豪雨にドレス舞う、テイラー・スウィフト最新曲「Delicate」MVで神隠しの狂喜乱舞(とキュートな変顔)


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メディアから姿を消した、テイラー・スウィフト(Taylor Swift)。メジャー・アーティストによるアルバムリリース後の活動としては異例となるなか、現地時間3月11日、iHeartRadioによる音楽祭「iHeartRadio Music Awards 2018」が米カリフォルニア州イングルウッドで開催。その「女性年間アーティスト賞」に輝いたテイラー・スウィフトが最新アルバム『Reputation』(レピュテーション)より、4thシングル曲「Delicate」(デリケート)のミュージック・ビデオを同会場で初公開しました。

この日(グラミー賞に続きやはり)欠席することとなったテイラー・スウィフトは同受賞を受け、事前収録の映像で、「この賞を頂け、心から皆に感謝を伝えたいわ」、「そしてファンの皆へ、今までも、今も、これからも、応援してくれて本当にありがとう、あなたたちは最高だわ」。そして再来月はじまる自身のワールド・ツアーのリハーサルのため欠席となったことを明かした上で、「感謝の気持ちを示したく、最新シングル曲”Delicate”の最新映像をぜひ皆に、って思ったわ」(映像)。

「Delicate」のタイトルに、虚無感漂う憂鬱のシーンから幕を開けるミュージック・ビデオには、誰もが憧れるスーパースター。「最高なわけない/私のレピュテーションは、これ以上ない位に最悪なのに/じゃあ、あなたは私、私自身の事が好きに違いないわ/どんな約束も/今はできないよね?私たち、そうだよね?/でも、一杯飲みにでも誘っていいよ」。

ロサンゼルス・シアターのレッドカーペットでは、パパラッチや、レポーター、ファン、そしてセキュリティ・ガードに囲まれ、優雅なはずの脚光が、次第に違和感から自己の乖離へ。変顔で自分を取り戻そうとする姿をミラーに映すと、人混みの中で手渡された小さなメモの不思議な魔法で透明人間になってしまったテイラー。

これまでの『Reputation』の重々しく不穏のサウンドはあとに、「Teardrops On My Guitar」な、叙情的で繊細なクラシカルなオールド・テイラーを思い起こすなか、柔らかく触れる歌声で「イーストサイドの居酒屋、あなたは今どこ?/携帯が暗闇のなかで私のナイトテーブルを照らす/ここに来て、真っ暗の中で、私に会いに来て」、「ダークのジーンズにナイキのシューズ、あなたの姿/そんな青色(の瞳)、見たことがないわ」。「私たちの楽しいこと、想像してみて/だって私はあなたのことが好き」。

シーア(Sia)「Chandelier」、「Elastic Heart」など、マディー・ジーグラー(Maddie Ziegler)の独創的な乱舞を彷彿とさせながらも、誰にも見られていない自分だけのダンス・ムーブ。歴史深い壮麗なミレニアム・ビルトモア・ホテルで撮影されたロビーのシーンから、豪雨のストリートでは『雨に唄えば』のジーン・ケリーの如く歓喜を解き放つと、向かった先はメモの場所。魔法は解け、姿を現したテイラーの視線の先には。始まりとは正反対のエンディングを迎えます。

私が今まで言ったこと、最高じゃない?/あなたに夢中でも、大丈夫?/だって、それはdelicateなことだから/(そうよ、私はあなたが欲しい)」、「私が言ったこと、最高じゃない?/まだ早すぎる?/だって、それはdelicateなことだから/私はあなたが好き」、「私が言ったこと、最高?/そうじゃない?(×リフレイン)」、「あなたに夢中でも、大丈夫?/そうじゃない?(×リフレイン)」、「だって、それはdelicateなこと/違う?

Delicate

テイラー・スウィフトは、iHeartRadioでのアルバム・リリース・パーティで同曲について、「レピュテーション(世評、評判/名声)は間違いなくアルバム全体で歌うもの、でも当初よりもだいぶ大胆にアルバムが始まって、こう思うようになったわ。“私について他人が言うことなんて気にしない”ってね」(96.1 KISS)。

「でもそれから5曲目になって、こう思ったわ。人生で誰かと出会う時、どうなっちゃうんだろうって。出会う前に彼らが耳にしてきたことが心配になり始めたわ。ウソのことかもしれないし、レピュテーションが、これから自分のことを知ろうとしている人に、現実に影響を与えてしまうんじゃないかって」。

「そうすると、こう思い始めるわ、それはどのくらい深刻?って。それがこの曲の最初の場面の繊細さだわ。もしかすると実際、ちょっと問題になるんじゃないかって」。冒頭の歌詞では、最悪のレピュテーションのなか「どんな約束も、今はできないよね?私たち、そうだよね?」、二人の関係の約束とともに前に進みたい気持ちを抑えながら、不安、ナーバスになっている繊細な情感を浮かび上がらせます。

そして制作過程でテイラー・スウィフトは、ある一つの疑問に辿り着いたといいます。「現実を疑問視し、レピュテーションに影響されるのは、どの程度?って、それは実際どの位の重さがある?って」。「だからこの曲のタイトルは、”Delicate”なの」。

「delicate」は「デリケート」とほぼ同じく、(1)繊細な、(2)華奢な、脆い、壊れやすい、(3)微妙な、慎重を要する、(4)ほのかに、など。特定するのがデリケートなものの、それこそが同曲に深みをもたらすものに。そしてdelicateなのは、その女性が望んでいる「二人の関係(の約束)」、さらに「レピュテーション」自体をも対象に。二人の未来の約束という”繊細”な問題をとらえながらも、一方でレピュテーションは”脆い”ものに過ぎない、しかし、”慎重を要する”含みをもたせる故に、不透明な未来に不安を重ねながら、”微妙”な距離を縮めていこうとする女性の内面と二人の関係の始まりを巧みにとらえます。

ミュージックビデオ

現在恋人のジョー・アルウィン(Joe Alwyn)に宛てたとみられる「Joe’s Deli」のお店の看板も。ホテルのダンスシーンでは、「J」、「O」、「E」の文字を表現していると指摘するファンもいる(@taylors_cookies)。

ナッシュビルからニューヨーク、そしてニューヨークからロサンゼルスへ。新たな時代を迎えるテイラー・スウィフトの最新映像の監督には、最新アルバム『Reputation』の「Look What You Made Me Do」(ルック・ホワット・ユー・メイド・ミー・ドゥ〜私にこんなマネ、させるなんて)、「…Ready for It」、「End Game」に続いて、韓国系米映像監督ジョセフ・カーン(Joseph Kahn)。再び隠れたメッセージにもその注目を集めます。

「Wildest Dreams」がフラッシュバックするオープニングのレッドカーペットのシーンでは、テイラー・スウィフトの左手薬指には、スネークの指輪。

そして『華麗なるギャツビー』を彷彿とさせるホテルでのダンス・シーンでは、「Shake It Off」なダンスを見せるなか、『Reputation』収録曲「This Is Why We Can’t Have Nice Things」の歌詞「Feeling so Gatsby for that whole year」を思い起こさせるものに。

また地下鉄での落書きには、同曲のトラック番号「track 5」。通りでのダンス・シーンでは、壁に同曲の歌詞「echoes of your footsteps」、「It’s Delicate」、そして「Joe’s Deli」のお店も。「そんな青色(の瞳)、見たことがないわ(Oh damn, never seen that color blue)」、その歌詞とともに、前ミュージック・ビデオに続いて現在恋人の英俳優ジョー・アルウィン(Joe Alwyn)の痕跡を刻みます。

象徴的シーンとなる豪雨のなかでのダンスシーンについては、二人の関係の始まりを描く「Fearless」の歌詞を想起させると指摘するファンも。「なぜかわからないけど/あなたとなら、嵐の中で踊るわ、最高のドレスを着て/コワイものなんてない(And I don’t know why but with you I’d dance in a storm in my best dress/Fearless)

周りの評価から不安と憂鬱で始まった「Delicate」は、フィアレスな本当の自分の姿を再び見出すように、自信と喜びに満ちたエンディングへ。周りの目を消し去る魔法かけてくれた人に見せる澄んだ笑顔には、スターの物語だけではない、ラブ・ストーリーの始まりをも漂わせます。

テイラー・スウィフトは再来月、5月8日より自身のワールド・ツアー「Reputation Stadium Tour」をアリゾナよりキックオフ。同ツアーには、フィフス・ハーモニー(Fifth Harmony)の元メンバー、米カミラ・カベロ(Camila Cabello)、そして映画『きっと、星のせいじゃない。』(原題:The Fault in Our Stars)曲「Boom Clap」や「Boys」でも知られる英チャーリー・エックス・シー・エックス(Charli XCX)の同行が発表されています(日本公演未発表)。

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