み合う批判を恐れないラジカルな描写にも注目を集めます。

× マドンナ

アリアナが裁判官のガベルで天井のガラスを砕くシーンのモノローグでは、「Like a Prayer」のマドンナ(Madonna)が声でカメオ出演。「よって我は、怒りに満ちた懲罰と大いなる復讐をもって、我が姉妹を毒し、滅ぼそうとする汝に制裁を下す。そして、我が汝に復讐する時、汝は我が主である事を知るだろう」(And I will strike down upon thee with great vengeance and furious anger those who attempt to poison and destroy my sisters. And you will know my name is the Lord when I lay my vengeance upon you)。

この言葉は、1994年クエンティン・タランティーノ監督映画『パルプ・フィクション』(原題:Pulp Fiction)で、サミュエル・ジャクソン演じる殺し屋ジュールスが処刑の際に暗唱した架空の旧約聖書「エゼキエル書25章17節」(Ezekiel 25:17、動画)だといいます。なお「God Is a Woman」では「兄弟」を「姉妹」に変更。

同シーンを引用した上でその寓意の意味に触れながらアリアナ・グランデは、「見えない障害を打破しようと(break the glass ceiling)日々必死に闘っている私の女神たち、これはあなたのための歌。私はあなたをリスペクトし、いつまでもインスパイアされ続けるわ」(SNS)。「やり続けて、怯むことなくあなたらしさのままで」、「あなたのアンセムになることを願ってるわ」。

神が男性か女性かについて、聖書では「神はスピリット」(God is spirit, and his worshipers must worship in the Spirit and in truth. – John 4:24)とされており、カトリック教会のカテキズムでは、「神は男性でも女性でもなく、神は神だ」。ファンの中にはキリスト教徒も当然おり、同曲の宗教的問題をファンから指摘されたアリアナ・グランデは、「それは予想していたわ、もちろんそれは理解している…、でもこれはアートよ。皆が全部理解してくれなくって平気」。かねてから女性の権利を訴え、セックスをオープンに語ることを訴えてきたアリアナ(Vanityfair)は、「無難にいくより私はこうする方を選ぶわ」(SNS)。

「God Is a Woman」は、前作『Dangerous Woman』より約2年ぶりとなる通算4枚目のスタジオ・アルバム『Sweetener』のセカンド・シングルで、リード・シングル曲「No Tears Left To Cry」、ニッキー・ミナージュ(Nicki Minaj)とコラボした「The Light Is Coming」に続きリリースされた曲。その最新アルバム『Sweetener』は、来月8月17日にリリースされます。
 
 
 
 


References

女性器を彷彿させるという。女性器の衣装で演出したジャネール・モネイ(Janelle Monae)「PYNK」のミュージック・ビデオ(動画)がヴァイラルになったばかり。

子宮だと言われる。中央にはベッド、周りには複数の男性たち。

“slut”、”ビッチ”、”フェイク”、女性軽蔑の言葉を投げかける白人男性を俯瞰するアリアナ。オーギュスト・ロダン の「考える人」にも見えるという。プロンズ像「考える人」はダンテの『神曲』に基づくもので、「地獄の門」の一部。

ギリシア神話に登場する冥界の番犬ケルベロス。あるいはハリー・ポッターに登場するハグリッドのペット、フラッフィーという声も。

アリアナが地球をまたぎ、ハリケーンの穴に指を入れ動かしながら、自然災害を操る。

ローマの建国神話に登場するローマの建設者の双子、ロームルスとレムス(写真)をもとにしたものではと一部報じられている。捨てられた双子は狼によって育てられた。寓意の意味として、ここではアリアナが、建国の男たちを育てていることになる。

イルミナティを彷彿させるとの指摘も。宇宙のエネルギーと繋がる結跏趺坐のアリアナ。宇宙のバランスをアリアナが司るシーンは他にも描かれる。

神殿なシーンでは、両脚の中央から光注ぐ。同曲のセクシュアリティとスピリチュアリティの融合の象徴的シーンとも言われる。

宗教的なシーン。海外ドラマ『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』(原題:The Handmaid’s Tale、Hulu)を彷彿させるという声も。ブラック・ディアスポラ、アフロフューチャリズムを投影したケンドリック・ラマーとシザ(SZA)による「All the Stars」MVにも似たシーンが登場。

ミケランジェロの『アダムの創造』(画像)の女性版。神にはアリアナ。アダムは黒人女性に置き換えられ、全て女性となっている。

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